自作キーボードやアクリルアクセサリをBOOTHで頒布しています。どうぞご覧ください

小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「トリフネ」フライバイ時に取得した成果に関する記者説明会

日時

  • 2026年7月30日(木)15:30~16:30

登壇者

  • JAXA宇宙科学研究所 はやぶさ2 拡張ミッションチーム チーム長 三桝裕也(みます・ゆうや)(JAXA宇宙科学研究所 宇宙科学プログラムディレクタ付 研究開発主幹)
  • JAXA宇宙科学研究所 はやぶさ2 拡張ミッションチーム 吉川真(よしかわ・まこと)(JAXA宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 准教授)
  • JAXA宇宙科学研究所 はやぶさ2 拡張ミッションチーム 竹内央(たけうち・ひろし)(JAXA宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 教授)

中継録画

小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「トリフネ」フライバイ時に取得した成果に関する記者説明会 - YouTube

本日の内容

(三桝氏より)


本日のポイント


1.トリフネフライバイ探査の概要

重要な観測データはフライバイ時のもの、残りのデータはそれより前や後のデータ。

2.フライバイの再接近距離

非常によい軌道誘導精度でフライバイができた。

3.フライバイにおける航法誘導制御の状況

(竹内氏より)

オンボード制御はJAXA研究開発本部のふじわら氏が中心となって開発した。非常にきれいな制御ができた。

電波光学複合航法の概要

2-wayドップラと2-wayレンジは探査機との距離を測定。DDORはパルサーを用いて平面上の位置を測定する手法。

OP-NAV観測は6月20日くらいから(はやぶさ2がトリフネをとらえらえるようになってから)。Astrometry観測をはやぶさ2から行うようなもの。

NASA DSN局による運用サポート

NASAの運用サポートにはたいへん感謝している。おかげで高精度な軌道推定ができた。

TCM-B(2026-07-01 14:50)の実績

TCM-B実施前は緑のところ、実施後はオレンジの場所。

TCM-C(2026-07-04 17:50)の実績


TCM-D(2026-07-05 15:27)の実績

地上からのTCMで、目標点まで950メートルのところへ持っていった。

フライバイ航法誘導制御運用を行った機関


4.トリフネの大きさと軌道精度


トリフネ軌道の不定性の改善

(フライバイによってトリフネの軌道の不定性を下げることができた)

プラネタリーディフェンスに向けたよいデモンストレーションになった。

5.LIDARによる距離計測

(吉川氏より)

小惑星フライバイにおけるLIDAR計測は世界初。

フライバイでLIDAR計測ができると、日照側以外からの接近でも探査できる可能性がある。

計測時刻がより正確にわかった。


6.地球防衛(プラネタリーディフェンス)に関する所見

はやぶさ2はランデブー用の探査機。フライバイ用でない探査機で高精度なフライバイができた意義は大きい。

参考資料


はやぶさ2拡張ミッション概要


サイエンス機器


過去のフライバイ探査の実績

赤で囲った項目は、表の中で一番天体に近づいたもの。嫦娥2号が小惑星表面から770メートルだった。今回この記録を上回った。

質疑応答

産経新聞伊藤:現在の気持ち、それからはやぶさ2にかけたい言葉は

三桝:現在の気持ちは…再接近距離が744メートルと近いところを通すことができた。すばらしい技術を獲得できた。ここまでがんばってきたチームのことを誇りに思う。達成した探査機にもすばらしい成果をだしてくれてお疲れさまといいたい。

伊藤:再接近距離はレーザー測距でわかったのか

三桝:撮影した画像とLIDAR測距の情報を総合して解析して得た。

フリーランス茜:LIDARでの測距はJAXAの開発者が創意工夫したものなのか。またプラネタリーディフェンスに際して世界各国で協力するにあたって観測のコツを共有したりするのか

吉川:JAXAの技術者とメーカーによる大変な開発だったと聞いている。はやぶさ2はランデブー用の探査機。秒速5キロという高速で使うことを想定していなかった。そんなLIDARで計測できたこと、今後小惑星の軌道を正確に知りたいとなったときLIDARの活用が有効であろうという知見を得たことが重要。

