オープンソースの画像生成AIをセットアップから使い方まで解説する『Stable Diffusion AI画像生成ガイドブック』(ソシム刊)発売中(→本のサポートページ

更新履歴的日記:更新履歴更新/それでこそポールだぜ!〜『インビジブル』

元記事:更新履歴更新/それでこそポールだぜ!〜『インビジブル』】

インビジブル Hollow Man』を観たので、このページを更新。

やな性格の科学者が自らを実験台にして透明化、やがて次々とやなことをしていくという話。監督は『ロボコップRobocop』『トータル・リコールTotal Recall』など、数々の悪趣味映画を撮ってきたポ−ル・バ−ホ−ベン。今回もなかなかの悪趣味ぶりで、「わざわざそれを描写しなくても」というカットをちりばめて趣味の悪さをアピールしている。そういう映画と思って観れば、「注射で透明化するなら体内から透明化していって最後に皮膚が消えるはずなのに、皮膚から透明化していくのはおかしい」とか「指紋認証を使っている研究所には、透明人間は入れないはずではないか」とか「そもそもなぜ透明化を研究しているのか、透明化のメリットって何?」とか、腑に落ちないところは多々あれど、それはそれでOK!! である。悪趣味下劣お約束に満ちたB級映画なのだからね。

もうちょっとちゃんとほめると、冒頭の5分間はなかなか良かった。観客の気を引く状況設定を置き、主人公の性格の説明をそつなくこなしている。この「話の初めに状況や人物を説明する」のはウディ・アレンがとても上手で、シチュエーションの置き方やちょっとした会話の中から、誰が主人公でどういう状況に置かれていて、その映画がどういう方向に進むかがわかるようになっている。『インビジブル』にもそういう「うまさ」が感じられた。もちろん話が進みはじめるとそういう気配りはあまり感じられなくなってきて、ちゃんとB級映画になっていくのだけれど。