同じはてなダイアリーのユーザーということで親近感を(勝手に)感じ、そのぶん「そうそうそんなことがあったよね」と話をしているような雰囲気で読んだ。
この本の基本的なスタンスである「気軽に、そしてなるべく長期間書く」には大いに賛成。好きなことをただ「好き」と書いているだけで、同好の人と知り合えるのがネットのよさである(実は嫌いなものを「嫌い」と書いても、それを好きな人が寄ってくるのがまた面白いところ。つまり対象についてどう書くかよりも、なにについて書くかが重要なのだな)。そしてはてなダイアリーにはキーワードがあるから、こういうコミュニケーションが容易になっている(そのぶん本書でも紙幅を割いているように、アクセスコントロールも重要になっている)。
書くことそのものに慣れてきたら、なぜそう思うのかを書くようにしていくと、だんだん読者も増えていくだろう。もちろん主張をすることのリスク(誰が怒り出すかわからない)はあり、最初はなにに気をつけたらいいのかもわからないだろうから、気遣いのバランスを探りながら少しずつ。このあたりは、それこそ免許取得のための勉強に近くなりそうだ。
裏を返せば、クリッピング系の日記や身辺雑記(主張なし)系の日記を書くのは、日記を書いていると誰を怒らせてしまうかわからない中で、無免許でも事故を起こさないようにする知恵なのかも。
ところで、この本には出版案内やしおり、読者アンケートハガキのようなものがまったく挟まれていなかった。直方体としての手触りを強く感じ、そこが面白いと思った。挟み込まれている紙片は、本を開く手がかりになるのかもしれない。この本は、はてなのしおりを使って読んだ。