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小型月着陸実証機(SLIM)および小型プローブ(LEV)の月面着陸の結果・成果等の記者会見

日時

  • 2024年1月25日(木)14時00分~

登壇者

冒頭言

(國中氏より)

100メートル精度のピンポイント軟着陸に成功と確認。

スラスタの1本が脱落し推力が減衰しつつ目標点から50メートル離れた場所に着陸。

最終着陸の姿勢が予定と異なっていた。

月面撮像には成功。LEV-2はSLIMの姿を撮影に成功。

配付資料

小型月着陸実証機(SLIM)月面着陸の結果について

(坂井氏より)


本日のご報告内容


着陸シーケンスの概要


着陸目標地点の精位置情報


実際の着陸降下について


高度50m付近までの評価/画像照合結果


高度50m付近までの評価/障害物検知結果


高度50m付近までの評価/着陸目標地点へ向けて


高度50m付近までの評価/ピンポイント着陸精度評価


高度50m付近で発生した事象について


異常発生以降の挙動の推定について


推定されている着陸地点


推定されている着陸姿勢


着陸直後の運用について


マルチバンド分光カメラの観測運用結果


今後の復帰運用の見通しについて


まとめ(月面降下・着陸の結果)


まとめ(得られた成果と課題)


応援ありがとうございました。


SLIM搭載超小型月面探査ローバLEV-1

(大槻氏より)


LEV-1ミッションイメージ


LEV-1の運用結果(1月20日


LEV-1達成事項


月面探査ロボットとしての活動時間


跳躍(ホッピング)ならびに車輪回転


地球との直接通信


月面からのUHF帯電波送信


LEV-1の現状と今後について


LEV-2のSLIM撮影およびデータ送信結果

(平野氏より)


LEV-2とは?


LEV-2の主な機能


LEV-2の月面動作シーケンス


LEV-2がフロントカメラで撮影した画像


LEV-2の画像から確認できたこと


今後の方針


質疑応答

ニコニコ動画ななお:質問の前にJAXAの名誉をかけて確認したい。國中氏は「ぎりぎり合格の60点」と以前の会見で話していたが改めて点数を聞きたい

國中:のちほど質問があれば答えたい。60点ではないですね。

ななお:LEV-1、撮像は未確認とのことだがどういう状況か

大槻:撮像結果がデータの中に含まれていない。

JSTサイエンスポータルくさか:100メートル精度について、悪く見積もって10メートル、よければ3~4メートルの結果についてどう理解したらいいのか

坂井:従来の月着陸の精度はキロメートルオーダーだった。悪く見積もって10メートルは自分でも信じられない飛躍と思う。正常に着陸するなら10回中7回は10メートルで着陸できると見込んでおり驚くことではないという受け止め。

フリーライター荒舩:あの着陸姿勢はスラスター1本がなくなった結果自分で制御してああなったのか。坂井さんの受け止めは

坂井:現在はいろいろ解析中。接地以降にどうなったかはまだわかっていない。探査機は下向きに下りてきて接地したということはわかっている。姿勢は復帰見込みのこともありいろいろ解析していた。あの姿勢を見たのは我々もおとといの夜くらい。ただあの姿勢は早めに予想していた。よくあの姿勢でとどまってくれた。太陽電池が地面に向いていては太陽光が当たらない。

フリーランス秋山:20日の会見の時、試験的に越夜を試みるとあったが

坂井:SLIMは越夜の機能は持っていない。昼間であっても月の昼間は高温になる。絶対に耐える設計にはなっておらず数日は運用できるようにしている。バッテリの切り離しと越夜には直接の関係はない。発生電力が失われたらすぐにバッテリを切り離す計画だった。
越夜の可能性はゼロではないと考えており実験しようと思っている。そのときはやはりバッテリを切り離すと考えていた。