日本経済新聞森:はやぶさ2がトリフネの表面から400メートルに接近したとのこと。史上最接近と考えてよいか

三桝:その通り。過去のフライバイ探査と比較して一番近いところを通った結果になっている。

月刊星ナビ中野:航法誘導制御について。トリフネに対する航法誘導制御で、過去の小惑星探査でと比べての違いは。最終目的地の小惑星探査に関してなにが役立つか

竹内:航法誘導制御は地球から遠いところにいる方が格段に難しい。遠方での1キロという制御は非常に精度が高い。リュウグウとの違いは、リュウグウはランデブーなので相対速度がゼロになる。そのときの距離2,000キロはトリフネの場合最接近400秒前。ランデブーと違って短時間で精度が必要。違った難しさがある。究極な状況で高精度を出せたので、ランデブーならより早く接近できたりするような成果が得られたと思う。

NVS齋藤:資料4ページ。画像の日時は29分59秒とあり最接近1秒前。このときトリフネとの距離は5.3キロほどか

三桝:時間が1秒前なのでおよそその通りになる。

齋藤:1秒後の画像はもう小惑星が映っていないのか

三桝:微妙に映っているように見えるものもあるが解析が必要。

サイエンスライター山田:トリフネの大きさをどうやって測ったのか

吉川:写真が撮れるとカメラの特性から角度がわかる。小惑星との距離もわかる。距離と画角がわかると大きさがわかる。必ずしも正対していない。少し曲がっている。その角度も含めて割り出した。

山田:LIDARが届いたポイントは2か所。(…)

吉川:撮影した時刻がわかると探査機の位置がわかる。画面上のトリフネの画像は少し傾いている。

竹内:トリフネに対してななめに進んだことで精度が出たところもある。

フリーライター荒舩:TCMの資料は推定と実測の位置が書いてある。実測の数値を見てからTCMの量を決めるのか。

竹内:実測の位置は到着したあとにわかったもの。

荒舩:推測から動かして正確に誘導できた?

竹内:その通り。

JSTサイエンスポータル草下:今回は探査機運用の結果やプラネタリーディフェンスの話が中心だったが、理学的に新しい話はあるか。小惑星の生成過程についてなど。

吉川:今サイエンスチームはトリフネの観測データを解析している。まだここで言えるような結論にはなっていない。今後いろいろわかってくるだろう。いいデータが取れている。

時事通信神田:資料11ページ。オンボード航法開始時の位置は、はやぶさ2自身は把握していたのか

竹内:わかっていない。フライバイ後のデータを解析してここにいたとわかったもの。

神田:オンボード航法ができなかったら950メートルが限界だった。

竹内:その通り。

神田:オンボードを実施して距離を詰めることができた。そのことをどう評価するか

竹内:本当にきれいにいったと思っている。4回のTCMできれいに目標に向かっている。最後のオンボード制御でうまく近づくことができ感動している。

宇宙作家クラブ渡部:LIDAR照射の頻度について。もともとの使い道では1秒おきでよいと思うが、このような使い方をするとなるともっと高頻度にできたらと考える。そのあたりどうか

三桝:はやぶさ2のLIDARでは1秒おきが仕様として決まっている。最高頻度で取得した。もっと高頻度で取得できるものもある。

吉川:今回のLIDAR計測の成功で、フライバイ用にLIDARを開発していくのが重要になりそうだという感触を得た。

フリーランス大塚:誘導制御について。資料5ページの最接近地点の図。事前の説明では誤差楕円が出ていたが、それとの差分を知りたい

三桝:今回資料中には出せていませんが、3σから若干出ている。

大塚:ちょっと右に傾いている?

三桝:そのような結果になっている。

大塚:ずれたことをどう評価するか

三桝:誘導制御の観点では、最接近位置と目標点のずれが120メートルという距離は世界に誇れる結果と思うが、事前に示した誤差楕円からは少し出ている。オンボード側の光学航法でデータを取り込めない状況があったりして、3σというのもベストエフォート、一番うまくいったらこうという図だった。

大塚:120メートルのずれだったが光学航法がうまくいけばもっと近づけた?

