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97405.1km+5.1km=97410.2km

元記事

夜になってから駅前で買い物。の帰り道、自宅へ通じる細い道へ、いつものように左折した。車を運転する方ならわかると思うが、細い道へ入っていく場合、右折より左折のほうが難しい(車は左側通行なので)。それでもレックスは小さい車だからスルリと入り込める。と、後ろを走っていた車までこの細い道に入り込もうとしているのがバックミラーに見えた。そういえば左折する前の通りでも、やけにぴったりつけてきていたような気がする。後ろの車は普通の大きさの白い乗用車で、角を曲がりきれずにバックして切り返しているのが見える。普通、この細い道に入ってこようとするのは付近の住人くらいで、切り返してまで曲がってこようとするのは何か変だ。細い道を突き当たり、右へ曲がって少し行くと我が家だが、停まったところで因縁をつけられるのも損だ。後ろの車も突き当たりをこちらへ曲がってきた。家の前をやりすごし、角を左折する。これでもまだついてくるようなら、レックスを追っているか道に迷っているかのどちらかだろう(道に迷った時、とりあえず前の車についていってみるのはごく普通の心理だ)。ついてくるのが見える。広い通りに出た。ここで左折すれば、別の細い道からぐるりと回って家の前に戻れる。が、後ろの車がレックスを追っているなら、レックスがこの区画に執着していることを知られたくない。右折するとすぐ交差点がある。信号は幸い青だ。しかも歩行者信号は点滅している。交差点に入ったところでちょうど黄色になった。右折する。後ろの車もこちらに向かってきていたようだが、このタイミングでは交差点を曲がってこられまい。道に迷った車だったとしても、広い通りに導いておけば問題はなかろう。少しほっとしながら改めて先ほどの細い道へ入っていき、駐車場に車を落ち着ける。トリップメーターの数字をメモしているその時、車の窓がコツコツと叩かれた。
 「何だい、逃げるこたぁないじゃん」大学のA先輩だった。前を行くレックスに気づき、後を追っていたのだという。こちらは白い車としかわからないから、思わずまいてしまったわけだった。しかし、知り合いの車を追っていることを前の車に知らせる良い方法はないものだろうか。