ニッポン放送畑中:着陸以降いろいろ節目があったと思うが坂井さんの心境、管制室の様子は

坂井:チームは冷静に対応してくれた。短い時間でやれることはしっかりできた。チームメンバーにたいへん感銘を受けた。
そのあとは分光観測させたいと思っている。
着陸後に衝撃を受けたのはLEV-2の画像。あれすごいですよね。CGで見ていたとおりと言えばそうなんですが、自分たちが創ったものが月面にあることの衝撃。見たときに腰が抜けそうになった。LEV-2のチームに感謝。

月探査情報ステーション寺薗:着陸直後に電力がとだえたが、その場合の運用手順はあったのか、訓練をしていたのか

坂井:運用訓練はいろいろ行っていた。電力喪失の原因はいろいろ考えられた。あの姿勢になる想定はなかったが。

NewsPicks中居:太陽電池の復旧の可能性についてですが、月の昼間は100℃以上になり、半導体が壊れてしまう可能性もあると伺いました。半導体が耐えられたかどうかはどの時点でわかるのでしょうか。また高温化以外のリスクは何かありますでしょうか。

坂井:特定が難しい。大きなリスクになるがなにが起きたのか確認できた限り異常な機器はないが、太陽電池は確認できておらずリスクはある。またリスクとしては考えにくいが、着陸姿勢がどのくらい安定しているかも気になる。全力で復旧運用したい。

宇宙作家クラブ今村:LEV-2は複数の画像を撮影しているのかや、撮影したが破棄した画像の枚数はわかるか

平野:複数の画像を撮影しているのはわかっている。解析中。

今村:今後新しい画像が出てくる可能性はある?

平野:はい。

NVS齋藤:LEV-2の稼働時間や移動距離などは

平野:それも解析中。

日刊工業新聞飯田:太陽電池に光が当たるのはいつごろか。充電の操作について詳しく

坂井:このあと1月中は陽が当たるだろうと考えている。自分で電源オンになったあと指示待ちになる。こちらから一定の間隔で「返信を送れ」という信号を送る。その後は分光観測などを行う。

フリーランス鳥嶋:スライド14ページ。メインエンジンの問題は外的な要因がとあったがたとえばどういうことが考えられるのか

坂井:メインエンジンは正常に動作していたため外的要因と考えている。具体的には調査中。考えていることはあるが言及は差し控えたい。

鳥嶋:メインエンジンそのものになにかあった可能性もある?

坂井:基本的にはその通り。外的要因を考えたあとメインエンジンに戻ってくることになるだろう。

鹿児島放送南:基本的な質問ですが①SLIMは鹿児島・種子島から打ち上げられた探査機です。鹿児島でも成功を大変喜んでいます。一言コメントをお願いいしたいです。②今回の成功の意義を改めてひとこと総括願います。

坂井:打ち上げは種子島から9月に。思い出してみると天候不順でなかなか打ち上げ日が確定しなかったが9月7日に見事に打ち上げた。
今後の意義は、プロジェクトの公式見解は100メートルのピンポイント着陸ができて一番の成果となるし、数日前までこう答えようと思っていた。
スライド4ページ。SLIMの着陸目標点はクレーターとクレーターのはざまにある場所をあえて選んだ。

分光観測のチームが「あそこに下りたい」と言うのでそこへ行った。SLIMでなければ「そんなの無理、何言ってるの」と追い返されただろう。なるべく安全に下りるものとか、場所を選べるわけはないと思われていた。そこへ挑戦して着陸できた。陸上競技などでも一度記録が伸びるとほかの選手がそれに続くことがある。今後今まで行けなかった所へ行くミッションへの扉を開いたかもしれない。そういうところにSLIMのなしとげた意義があるのではないか。