三桝:その通り。

竹内:長軸150メートルの楕円だったと思う。実際はもうちょっと■と聞いている。■も要因のひとつ。

フリーライター荒舩:プラネタリーディフェンスに資する結果とのことだが、ほかの探査機での探査にも使える結果か

三桝:今回の結果はJAXAの今後のDESTINY+でも軌道航法誘導に貢献するだろう。プラネタリーディフェンスではラムセスにつながる。

吉川:ラムセスはアポフィスにランデブー。フライバイではないが役立つことがあるかも。

毎日新聞永山:大塚さんの質問に近いが、6ページ目の図。120メートル足りなかった、ずれたというが結果的によりトリフネに近づいた。怪我の功名? 想定しない何がおきたのか現状でわかっているか

三桝:前回(7/6)以降の解析で何がおきたかはだいぶわかってきた。ソフトウェアの時刻間隔が想定より長かった(?)などで光学航法を取り込めなかったので精度が上がりきらなかった。744メートル、内側に行ったのはたまたま、怪我の功名。逆側に行った可能性もあった。

永山:より近づきすぎて衝突するリスクもあった?

三桝:今回の結果は目標点と最終接近地点の距離が120メートルだとして、結果として小惑星にぶつかるところには行っていない。十分な精度で制御できたと思っている。

共同通信田島:現在のはやぶさ2の状態について知りたい

三桝:9日以降イオンエンジンの運転を再開。現在までは当初見られている劣化に対してより進行しているという情報はなく正常に動作している。そのほかの機器も劣化がみられているが、現在まではこれまでと同じ状態で運用できている。

NVS齋藤:資料8ページ。DSNの運用サポートについて。毎日伝播測距をしていたというが、臼田とゴールドストーンで東西、臼田とキャンベラで南北がとれるのは地理的なメリットがあるのかと思うがどうか

竹内:おっしゃる通りで、日本局がなくゴールドストーンとマドリッド、ゴールドストーンとキャンベラだと時間を分けてとらなければならない。臼田の位置関係は東西と南北のΔドアをとれる大きなメリットがある。キネマティック軌道決定と呼んでいるが、時間をかけずに3次元の位置をとれる。優位性がある手法。今後NASAのミッションでも臼田が貢献することも検討されている。

(以上)

小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星「トリフネ」フライバイ後記者説明会

日時

  • 2026年7月6日(水)16:00~17:00

登壇者

  • JAXA 宇宙科学研究所 はやぶさ2 拡張ミッションチーム チーム長 三桝裕也(みます・ゆうや)(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙科学プログラムディレクタ付 研究開発主幹)
  • 吉川真(よしかわ・まこと)(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 准教授)
  • (陪席)JAXA理事/宇宙科学研究所 所長 藤本正樹(ふじもと・まさき)

中継録画

小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星「トリフネ」フライバイ後記者説明会 - YouTube

参考:小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星トリフネ・フライバイのライブ中継

本日の内容

(三桝)

続きを読む

小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星「トリフネ」フライバイに関する記者説明会

日時

  • 2026年6月24日(水)14:00~15:00

登壇者

  • JAXA 宇宙科学研究所 はやぶさ2 拡張ミッションチーム チーム長 三桝裕也(みます・ゆうや)(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙科学プログラムディレクタ付 研究開発主幹)
  • 吉川真(よしかわ・まこと)(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 准教授)

中継録画

小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星「トリフネ」フライバイに関する記者説明会 - YouTube

本日の内容

続きを読む

天キー11で直交配列の分割キーボードをたくさん見た

6月6日に天下一キーボードわいわい会(天キー)vol.11が開催されて参加した。

前回と同じくThumbShift3を持ち込んだ。説明書きはキーケット2026のときに作ったチラシを置いた。ぱっと見わりと普通で目を引きにくいデザインなのでトラックボールなどをアピール。


