コンパクトによくまとまっていた感じ。
日本で以前出た電子書籍のなにがよくなかったのかの話で、電子書籍に求められることが3点挙げられていた。
- コンテンツ:読みたいと思う本が供給されること
- 流通:欲しい本をいつでも買えること
- 端末:気持ちよく読める道具
端末だけ出して、コンテンツと流通がお粗末だったところへ、アメリカではこれらをきちんと揃えたビジネスが一気に立ち上がってきた、という話。
また電子書籍の利点も3つ挙げられた。
- 絶版本に再び光が
- 岩波アクティブ新書『病院で聞くことば辞典』(ASIN:4007000239)など、評判はよかったがレーベル自体がなくなって絶版になった本が電子化で蘇る余地が生まれた。(※いま調べてみたら、この本は改訂新版が出ていた:ASIN:400001949X。じゃあわざわざ旧版を電子化する必要はないような?)
- 埋もれた才能が開花する
- ボイド・モリソン(Boyd Morrison)さんは趣味で書いたミステリをいくつかの版元へ送ったが色よい返事を得られなかった。そこでアマゾンDTPからKindle向けに出したところ口コミで評判が広がり、版元から逆に「出版したい」と声がかかった。今では110か国でモリソンさんの本が出ている。(→「The Ark」※Amazon.comへ)
- 人とつながる新しい読み方
- ソーシャルリーディングのしくみを説明、仲俣暁生がコメント。
最後のまとめで、こんな話になっていた。
「印刷本と電子本、どちらにもできること、できないことがある。電子本に紙の本が駆逐されることはないだろう。また電子本のおかげで今はできないような紙の本が出てくるかもしれない」。
なかなかいい感じだったんではないでしょうか。