フリーランス林:坂井さんは画像を見て腰を抜かしたと坂井さんが言っていたが平野さんの印象は。また画像からわかることは

平野:いろいろな感情が大渋滞していた。ちゃんとSLIMが写っている画像を転送できたのでやった、よかったという気持ち、応援と期待にこたえられたという気持ち、SLIMがこういう姿勢になっていて当初の想定と違っていた。着陸後の想定とは同じだったのでそこが。
画像の中心のパケットロスがあったこと。本当はもっときれいな画像を撮れたのだが通信の制限などもあってこうなった。

坂井:こういう写真を撮れたことにたいへんな衝撃を受けた。一枚の写真が多くのことを語る。こういう画像が手に入ったことはとても恵まれている。

林:写真を見るとスラスター1本は残っていますよね。もう1本は

坂井:まだわからない

フリーランスあかね:「今回は技術実証できなかった2段階着陸のダイナミクス」とあるが、まずは1本目の足を出して着陸し倒れ込むものと理解している。実際はどうだったのか

坂井:途中でも申し上げたが接地までの降下速度が遅いこともあり姿勢はわかっている。その後はまだよくわかっていない。降下速度や横方向の速度も条件がある。横方向は決められた範囲を超えてしまったとわかっている。入口の条件を達成できなかった。2段階着陸をできなかった理由。

NHKてらにし:マルチバンド分光カメラについて。333枚中257枚採用というのはどのくらいの成果か

坂井:専門でないので自分の理解だが、全体をまずなめてみてどこを観測するか特定するもの。すでに6個の観測対象を特定できている。その目標はすでに達成している。
分光カメラはとてもいいもので、ズームやオートフォーカスできる。6つの観測対象についてズーム画像を撮影して成分分析を行うことになっている。復旧できればそういう科学観測で月の組成を理解できるだろう。

朝日新聞いしくら:前回の記者会見で國中先生に「何点ですか」と聞いた者だが改めて聞きたい。またその理由。坂井さんにも現時点の評価を。

坂井:所長の採点を聞くと発言できなくなるので私から。自己採点としては、ピンポイント着陸については百点満点。500点や300点とも言いたいが見込んだとおりの性能を発揮してくれたので、エンジニアのメンタリティとしてあえて100点満点と。
ピンポイント着陸についてはまだわかっていないこともある。分光観測を復旧させたいのでなかなか難しい。こういうたとえは不謹慎と思うが飛行機にたとえると、小型の双発の飛行機が、片方のエンジンを失った状態でなんとか着陸したものと感じている。エンジンが故障した原因は必ず突き止めなければならない。一方で無事に着陸させた機長はSLIMくんと思うが、見守っていた我々としては審査員特別賞をあげたい。

國中:宇宙研としては500Nスラスタがたいへん惜しかった、あと数分もってくれればのに大変もったいないという印象です。宇宙研は500Nスラスタはいい成績を出していない。最初の火星探査機のぞみはスラスタシステムのエラーで火星に軌道投入できず、金星探査機あかつきもスラスタシステムの故障があり当初予定の周回軌道に入れなかった。
SLIMでいい成績をおさめて次も使っていこうと思っていた。MMXでは6本使う。方式など違うのでSLIMの結果がMMXに直接影響はしないが、500Nスラスタを使い込めるようにしていかなければならないが影響が出ることを危惧している。
なのでSLIMの点数は当初の「ぎりぎり合格60点」に、マルチバンド分光カメラがうまくいったので1点、LEV-1とLEV-2が正確に動いたことでそれぞれ1点ずつ足して63点でお願いします。

東京新聞かとう:SLIMの着陸姿勢を推定するのにLEV-2の撮影データは補強になったか。また撮影時刻は

坂井:先ほどの資料17ページでCGがあったが、あの画像はLEV-2の写真を見る前に作ったCG画像。LEV-2の画像は答え合わせになった。推定して「きっとこうだろう」が合っていた。

平野:撮影時刻はなんとなくわかっているがその確からしさを分析中。全体の中での時刻も解析中。

共同通信須江:2段階着陸について。機体の回転などに備えるしくみもあったが想定外の挙動をした?