ThumbShift3を触っている人にときどき話を聞いてみると、やはりトラックボールが気になる人が多い。ただAZ1UBALLはマウスポインタを動かすよりもスクロールボールとして使うのがちょうどいい。今回作者のよっぴ'氏(@4py1)に話を聞くと、これ以上の精度向上は難しいとのことだった。

カラーリングをほめてくれる人がちょこちょこいた。確かにこのキーキャップの色(特に黒とオレンジの差し色)とアクリルプレートの色の組み合わせはなかなかよいと自分でも思う。キーキャップもアクリルプレートもほかの色でいい感じにできないかな。

会場を見て歩くと、今回はオーソリニア(直交配列)の分割キーボードが多いと感じた。トラックボールがついていたり無線だったりする。見かけたら写真を撮っていった。

Nix氏(@Nagato1ndex)のNickey44シリーズ
おーざわ氏(@zawa_grumpy)所有のNickey44
只(3.5V20mA)氏(@unbanProbe)のo67(仮)
人生、真っ二つ。氏(@hyyhyy2003)のminimal-keys
ねもと氏(9dpbQ)のMagic Square Keyboard
たかまる氏(@Takamaru_FPV)のCLine46ortho47t
kay (LiNEA.keyFreaks)氏(@i_love_diy_00)のLiNEA40
Mogma Products(@MogmaProducts)のLoofie FocusGrow
muino氏(@mui__key)のFrostOrtho
おぐ氏(@ogu_key)のAeroguとAerogu L Size
wegg | kaito horio氏(@omwegg)のpoached-eggs
アレくとーる@A's Key氏(@alektor_diy)のSylvaTwinとMeKaBu:DELTA

会場にはほかにもあったと思う。

今回はじーびす氏(@jeebis_iox)のメジロ式に挑戦してみた。少ない打鍵数で超高速なタイピングが可能になる配列で、動画を見てみると恐ろしさがわかる。

もちろんいきなりこんなに早く入力できるわけはなく、画面の「天下一キーボードワイワイ会に参加しています」はじーびす氏に直接手ほどきを受けつつ、右下の「試しに入力してみよう」を見ながらえっちらおっちら数分かけて入力した。そして一文入力してみたらメジロ式の考え方が少しわかった気がする。熟練のタイピング動画を見るだけではとても無理、習得できないと感じていたが、入力体験の結果、がんばって練習すればある程度なんとかなるかもと印象が変わった。

そのほかいろいろ。

蓮乃紫氏(@Murasaki_min)は自作アルチザンキーキャップを展示。ここは空気感が違っていた。Lotus Keys Studioの公式サイトもキーキャップの紹介ページとは思えない。

ほにゃ工房(@honya_koubou)が展示したのは「着せ替えキーボード」こと「KiseKey Split」。カワイイを追求していて、自作キーボードにこういう方向性があるのはとてもよい。

bbg1988氏が所有の市販キーボード「Field75 HE」(NuPhy)。キーキャップをKEYMOJI Back to the FutureMW Reel to Reel(のNovelty)に交換して80年代レトロを演出している。

ネタ系ではhsgw氏(@hsgw)の容積1,000倍のキースイッチ「DEKA SWITCH 1000%」や256キーのMIDIキーボードがあったが写真を撮り忘れた。

会場にはもっともっとこだわりのキーボードがあった。下のレポート記事リンク集からどうぞ。

天キー11の動画

Keeb Taro氏(@KeebTaro)撮影。

以下はいずれもdaihuku氏(@Daihiku0015)撮影。

会場のステージを映した動画。なにもない時間が長いので、コメント欄(概要欄ではなく)にあるタイムスケジュールのコメントを参照するとよい。

「それはそう」座談会(1時間29分44秒に開始)では「オーソリニア配列が流行している」というテーマが出てきて驚いた。

会場を回りながら撮影した動画。2時間以上で見ごたえあり。

天キーが年2回から年3回の開催になっても、会場の熱量は変わらないと感じる。そして初参加の人が3~4割なのも以前と同じだ。自作キーボードに興味を持つ人がもっと増えていくとよい。

