日時
- 2020年12月24日14時~15時
前回の記者会見
- 2020年12月15日:小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星リュウグウからのサンプルリターン結果に関する記者会見(https://ima.hatenablog.jp/entry/2020/12/15/130000)
登壇者
JAXA 宇宙科学研究所はやぶさ2プロジェクトチーム
- 統合サイエンスチームメンバー 臼井寛裕(うすい・ともひろ)(JAXA 宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 教授/JAXA 宇宙科学研究所地球外物質研究グループ グループ長)
- サブマネージャ 中澤暁(なかざわ・さとる)(JAXA 宇宙科学研究所 主幹研究開発員)
- ミッションマネージャ 吉川真(よしかわ・まこと)(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 准教授)
- 光学観測担当 藤田和央(ふじた・かずひさ)(JAXA 研究開発部門第二研究ユニット 研究領域上席)
- 方向探索担当 藤田直行(ふじた・なおゆき)(JAXA セキュリティ・情報化推進部スーパーコンピュータ活用課 課長)
- マリンレーダー担当 林大介(はやし・だいすけ)(JAXA 宇宙探査イノベーションハブ 主任研究開発員)
- ドローン担当 田中智(たなか・さとし)(JAXA 宇宙科学研究所 太陽系科学研究系 准教授)
- 総合着地点、ヘリ運用担当 川原康介(かわはら・こうすけ)(JAXA 宇宙科学研究所 基盤技術グループ 主任研究開発員)
- カプセル回収担当 山田哲哉(やまだ・てつや)(JAXA 宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系 准教授)
- サンプラ主担当 澤田弘崇(さわだ・ひろたか)(JAXA 宇宙科学研究所 はやぶさ2プロジェクトチーム 主任研究開発員)
(上段左から臼井氏、吉川氏。下段左から中澤氏、藤田和央氏、藤田直行氏、山田氏、林氏、田中氏、川原氏)※澤田氏は音声のみ
中継録画
配付資料
本日の内容
(吉川氏より)
目次
「はやぶさ2」概要
ミッションの流れ概要
毎回掲載していたこのページは今回で終了となる。
1.プロジェクトの現状と全体スケジュール
このスケジュール表も今回が最後。
2.キュレーション作業
(臼井氏より)
3.カプセル回収班帰国報告
(中澤氏より)
光学観測係(GOS)
(藤田和央氏より)
方向探索係(DFS)
(藤田直行氏より)
大気中の飛行軌道解析と方探
(山田氏より)
方向探索係(MRS)
(林氏より)
本番では衛星電話の通話状態がよかったが、リハーサルではうまくつながらないこともありやきもきした。
バックアップシステムだったが恥ずかしくない成果を上げることができ胸をなで下ろした。
ドローン係(DRONE)
(田中氏より)
RHQ・ヘリコプタ係
(川原氏より)
カプセル係
(山田氏より)
QLFでのサンプルコンテナ内音確認について
(臼井氏より)
除夜の鐘の代わり…にはなりませんが、はやぶさ2にまつわる音を一つご紹介します。
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) December 31, 2020
『コンテナ内のリュウグウサンプルの音』
動画の4秒目くらいに聞こえる「ガラスビーズのようなジャラジャラという音」がリュウグウサンプルの音です。(※「コトッ」という音はメタルシールの部品が動く音)
(IES兄) pic.twitter.com/VFs6hKI1xm
4.拡張ミッションターゲット天体観測
(吉川氏より)
6.今後の予定
参考資料
クリーンチャンバー概要
参考資料:キャッチャー開封作業
方向探索係
DFS各局のメンバー
みちびき/MADOCAを用いた測量の様子
受信局倒壊と復活
DFS(Voice):ILPP Accuracy≒200m
DFS(Voice)の電話による情報伝達
DFS(Voice)キャラバン内オペレーションの様子
DFS最北端局から見たカプセル火球
質疑応答
産経新聞伊藤:C室の試料はA室のものより大きいとのことだが具体的には
臼井:1センチ近い。いくつもの粒子があるのですべてを比較するわけではなく見える中で一番大きいものはC室が1センチ近く、A室はその半分。
読売新聞中居:C室は2回目のタッチダウンの試料が入っているとのことだが、リュウグウの内部にあるものか。また大きさが違う理由は
臼井:現時点でキュレーションの画像を見るだけではなかなかわからない。サンプルを出して初期分析チームが分析をするとわかってくるだろう。大きさ以外にA室とC室で違いはない。
大きさが違う理由はいろいろ考えられるが、2回目のタッチダウン場所がとくに硬かったためにこうなっているのではという話をしている。
NHK寺西:人工物が入っていたことについて。ガスの分析でリュウグウ由来とのことだが人工物が入っていたとしてもその見立ては変わらない?