坂井:降下速度は想定内だったが横方向の速度が想定範囲外だった。
解明できていないが、あの姿勢でも着陸できたのは2段階着陸の設計が寄与している可能性はある。

日刊工業新聞飯田:國中所長に。500Nスラスタのどういうところが難しいのか。MMXの設計変更も可能性はあるのか

國中:500NスラスタはJAXAの衛星ではたくさん使っている。HTVなど。しかしなぜか宇宙研が採用すると完璧な成功まで持って行けていない。なぜなのかずっと考えている。使い方が違うのは、燃料を入れてから使い始めるのが半年や1年後であること。そういう宇宙での待機期間の長さでシステム上問題が発生するのかも。あかつきでは長期間運転しない間にえんが発生して失敗。
宇宙研はうまく使いこなせないというのが事実としてある。MMXは500Nがないとどうにもならない。水平展開があれば反映させて成功させたい。
のぞみやあかつきの経験はMMXに入っているがSLIMの知見はまだ。MMXには引き続き最大級の努力をしていきたい。

日経新聞こだま:SLIMのプロジェクトはSELENE-B以降20年ごしの想いがあれば

國中:宇宙研の月へのアプローチという意味ではひてん、LUNAR-A。SELENE-Bもあった。すべてが成功したわけではなく打ち上げまで至らなかったものもある。
SLIMについては実に宇宙研ぽい結末になってしまって申し訳ない限り。ピンポイント着陸の技術を獲得したのは大きい。100メートル精度で山のてっぺんに下りることもできると証明された。MMXフォボスの上に下りなければならない。宇宙研としてはこれをカタパルトにしてますます惑星探査を拡大していきたい。

坂井:プロジェクトを預かってきた者としての20年について。
SLIMに関わるようになったのは2013年ごろ。20年間の半分に参加してきた。20年前からSLIMのことを考えてきたベテランがチームにもいる。そういう人たちが強力な核になってくれた。
プロジェクトが発足してからは多くの人に参加してもらった。中堅、若手メンバーとベテランが大変うまく融合してこの成果につながった。
いいチームでしたので感謝の念しかない。20年前からこの構想をひっぱって来られた澤井、福田両教授には大きく感謝。

TBSテレビこまつ:画像やデータが月の成り立ちの解明にどう役立つか、どんな意義があるか。

坂井:月の成り立ちの解明については分光観測にかかっている。復旧運用にかかっている。
100メートルの意義は今まで誰もできなかったことを実現して下りられるところに下りることを実証。
新しい扉を開き、新しいミッションができることになったのが大きな意義がある。

フリーランス大塚:SLIMとの通信が復旧したときの運用について。スラスターを噴射して姿勢を戻してみたりするか。

坂井:仮定の話になるが運用再開して分光観測できたらそのままの状態で越夜をさせて、その後分光観測に再度トライする。観測できるならあえて倒さず次のチャンスにかける、と考えるだろうが現時点では確定していない。

大塚:縦向きで越夜になることのリスクは

坂井:詳細な熱解析が間に合っていない。越夜でどちらの姿勢がいいのかはわからない。

(以上)

おみくじは大吉

今年もいつものように初詣へ行き、いつものようにおみくじを引いた。

第四十五番

我が道を愚直に進め
不可能に見えることも情熱をもってび続けなさい
他人の決めた常識にとらわれることなく 自分で決断せよ 予測できる未来などない 自分で創るものだ

運勢 大吉


  • 願望:一心に願えば叶う
  • 仕事:噂話や評判に翻弄される 中立を心がけよ
  • 恋愛:理想の人と出会う 積極的に行動しうまくいく
  • 健康:怪我に注意して生活せよ
  • 学業:一つ一つ達成していく 焦らず進め
  • 金運:絶好調のとき 売買利あり
  • 旅行:山登りや天体観測など自然のある場所が吉
  • 出産おさん:安産です 心を穏やかに

