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「8番出口」には2段階の楽しみがあった

「8番出口」で遊んだ。Steamで今470円。面白いという評判だけ聞いて、そもそもどういうゲームなのかもよく知らずに始めたので2倍楽しめた。

ゲームを始めて提示される情報はこれだけである。

どこに何が起きたら「異変」なのかは示されない。そこが面白くて最初の楽しみがあった。異変が起きない場面でも「これが異変なのでは?」と思って引き返してしまったりした。

地下通路をしばらくうろうろしていると、どういうことかだんだんわかってくる。ははーん、異変とはたとえばこれで、これがこうなるとこうなんだな。ここまで来ると2番目の楽しみ、ルールがわかってからのいわば本編が始まった。

ゲームのボリュームはそう多くなかった。どういうゲームかがわかれば、数時間もあればたいていクリアできるだろう。でも値段分の楽しさはちゃんとあった。特にルールがわかるまでの最初の楽しさは、あらかじめプレイ動画などを見てしまっていては味わえなかっただろう。ゲーム内のルールを自分で見つける方が楽しめる性格なのでいいゲーム体験となった。

同じように何も知らずに始めたゲームといえばマインクラフトで、これも情報をなるべく仕入れなかった。なのでたとえばクリーパーがいつ、なぜ出てくるのかも最初はわからない。わかるまでは苦労したけれど、仮説をひらめいてそれを立証できた時の嬉しさは大きかった。事前に知っていることが多すぎると、それを確認するだけのプレイになってしまう。

「8番出口」はマンガになったり映画になったりしている。ノベライズ? も出るそうだ。すごい。このゲームがいったいどんな物語になるんだろうか。

マンガの第1話を読んでみたら、自分にとってのネタバレがいきなり出てきた(P16)。でもマンガにするならそこはそうなりますよね。ゲームのプレイヤーとして主体的にルールを発見する過程をマンガの作劇に求めることはできない。

これから映画のプロモーションが本格的に始まるだろう。紹介の枕詞に「これは原作がこれこれこういうゲームなんですね」みたいな形で「どんなゲームか」のネタバレがたくさん出てくるに違いない。これから「8番出口」を遊ぶ可能性がゼロではない人は、なるべく情報をシャットアウトして今すぐ遊んでしまうのがよい。