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『電車男』雑感

【元記事:『電車男』雑感:d:id:manpukuya:20041030:trainman

[書影:電車男]電車男』(ISBN:4104715018)の現物をやっと見ることができた。まとめサイトで若干の編集を加えられただけの生ログが、本にまとめられている。

となると最も気になるのは、アスキーアート(AA)の扱いだ。もし自分が、この手の生ログ収録本を作るとしたら、AAはできる限りオリジナル(=画面表示)に近い形で見せたいと思う。おそらく、AA部分はスクリーンショットをキャプチャして貼りつけるだろう。大変だけれど、それがもっともオリジナルに近いからだ。

さて、この『電車男』では、AAはスクリーンショットではなかった。ただし本文が中ゴシックという(印刷媒体ではきわめて一般的な)フォントであるのに対して、AA部分にはMS Pゴシックが使われていた。AAは一般的にMS Pゴシックでの見栄えを優先して作られるため、誌面でもきちんと絵に見えるようにという意図だろう。しかしMS Pゴシックは商業印刷には使われない「TrueTypeフォント」という種類のフォントであるから、制作では見た目以上に手間がかかっているのではないだろうか(自分がこのあたり詳しくないので、実は簡単なのかもしれない)。

さらに、AAは意図せぬ改行が発生しないよう、大きさに合わせて適宜フォントサイズが調整されている。「この本はログをそのまま流し込んだだけではないか」という意見をどこかで見たが、これなら「だけ」ということはなく、なかなか手がかかっていると思った。がやはり買うには至らなかった。

本文がゴシックなのは、本としては読みづらい。またログをそのまま本にするという編集方針だから、web上のまとめサイトをすでに読んでいる身にはそれを読み直す以上のものは得られないと考えたからだった。