縁起物は大黒天だった。

大黒天だいこくてん
七福神の一神として恵比寿神と共に授福神の代表と知られています。「生産と販売」の御神徳で営業繁栄、商売繁盛、五穀豊穣として古くから信仰を集めています。財布等の中に入れて開運招福のお守としてたいせつにお持ち下さい。

去年の個人的トピックは、久しぶりに本をまるまる一冊編集できたこと。本を作るのはやっぱり楽しい。次はもう少し時間に余裕を持って制作したい。

世の中はジャニーズ事務所の性被害問題、宝塚歌劇団の団員自殺問題、自民党の裏金疑惑などがあった。長年見過ごされてきた問題が次々に噴き出してきたと感じる。自衛隊員だった女性が宴会でのセクハラを強制わいせつ罪として告発し、元同僚から有罪判決を勝ち取った件も世の中の変化の一つだろう。岸田政権は不景気なのに減税せず、国民からとにかくお金を巻き上げようとするのはやめてほしい。選挙を通じて、今日よりよい明日が来ると確信できる国にしたいものだ。

海外ではパレスチナで、ガザ地区からイスラエルへの襲撃に端を発したイスラエルの報復攻撃が今も続いている。これはウクライナ侵攻と違い、ロシアが撤退すれば済むような単純な話ではなく本当に胸が痛む。誰もが幸せに暮らせる世の中を目指していきたい。

今日は元日から石川県で震度7を観測する大きな地震があった。何度も大きな余震があり、今も日本本土の日本海側は全域にわたって津波警報津波注意報が出ている。一年の始まりにいきなりの災難だ。今年はどんな一年間になるだろうか。

これまでのおみくじ

2023年はこんな年でした

(このエントリの目的はhttps://ima.hatenablog.jp/entry/2020/12/31/170000#fromeditorをご参照ください)

1月の出来事

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APIで投稿したはてなブログの記事にcodocをつける正しい手順

ひとつ前のエントリ「FDM方式の3Dプリンタで出力するキーキャップの軸の設計」はいつものように、はてなブログライターを使って投稿した。そして初めてcodocと連携して、記事に投げ銭できるようにしようと思ったらこれがなかなか難しかった。

以下の手順以外だと「購入済の方はログインしてください」とだけ出て、有料部分の価格や「記事を購入」ボタンが表示されなくなることがある。

  1. 記事をいつものようにAPIを介して投稿。自分の場合ははてなブログライターを使う。このとき「====codoc_paywall: ここから下に有料部分を書いてください====」の行は含めない(有料部分を短い間でも公開したくない場合は、この時点では有料部分を含めない)
  2. 投稿した記事をはてなブログで表示し、「編集」ボタンをクリックして編集画面へ移動
  3. 投稿の入力フォームのカーソルを、以降を有料にしたい場所の最初の行(や記事の末尾)へ移動する
  4. 編集画面のサイドバーにある「¥」から「記事に有料部分を追加」をクリック。「====codoc_paywall: ……」が入力される
  5. 価格を入力し、「====codoc_paywall: ……」の行をコピーしてから「更新する」ボタンをクリック
  6. 記事を表示し、「この続きはcodocで購入」や記事のタイトル、価格などが出ていることを確認(codocにログインしている場合はいったんログアウトするかシークレットウィンドウを表示して確認)
  7. はてなブログライターのテキストファイルに「====codoc_paywall: ここから下に有料部分を書いてください====」と必要に応じて有料部分を追記し、はてなブログライターで更新

これではてなブログライターが管理するテキストファイルと実際の記事に齟齬がない状態で、記事の末尾に「この続きはcodocで購入」、有料部分の文字数、タイトルや価格、「記事を購入」ボタンが表示される。