3Dプリンタのイベントでいろいろなアイデアを見てきた

Japan RepRap Festival 2026という3Dプリンタのイベントが5月30日と31日に開催された。去年が第1回で、そのレポートを読んで面白そうだと思い今回は2日目の31日に行ってみた。会場は東京流通センター(TRC)。

出展しているのは3Dプリンタのメーカー、代理店、フィラメントのメーカー、3Dプリンタを自作や改造している人、出力品を展示する人など。スポンサーと個人出展は明確には分けられておらず、ごちゃ混ぜ感がまたよかった。

入口わきの壁に立てかけられているのは、メイカーチップをはめ込む大きなボード。よく見るとはめ込み禁止のところがあって、そこはドット絵のようにJRRF(Japan RepRap Festival)と読めるようになっている。


MakerChipは、3Dプリンター愛好家のために作られたカスタマイズ可能なトークンです。個性を表現するクリエイティブなアイテムであると同時に、自分の3Dプリント技術をアピール・紹介するための実用的なツールでもあります。

MakerChipとは? | Japan RepRap Festival 2026

ということで直径40ミリ、厚さ約3ミリのメイカーチップを持ち寄って、会場で配ったり交換したりする。QRコードを描いておけばPRになるし、凝ったデザインだったり複雑な造形だったり、歯車が回るなどのギミックがあったりもする。今はもう多色造形は当たり前なのだなあ。

会場の様子

いきなりドラゴンの全身着ぐるみがいた。うおおお(@uh_oh_oh_oh)氏製作。3Dプリンタでうろこなどのパーツを出力して組み上げている。

ドラゴンの顔はまばたきするのでとてもリアリティがある。これは中の人のまばたきを読み取ってサーボでまぶたを動かしているそうだ。まばたきのタイミングが人工的でないところもリアルさに貢献していると感じた。

こちらは第一セラモ(@daiichiceramo)の展示で、ステンレス入りのフィラメントの作例。金属3Dプリンタは業務用の何千万円もする専用機しかないが、これはご家庭のFDM式3Dプリンタで造形できる。ただし窯で焼くのはご家庭では無理で、第一セラモが業者を紹介してくれるという。写真中央のが出力した状態で、右のは焼いたあと。だいぶ縮んでいる。縮み方は一定なのでそれを見越して少し大きく造形するとのこと。写真左はいつものボート。焼いたあと研磨してピカピカになっていた。

フィラメントでは旭化成も面白いのを出していた。TPUなどよりずっと柔らかい「KARAKSA SEBS/CNF」。これも普通の3Dプリンタで出力できる。フィラメントの価格は500グラム15,000円とのことでかなり高いが、お金さえ出せばこういう柔らかい造形も可能というのは希望がある。

3Dプリンタで作ったものの展示の中から、しましまファブ(@shimashima_fab)の「ポチブクロボ」。ロボット型のポチ袋で、お札の顔の部分をロボの顔にできる。お札を取り出すにはちょっとしたパズルを解く必要があるそうだ。楽しい。

やまねくん(@nekundesign)氏は3Dプリンタのフィギュアを販売。ゼンマイを巻くとヘッドがジージー動く。かわいい。

ココポッサ(@cocopossa)氏のファンシーな展示。自分の世界観を3Dプリンタで自由に表現していてよい。今はこういうパステルカラーのフィラメントもあるんだな(塗装だったらスミマセン)。ここのほかにもコスプレのアイテムを出力しているというところもあった。


3Dプリンタとしては珍しいアーム形状というだけでなく、自分で移動もできる3Dプリンタ。ぼんじー(@bonjyy)氏作。これは理論上、出力面積を無限大にできるということなのでは?

