『キューブサット物語』の電子版が7月24日ごろ発売の予定です

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わたしが編集を担当して2005年にエクスナレッジから発売したのが、川島レイさんの『キューブサット物語』です。東大と東工大の学生たちが10センチ立方、重さ1キロの超小型人工衛星を作って宇宙へ打ち上げるという、当時はまず考えられなかった快挙を2003年になし遂げるまでの話です。

2005年当時の発売告知記事
キューブサット物語〜超小型手作り衛星、宇宙へ』3月22日発売(https://ima.hatenablog.jp/entry/20050311/cubesat

本は数年前に絶版となり、版元から著作権を引き上げた著者の川島さんから依頼されて編集と電子化を担当することになりました。

人工衛星を作るにあたっては、どんなことをさせるか=ミッションが決まったら、いきなり本番の機体を設計し組み立てるわけではありません。ブレッドボードモデル、エンジニアリングモデルを順に作ってブラッシュアップした上で、実際に打ち上げるフライトモデルを作ります。

東大と東工大のチームはお互いの様子をうかがいながら、競うようにキューブサットを開発していきました。同じ目標を目指す仲間であり、同時にライバルでもある関係がうまく作用したと感じます。2つの大学の学生たちは数々の試験とトラブルを乗り越え、2機の超小型人工衛星を作り上げました。

同時に、人工衛星を宇宙へ打ち上げるロケットも探さなければなりません。大きな人工衛星を打ち上げるロケットについでに安く載せてもらう方式なので、メインの衛星が遅れるとキューブサットの打ち上げも自動的に遅れたりします。自分でコントロールできないもどかしさがあり、ロケットの調達は衛星の製作とはまだ別の苦労があったかもしれません。

ほかにもいろいろ語りたくなりますがこれくらいにして、実際に読んでみてください。

電子版では表紙に記載した通り、本書に登場する教員や当時の学生の皆さんにメッセージを寄せていただいています。今は「はやぶさ2」のプロマネになった津田雄一さん、同じく「はやぶさ2」プロジェクトメンバーの澤田弘崇さん、イプシロンロケットの開発メンバーの宇井恭一さん、スペースXで再利用型ロケットを開発している桑田良昭さん、超小型人工衛星でビジネスを行うアクセルスペースを起業し代表を務める中村友哉さん。そのほか総勢27人の方に18年前をふり返っていただきました。

さらに東大のキューブサットXIサイ-IVフォー」が宇宙から撮影した地球の画像も多数収録しました。書籍ではカバーの見返しに8枚載せただけでしたが、カラー写真をたくさんご覧いただくことができるのは電子版のメリットですね。打ち上げから時間が経つにつれてレンズが変色していく様子がよくわかります。

キューブサット物語』電子版の目次
  • キューブサット物語』電子版のための前書き
  • はじめに
  • 第一章 始まりはいつもハワイ[1999年11月]
  • 第二章 キューブサット・プロジェクト始動[1999年12月~2000年11月]
  • 第三章 汗と涙の開発競争[2000年11月~2001年5月]
  • 第四章 キューブサット試練の日々[2001年5月~2001年12月]
  • 第五章 二転三転する打ち上げ[2002年1月~2003年5月]
  • 第六章 ロシア経由宇宙行き[2003年6月]
  • 第七章 打ち上げの日[2003年6月30日]
  • エピローグ[2004年6月30日]
  • あとがき
  • キューブサット物語』から18年後のメッセージ
    • 中須賀真一/松永三郎/ボブ・トイッグス/山元透/津田雄一/澤田弘崇/永島隆/酒匂信匡/宇井恭一/中谷幸司/有川善久/村上誠典/伊藤孝浩/宮村典秀/宮下直己/此上一也/小田靖久/岡田英人/居相政史/船瀬龍/程島竜一/桑田良昭/占部智之/金色一賢/中村友哉/新井達也/程毓梁
  • キューブサット「Ⅺ-Ⅳ」が撮影した地球
  • 関連サイト

2003年にロシアの小型ロケットで打ち上げられた2つの人工衛星は、今でも宇宙にいて運用されています。

キューブサットという10センチ立方の人工衛星はその後、超小型衛星のデファクトサイズになりました。当時は打ち上げロケットを探すのにとても苦労しましたが、今では国際宇宙ステーションからキューブサットを放出するプログラムが運用されています。高校生や個人のグループもキューブサットを製作するようになりました。

キューブサット物語』電子版は7月24日ごろ、AmazonKindleで発売予定です。ぜひご覧ください。

それから、著者の川島レイさんはこの本の前に書いた『上がれ! 空き缶衛星』をすでに電子化してKindleで発売しています。こちらは『キューブサット物語』の前日譚で、大学生たちがジュース缶の中に人工衛星の機能を詰め込み、モデルロケットで大空へ打ち上げるまでが描かれています。ご興味のある方はぜひどうぞ。

親本のレビュー

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追記

無事発売できました。よろしくお願いいたします。