記事の最初の登録時に「====codoc_paywall: ……」を含めていた場合、「記事に有料部分を追加」をクリックしてもその行が追加されるだけで価格を入力できない。その場合は以下のように操作する。

  1. 「記事に有料部分を追加」の下にある「codocの設定を開く」ボタンをクリック
  2. codocの記事編集画面が開く。「□編集を続行」のチェックボタンをオンにする
  3. 「単体販売」が「しない」になっているので「する」をクリック、価格を入力
  4. 「更新」ボタンをクリック

これでこんな感じに「この続きはcodocで購入」が表示される↓

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FDM方式の3Dプリンタで出力するキーキャップの軸の設計

これは「キーボード アドベントカレンダー2023(#2)」の16日目の記事です。12月1日から25日まで、持ち回りでキーボードについて記事を書いています。

自分でモデリングしたキーキャップの出力は、DMM.makeの3Dプリントサービスなど外部の業者に依頼するか、光造形(SLA)方式の3Dプリンタを使うのが一般的でしょう。個人向けの安価な3DプリンタにはFDM(熱溶解積層)方式の機種も多くありますが細かな造形が苦手なので、既存のキーキャップの軸をそのままモデリングしても軸の部分をうまく出力できません。

Cherry MXタイプのキーキャップの一般的な軸

Cherry MXキーキャップの各種寸法

Developer Page - CherryMX
光造形(SLA)方式の3Dプリンタの例

SLA方式は光で硬化するレジンを材料にして造形します。

FDM方式の3Dプリンタの例

FDM方式はプラスチックを熱で溶かして造形します。

FDM方式の3Dプリンタは、素材となるひも状のプラスチック(フィラメント)を熱で溶かして細く軟らかくし、3次元の形状を一筆書きで描きながら積み上げていきます。熱で細くなったフィラメントの太さはノズルの直径で決まり、一般的には0.4ミリです。一方キーキャップの軸は、太さ5.5ミリの円柱の中心に十字の穴が空いています。これは0.4ミリ幅のフィラメントで描くのが難しい細かさです。出力しても正しい形状にならず、キースイッチにうまく装着できません。

そこで形状を工夫し、比較的精度が低いFDM方式の3Dプリンタで出力してもキースイッチに装着できるキーキャップの軸を考案しました。こんな感じです。

CAD画面での外観
FDM方式の3Dプリンタで出力したもの
キースイッチに装着したところ

コの字を向かい合わせにしたような軸なので名付けて「[ ]軸」としたいのですが、これでは名前があっても読めないので「FDM軸」にします。軸部分の寸法は以下の通りです。

FDM軸の寸法

キースイッチの軸に接する部分の寸法は、お使いの3Dプリンタやフィラメントに合わせて調整が必要になるかもしれません。

キースイッチの中には、軸の周囲にカバーがついているものがあります。これだとFDM軸のキーキャップは装着できないかもと思いましたが、手持ちのKailh Box Royal(リンク先は遊舎工房)では装着できました。

Kailh Box Royalの外観(遊舎工房のショップページから引用)

https://shop.yushakobo.jp/products/kailh-box-royal

一方、Durock Splash Brothers(リンク先は遊舎工房)のように軸の周囲がタイトなキースイッチにはおそらく装着できないでしょう。その点はご了承ください。

Durock Splash Brothersの外観(遊舎工房のショップページから引用)

https://shop.yushakobo.jp/products/5364

モデリングするのが面倒な方のために、STLデータとFusion360用のf3dデータを無償で公開しています。試してみてください。

上のデータはキーの高さを3.9ミリとごく低くしています。3Dプリンタでの出力時間を短くし、キースイッチとのはめ合いをすぐに確認できるようにするためです。

f3dデータではキーの高さをパラメトリックに変更できます。

Fusion360で「FDM_axis.f3d」を開きます。履歴の2番目、「オフセット平面」のアイコンを右クリックして「フィーチャ編集」を選択します。
②「フィーチャ編集」の「距離」にキーの高さをミリメートル単位で入力します。たとえば「9」を入力して「OK」ボタンをクリックします。
③キーの高さが9ミリになりました。
軸の長さや面取りの位置は、キーの高さに合わせて自動的に変化します。