一般的な3DプリンタはXYZの3軸で造形するが、Gear工房(@_gear_geek_)は5軸で動く3Dプリンタを出展。造形テーブルが傾くことで、サポート不要で複雑な形状を出力できる。

あっこれK800ですよね、と声が出たのがタラバガニー設計局(@mackee_w)のデルタ型3Dプリンタ。これうちにもありました。製作中の記事が「デルタ式3Dプリンタのキットを作る(途中経過)」。2015年3月なのでもう11年前だ。うちのはこないだ人に譲ってしまった(「さらば3Dプリンタ」)。でもこの方は、10年前に買ったK800を今でも改造し続けている。パーツを交換していたら、最初から残っているのはフレームとモーターだけになったそう。テセウスの船だ。ベッドレベリングやKlipper対応だけでなく、多色造形もできるようにしていて現代の3Dプリンタらしくなっている。すごい。

JRRF1日目のブログも上がっていた。

これはなにを見てほしいのかというと、1枚目の写真の中央上で4種類のフィラメントを送り出している装置。bambulabのA1 miniという、お安くて精度がよい3Dプリンタなどで使える、多色造形のためのユニット「BMCU370C」である。純正の多色造形ユニット「https://jp.store.bambulab.com/products/ams-lite:AMS Lite」は単体で買うと34,800円だが、こちらは中華通販で1万円前後で買えるそうだ。さすが中国、売れると考えるとすぐ互換品が出てくるんだな。

どんどんおーぼ、どんどんおーぼじゃないか。昔「ログイン」という雑誌の「ヤマログ」コーナーのマスコットだったキャラクターが立体になっていた。「みなさまが生まれる前のキャラクター」とか書かれてる。確かに40年前だと多くの人にはそうなるか。年を取るものだ。

このように、3Dプリンタといってもいろいろなアプローチがあって、見ていて楽しいイベントだった。次回にも期待しちゃう。

とここで終わればめでたしなんだけれど、運営にはパンフレットについてお願いがある。アンケートのページは本稿執筆時点で準備中だったのでここに書いてしまおう。

パンフレットの後半には、個人参加のブース紹介ページが19ページある。1ページに6ブースあるから100以上のブースがここに掲載されている。

このページがとても使いにくかった。各ブースがどういう順序で並んでいるのかわからなかったからだ。ブースの識別コード順ではないしブースの五十音順でもない。会場での並び順でもないようだ。そして索引がないので、名前からブースの紹介を見たいときや識別コードだけわかるブースの紹介を見たいときは、19ページにわたる紹介ページをめくって見つけるしかない。これは不便。ぜひ改善をお願いしたい。

コーチャンフォーは広かった

コーチャンフォー若葉台店へ行ってきた。

コーチャンフォーは「Coach and Four」と書く。「4頭立ての馬車」という意味だそうだ。平屋でとても広い敷地に書店、文房具店(画材も)、ホビー関連(ガンプラとかパズルとか)、CD/DVD店、ガチャガチャコーナー、北海道物産コーナー、カフェ(ドトール)がある。店の面積の50%が本、30%が文具、20%が残りといったところ。

店の端に立って長辺の端までを撮るとこんな感じ。「端は霞んで見えない」と言われる。

面陳(表紙を見せる置き方)が多いのはそういう方針なのだそうだ。棚のぜいたくな使い方。

ここに来たらやはりこれでしょう。岩波文庫全部。

岩波新書全部。

ちくま文庫全部。(この棚の裏と合わせて)

奥には講談社学術文庫全部。ほかに角川ソフィア文庫も全部あった。

NHKの「100分de名著」の副読本全部。

文具コーナーには北海道限定のジェットストリーム(ボールペン)があった。北海道ものがあるのはコーチャンフォーの発祥の地だから。

ボールペンの替え芯の棚。数えたら引き出しが280もあった。

ガチャガチャのコーナーは店内のごく一部だけれどそれでもけっこう広い。

ワンフロアに全部入っているから、階を移動せず各コーナーを横断できるのが快適だ。数時間の滞在ではごく一部しか見て回れなかった。ここは一日中いられる。営業時間は9時から21時までで、京王相模原線の若葉台駅から徒歩5分、駐車場は買い物をすれば4時間無料。また行こう。

起動しなくなった自作PCのマザーボードをあわてて交換

2月に自作PCの電源ユニットを交換した。

このあたりから、PCが起動しづらくなっていた。電源を入れてもなにも出てこない。何度か電源を入れ直していると起動するので、面倒だけれど特に対処はしていなかった。電源をさらに交換するのはもっと面倒だし。