臼井:たぶんアルミのような金属で、サンプルの中に混入してもよいと思っている純粋なアルミニウム。そこからガスが出てくることは考えられないので、ガスがリュウグウ由来のものという判断は変わらない。
共同通信須江:B室にはとくになにも見つかっていない? またC室のサンプルは地下由来と期待できる?
臼井:細かい粒子は観測できている。C室のサンプルが地下由来かは…どちらともいえる状態で情報を得られていない。どちらの可能性もある。
時事通信神田:先ほどのサンプルの音はどこで録音したものか。サンプルの硬さはピックアップしてろうとに落としたとき崩れないような硬さなのか
澤田:豪州の現地で作業中にマイクを貼り付けて録音した。現地では時間がなくこの硬い音はなんだろう、部品が外れた可能性も心配したがキュレーション作業の結果サンプルの音だろうということになった。
臼井:サンプルは作業時に壊れるようなものではなかった。つまんだりする作業でも壊れなかった。コーヒーの粉のような印象ではなく小石のようなものというのが正しい印象だった。
ライター荒舩:A室とC室で粒子の大きさが違うことは想定していた?
臼井:特に具体的にということはないが回収した画像からすると岩盤が固かったためにC室に大きなものがはいっているのは説明がつく。こうなると予想していたわけではない。
JSTサイエンスポータル草下:C室の人工物について。アルミとすると探査機のどこから出てくると考えられるのか。プロジェクタイルはタンタルだしインパクタは銅。アルミはどこにあるのか
澤田:弾丸はホーンの外側の空間から内側に撃ち込む。アルミ箔でカバーしていて突き破り中に入っていく。弾丸以外の物質がホーンに入る。このアルミ箔がちぎれて入ったのでは。事前のテストでもこのようなことは起きた。純アルミで十分きれいにしたものを使っている。
フリーランス大塚:C室の開封は来年と聞いていたが早まった理由は
臼井:作業が順調に進んでいるため。A室で回収したサンプル量が多かったため順調に進むか心配になり見直しを検討していたため来年になると回答した。
サンプルが硬いなど好条件もあって早く開けることができた。
東京とびもの学会金木:現地のスタッフの人数について。JAXAからは73名が向かったとのことだが、現地でカプセル回収の補助に加わった人は何人いるのか
中澤:カメラマンの方に合流していただいて記録撮影していただいた。これが9名。コロナ対策などで現地の看護師2名に帯同してもらった。
藤本:豪州PODの方なども現地にはいらっしゃいました。
金木:チームの規模感を知りたかったのでこういう質問になった。
中澤:チームは73名+2名+9名。73名の中でJAXAの職員は56名。
東京新聞増井:B室で細かい粒子を観測したとのことだが肉眼で見えるものだったのか。分析を始めたといえるのか
臼井:B室は肉眼で見える黒い粒がありました。数個ではなく無数にあった。分析はまだ。存在を確認したところ。A室とC室を優先している。
増井:なにをもって分析を開始したといえるか
臼井:回収容器に回収し光学顕微鏡などで観測したり重さを量ったり。年明けになるかは…優先しているA室とC室の作業の進み具合による。
日刊工業新聞社加藤:年明け以降の記者説明会はどんなペースになるのか、いつごろまでやる予定なのか
岸(JAXA広報):定例の記者説明会は今後もしばらく行う予定。
(以上)
次回の記者説明会
- 2021年2月4日:小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(サンプルのキュレーション、LIDAR光リンク実験など)(https://ima.hatenablog.jp/entry/2021/02/04/140000)