アメリカの内戦を描いた映画。見てよかった。
どういういきさつで内戦になってしまうのかを描くのかな、でも現実のアメリカとどう折り合いをつけるんだろう、共和党支持者の一部がどうこうだなんてリアルすぎてフィクションでも難しいのでは、と思いつつ見に行ったらそういう話ではなかった。すでに内戦に突入しているアメリカの混乱を、報道カメラマンの視点で描く作品だった。2人の対照的な登場人物が変化していく様子が印象に残った。
銃撃戦や銃を持った人と対峙する場面はもちろん緊張感があるが、それ以外の普通の場面でも次の瞬間銃弾が飛んでくるかもしれないと思うと気が休まらない。アメリカ国内がまさか本当にこんな状況にはならないだろうと思いつつ、分断が進む今のアメリカを見ると行き着く先はこれになってしまうかもしれないとも感じさせる。大統領選挙は11月5日である。
映画としては、偵察や攻撃用のドローンがまったく出てこないのがちょっと意外だった。あえてなのか、そういうものなのか。あと戦車砲は自衛隊の総合火力演習で直接見たことがある。打ち上げ花火を近くで見ていて腹にドンと来る衝撃を強くした感じで周囲の空気が震えるので、そこは音響をもうちょっとがんばってほしかった。
公式サイトの紹介動画は、映画を見たあとだとどれもネタバレに見えてしまう。いや、「撮影の裏側」には「××の××シーンで…」と完全なネタバレの発言があった。「『どういう米国人だ?』戦慄の本編映像」も同様。情報をなるべく仕入れないで見に行くのがいいと思う。