そうしたら先日、完全に起動しなくなった。何度電源を入れ直してもダメ。マザーボード上のなにかのLEDがゆっくり点滅している。よくないことが起きているようだが、LEDはマザーボードの裏にあってなにを訴えているのかわからない。起動しないのは2月に電源ユニットを交換したのが原因かもと考えて、いよいよ別の電源に交換してみた。しかしやはり起動しない。いけませんね。これはマザーボードがダメになっているのではないか。

翌日、秋葉原でマザーボードを買った。約18,000円。今回もまたASUS製で、チップセットはB450からB550にした。

買ったマザーボードの対応メモリ規格はDDR4で、一世代古いが使い回せる。現行世代のDDR5メモリは今すごく値段が上がっていて、今までと同じ32GBにしようとするだけで安くても6万円とかかかる。予定外の出費はなるべく抑えたい。

最大搭載可能メモリは64GBから128GBになった。AIを使うには最近メインメモリの容量も大事になってきて、32GBではいろいろつらい。ローカルLLMや動画生成をメモリの心配なく使おうとすると64GBでもきついらしいので、いつかは128GBと考えられるようになるだけでもよい。

それから、マザーボード上のNVMeスロットが1つから2つになった。SSDを一つ、外付けのケースに入れてぶら下げる必要がなくなった。

PCのマザーボードを交換するには、つながっているケーブルや端子をいったん全部外さなければならない。昨日交換した電源も元に戻すことにして、作業は3時間半くらいかかった。完成していよいよ電源を入れてみる。やっぱり画面になにも出てこない。ええー、なんということだ、マザーボードを交換してもダメなのか。

電源を入れると、マザーボード上で順に点灯していく4つのLEDがある。ブート時にシステムをチェックして、エラーがあると点灯する「Q-LED」機能だそうだ。LEDはDRAM、CPU、VGA、BOOTとあり、VGAのLEDが点灯していた。ビデオカードはRTX3060(12GB)である。壊れたのはマザーボードではなくこれなのだろうか。

はっと気がついた。ビデオカードに電源ケーブルをつないでいない。つないで電源を入れ直したら起動画面が出てきた。ふー、おどかしっこなしだぜ。

Windowsを起動するにはBitLockerの暗号化キーを入力しなさいと出た。どこに保存したっけ。「https://aka.ms/myrecoverykeyを見ること」とある。iPhoneで行ってみるとMicrosoftアカウントでログインしたのち、保存してあった暗号化キーを見ることができた。キーが複数ある場合は画面上のIDを見て、該当する欄の暗号化キーを入力する。これでOSが起動するようになった。

起動したのはWindows 10の旧システムだったので、UEFI BIOSで最初にブートするOSをWindows 11に選び直した。これでよし。アプリケーション類も問題なく動作した。

と思ったら、設定アプリを起動したところ「ライセンスに問題があります」と出た。これはWindows 11をクリーンインストールしたときも見たぞ。システムを変更すると出てくることがあるあれだ。「このデバイス上のハードウェアを最近変更しました」をクリックした。

「Microsoftアカウント」のダイアログボックスが出てきた。このPCの名前が出ている。「現在使用中のデバイスは、これです」のチェックボックスをオンにして「アクティブ化」をクリック。

無事に「Windowsはライセンス認証されています」となった。これでよし。


故障した(と思う)マザーボードは2020年に買ったものだった。ちょうど6年間使ったことになる。

この記事の末尾に「これでまた6~7年は使いたい」とあって、ぴったりなので笑ってしまった。

今回のトラブルではメインPCが約24時間使えなくなった。PCのパーツが完全に故障して起動もできなくなったのはいつ以来だろう。前回の電源トラブルはシステムの負荷が低ければ問題なく動いていたし、それ以前のカスタマイズもアップグレードが基本。故障して完全に使えなくなったのは本当に久しぶりだった。動作が怪しいときは面倒でもそのままにしないのがいい。わかっちゃいるけどこれがなかなか難しい。