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「出版業界が狙う”ジェネレーションY”」(ビタミンX)

ガイアの夜明け」が、文芸界隈の出版業界を特集していたそうだ。「ジェネレーションY」と彼ら向けのベストセラー、出版エージェント、といった話が出た模様。

最近のベストセラー(『世界の中心で…』『いま、会いに…』『Deep L…』など)は、ふだん本を読まない人に売れている。「本を読まない」とされる人たちはなにを読んでいいかがわかっていないので、そういう人たち向けにプロモーションに力を入れて、ベストセラーにしていったそうだ。

「本を読みたくてもなにを読めばいいのかわからない」という心のありようが面白いと思う。本を読みたいのなら、とりあえず目の前にある本から読み始めればいいんではないかと思うからだ。

「ブログを始めたいのですが、どのブログツールが一番いいですか」「CGを始めたいのですが、どのソフトが一番いいですか」といったFAQと同じで、効率を重視しすぎて、いきなり唯一の解答を求めに行く傾向。そしてたいてい、「なんでもいいからとりあえず始めてみては」と回答されるのだが、これは世代や個人の気質というより、対象への興味の度合いによって生じるものかもしれない。

つまり、本当にやりたいことであれば、どのツールがいいかなんてことは考えない。選択などせず、とにかく始めてしまうものだ。だから、「本を読みたくてもなにを読めばいいのかわからない」というのは、実は心から「本を読みたい」とは思っていないのではないか。「本を読んだ方がよいらしいので本を読む」というような、後ろ向きの動機なのではないか。で、その気分にマッチしたマーケティングをしたから、そういう人たちが背中を押されて上のような本を買ったのではないかと思う。

でも、それはそれでよいと思う。本を作っている立場からすると、どんな本であれ、本を読んでくれるのはありがたい。「本を読んだ方がよいらしい」と考えてくれるだけでもありがたいものだ。

ところで、番組に出てきたという出版エージェント、「アップルシード・エージェンシー」の人の本はこれ。

ザ・エージェント

ザ・エージェント

  • 作者:鬼塚 忠
  • 発売日: 2005/02/26
  • メディア: 単行本

知ったかぶり週報」(05/03/07付)に感想があった。大沢オフィス(作家事務所)や天才工場(編プロ)を紹介している。そういえば田中芳樹などの執筆をサポートする作家マネージメント会社、「Wright Staff(有限会社らいとすたっふ)」というのもある。

ほかにも考えたことはあるのだけれど、今回はとりあえずここまで。

はてな内の感想から、ある程度の長さがあり、読んで面白いと思ったもの

  • 純愛偏重への違和感や、ライトノベルをまったく扱わなかったという指摘。また中古CDには、すぐ中古在庫が過剰になるものと、中古市場にはたまにしか流れてこないものの2種類があるという話など(d:id:ichinics:20050316:p2
  • すぐ絶版になる傾向の方をなんとかしてほしいという指摘(d:id:toshi_suzuki:20050315:p2
  • 音楽や映画との対比など(d:id:pargan:20050315:p2