※追記:本稿において「COVID-19」が新型コロナウイルスであるかのような表現になっているところがありますが、「COVID-19」は新型コロナウイルス感染症を指します。新型コロナウイルスの正式名称は「SARS-CoV-2」です
アメリカのニュース解説サイト「Vox
」が、新型コロナウイルスのどんなところが恐ろしいのかを解説する記事と動画「コロナウイルスはインフルエンザとは違う。もっとひどい」を上げていました。
(動画には日本語字幕が入っています。多くは字幕をオンにするだけで、もし字幕が英語だったら「設定」-「字幕」から「日本語」を選ぶと日本語の字幕が出てきます)
この動画がとてもわかりやすかったので、日本語字幕とあわせて紹介します(字幕のテキストは元の動画から一部変更したところがあります)。動画内の英語にも日本語をつけました。先方にはこのような形での紹介について問い合わせ中です。

はしかは極めて感染力が高いといわれているウイルスです。

感染者1人に対して12人から18人まで感染を広げてしまいます。

この数字は疫学で基本感染数、またはアールノートといいます。

どれだけ感染症が流行するか、分析するのに使います。

ジカ熱は最高6.6。
とても感染しやすいです。

季節性のインフルエンザはたったの1.3です。

そして新型コロナウイルスは2~2.5です。

インフルエンザと比べてみると、大したことがないかもしれません。

ほかのウイルスと比べるとなおさらです。

また、インフルエンザと新型コロナウイルスの症状はとても似ています。

熱、空咳など。
そしてどちらも肺炎によって死に至ることが多いです。
よって、新型コロナウイルスとインフルエンザを同じ感覚で受け止めるのはもっともな、妥当な行動です。

「インフルエンザにとても似ています」

「インフルエンザのような流行です」

「どうせインフルエンザみたいな感じでしょ?」

ここで、また基本感染数に戻ってみましょう。

インフルエンザが1.3ということは、1人の感染者につき、1~2人が感染してしまうということです。

10周回ったら、合計56人です。

そしてこのモデルを新型コロナウイルスの基本感染数で考えてみると、

1人が2人に、そしてまた2人と、

10周回って、2,000人以上が感染しました。

この広がり方がインフルエンザとの大きな違いです。


このウイルスの広がり方に注目すれば、事態の深刻さがわかるでしょう。

「新型コロナウイルスをインフルエンザに例えることで、気持ちを落ち着かせる人も多いです。しかし、それでは事態を悪化させてしまいます。」

アメリカではインフルエンザによって毎年6万人が命を落とします。

3月下旬の数字ですが、世界の新型コロナウイルスの死亡者数は3万4,000人です。

でもこれからさらに数字は上がります。
突き抜けます。

「インフルエンザの死亡者数は毎年数十万人です。でも新型コロナウイルスはまだ数か月しか経っていません。これからもっと事態はひどくなります。だいたいの予測もできています。」

インフルエンザと新型コロナウイルスの最大の違いは、症状が出るまでの時間です。
感染した日から症状が出るまで5日、

長くて2週間かかります。

感染から症状が出るまでの時間を潜伏期間といいますが、

この間にも新型コロナウイルスは他人にうつせます。

インフルエンザの潜伏期間はたったの2日です。

ウイルスにかかって、すぐに症状が出て、他人にうつさないように行動するでしょう。
これに慣れてしまっているのです。

でも新型コロナウイルスはその逆です。
自分が感染していると知らずに数日から数週間行動し、他人を感染させてしまいます。

「ウイルスの拡大傾向もそうですが、これは誰も免疫がついていないウイルスということも注目するべきです。この病原体から身を守る防御力は、誰も持っていないということです。」

インフルエンザの季節になると、すでに抗体を持っている人が一定数います。

予防接種や、すでにその型のウイルスにかかったことがある人たちです。
それによって感染拡大は抑えられているのです。

感染者がいても、抗体を持っていない人同士でしか広がりません。
予防接種が勧められているのはそのためです。

免疫がついている人たちで、ウイルスの広がりを食い止めることができるのです。
抗体を持っている人口が多いほど、弱い人たちを守れるということです。

しかし、新型コロナウイルスは新しいです。
過去に感染した人も、ワクチンもありません。
地球上のすべての人が感染しやすいということです。

自分の感染を知らない感染者が他人と接触し、山火事のように広がるのです。
感染者一色です。

インフルエンザの入院率はたったの2パーセント。
しかし新型コロナウイルスの入院率は3割に上ります。

新型コロナウイルスの死亡率はまだ確定していませんが、1~3パーセントといわれています。

インフルエンザの死亡率はもっと低く、0.1パーセントです。

でもこれが、アメリカだけで年間6万人が命を落とす病気です。

これがアメリカの疫学者、ファウチ医師が国会に訴えようとしていたことです。

「インフルエンザと比べる人が多すぎますが、インフルエンザの死亡率は0.1パーセント、新型コロナウイルスはその10倍です。もっと深刻に受け止めるべき問題なのです」

しかしこの死亡率はすべての年齢のデータです。

年配者、そしてすでに免疫力が低い人の死亡率は圧倒的に高いです。

そしてこれまで見てきた新型コロナウイルスの特徴、インフルとの違いをおさらいすると、
広がり方。

感染のわかりにくさ。

抗体が存在しないこと。

それらをふまえると、世界人口の2割から6割までもが感染すると予測されています。

特効薬もワクチンもない病気に立ち向かうには、

そもそもこの網に参加しないことです。接触を避け、家から出ない。
人を介さない限り、ウイルスは広がりません。参加すべき不参加です。

しかしこれはすべての人が協力しなければいけません。
インフルエンザに似ている、という安易な考え方は捨て去るべきです。

「インフルエンザと比較してしまうと、事態が小さく見え、ほっとするかもしれません。しかしそれは、深刻な問題に対して自分の感覚を麻痺させるのと一緒です。麻痺している場合じゃないです。警戒をし、賢明な判断をする時です。」

