「前者」「後者」が出てくる文章が苦手だ。これらを見ると、直前の文に戻らないとどっちがどっちなのかわからなくなってしまう。文章の読解力に問題があるのだろうか。とにかく苦手だ。
なのにこのところ、「前者」「後者」を使う文章が増えてきていると感じる。ますます気になってしまう。
「前者」「後者」を使う文章とそうでない文章では、後者のほうが断然読みやすい。
嗜好品としてのおもな飲料としてコーヒーと紅茶がある。前者は苦手だが後者はわりと好き。
どうだろう。わかりやすいだろうか。自分にはこういう文章がちとつらくて、必ず読み返してしまう。
といって単にいやだいやだと言っていてもしかたがない。「前者」「後者」を使わない書き方を考えてみた。
たとえば「AとBでは後者のほうがCだ」という文なら、「AよりはBのほうがCだ」と書くことができる。
「前者」「後者」を使う文章よりは、そうでない文章のほうが断然読みやすい。
嗜好品としてのおもな飲料の中で、コーヒーは苦手だが紅茶はわりと好き。
うん、こちらのほうがわかりやすい気がする。(2つめのはもうちょっと整えないとつらいか)
「前者/後者」問題で考えたこと:結局は推敲をしっかりと
文章を書くのは、思考を言葉に置き換える作業だ。思考の流れに従って文章を書き進めていく。だからまず「AとBでは…」とか「AとBがあって…」と考えてその通りに書いてしまうと、続く文章の書き方が制約を受ける。「AとBでは…」と書き、それに続く文を考えるとつい「前者」「後者」を使いたくなってしまう。
こういうことは、手書きの文章ではあまり気にしなくてもよいように思う。手で書くのはキーを打つより遅いぶん、これから書こうとしている文字のかなり先まで神経が届いているのではないか。
文章を手書きで清書していて、下書きとは違う表現がふと浮かぶことがある。そういうときはたいてい、その場で出てきた表現を選ぶほうがしっくりくる。これは下書きがあるぶん、いま書いている場所からより遠くへ注意を払えるからのように思う。
「前者」「後者」はパソコンで文章を書くときについ出てきがちなのかもしれない。「AとBでは…」とか「AとBがあって…」などと書きそうになったらいったん立ち止まって、「AよりはBのほうが」と書けるようになればいい。もし「AとBでは…」と書いてしまっても、続きに「前者」「後者」が出てきそうだと気づいたら思い切って「AよりはBのほうが」と入力し直すとか。
結局は、いったん書いた文章をどこまで推敲するかが鍵なのだな。今日のこの文章はなかなかうまく書けなくて、もう何度も文章を足したり削ったり入れ替えたりしている。何回も読み直して、つるつる読めるようになるまでがんばるのが大事だ。
(だから、推敲のための操作は楽なほうがよい。カーソルキーに手を伸ばさずダイヤモンドカーソルで移動できるとか、[Del]キーを押す代わりに[ctrl]+[G]を使えるようなエディタを選ぶのも自己満足以上の効果がある)
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