それからこのデータはキートップ部分が完全に平らです。少しへこませたデータも作ってみましたが、FDM方式の3Dプリンタは1層が0.1~0.2ミリ程度あるため、微妙な曲面をきれいに出力できませんでした。

3Dプリントもモデリングも面倒な方のために、我が家の3Dプリンタで出力したキーキャップを販売します…といきたかったのですが、3Dプリンタは調整が必要で無理でした。すみません。

最後に、キー部天キーでFDM軸の話をしたところ、「この知見はぜひ公開するべきですよ!」と提案してくださった@takashicompanyさんに感謝します。

この記事はエレコムTK-FBP044BKで書きました。自作キーボード界隈は長年追っていますが、自分が常用する自作キーボードはいつ完成するのでしょうか。

明日の記事はあるこさんの「2023年自作キーボード振り返り」です。自作キーボードはカスタマイズのパラメータが多すぎて、簡単に沼になるのがいいですよね!

本記事へ投げ銭したい方のためのリンクは以下です。お礼だけ書いてあります。よろしければお願いします。

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今シーズンのサンシェードは終了

今年の夏は暑かった。11月に入っても東京で夏日があったりして、最高気温は11月24日に24.2度、28日には22.5度だった。このくらいの気温だと、午後から夕方にかけては外からの熱を窓で遮断したくなる。それでも今シーズンはもう20度を超えるような最高気温は来ないようだ。サンシェードをすべて上げて、太陽の熱をなるべく室内に取り込む状態にした。

これまでのサンシェードを片づけた日の記録をふり返ってみよう。

今年は今までよりだいぶ遅かっただろうと思ったらそうでもなかった。確かに記録上一番遅い日ではあったが、去年やおととしもほぼ同じ日にサンシェードを片づけている。午後の日射しが十分弱くなるのがこの時期なのだろう。

サンシェードをかけた日の記録はどうだろうか。

こちらはけっこうばらつきがあって、4月にもう使い始めている年もあれば、6月まで使わなかった年もある。来年の春はどうなるだろうか。

自作キーボードのイベント「天キー5」に行ってきた

「天下一キーボードわいわい会vol.5」、略して「天キー5」へ行ってきた。コンピュータ用キーボードのイベントである。

天キー5のページ
天下一キーボードわいわい会 Vol.5 - connpass
中継録画
Daihuku(@Daihuku0015)さんによる会場レポート
会場入口の案内看板はレゴで作られていた

そのほかは当日のツイートから。

奇抜なキーボードはほかにもあったけれど、どんどん写真を撮る気分ではなかったのでこれだけです。ハッシュタグ#天キー」をたどるといろいろなキーボードを見られます。

セッションはサリチル酸@Salicylic_acid3)さんの「自作キーボードとポインティングデバイス」(中継録画では14分40秒あたりから)などを拝見。サリチル酸さんのテンションがやや高めで、今日も寝不足なのかなと心配になったりした。

それからイベントの最後に、キーボード関連の即売会「キーボードマーケットトーキョー」(キーケット)の開催が発表された。「自作キーボードのコミケというイメージ」だそうで、来年の3月2日に浅草の東京都立産業貿易センター 台東館で行われるとのこと。

自作キーボードの店「遊舎工房」でフリーマーケットが行われることもあったが、キーケットは参加サークル30ともうちょっと規模が大きい。どんなものが出てくるか楽しみだ。

天キーのほうは次回、来年の5月4日に開催する予定で準備中だそう。「ここの会場を次回も借りられるかは今日の皆さんのお行儀にかかっています」だったので確定ではない。おお心配。

追記

Vol. 6の記事も書いた。