阿佐ヶ谷ロフトでの「見学ナイト」に行ってきた。
- 『見学ナイトvol.15 池島からの報告』 - LOFT PROJECT SCHEDULE(http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/21183
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前半は開田裕治さん(@kaidaikaizyu)と開田あやさん(@ayanekotunami)がゲストの中心となって、池島を訪ねたレポートを。
後半は廃墟趣味のグループ「O project」(@o_project)による、池島の隣にある蟇島(ひきしま)の探索レポート。
- 廃墟賛歌 - O project presents | Ruins Anthem -(http://www.o-project.jp/index.htm
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東京を中心に工事現場などの写真を撮っていた小島健一さん(@kojimakenichi)が池島の地域起こし担当として移住したのが2年半前。2つのブログで池島の情報を発信している。
- 九州最後の炭鉱「池島」より(http://blog.ikeshima.info/
)
- 池島風景(http://scenery.ikeshima.info/
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さて、ダークツーリズムという考え方がある。人類の負の歴史を見学するといった意味のもので、詳しくはこの記事を。
- 【特集】「ダークツーリズム」って何ですか?観光学者・井出明先生に聞いてみた!(前編) - ゲンロンスタッフブログ(http://genroninfo.hatenablog.com/entry/2013/06/03/142422
)
- 【特集】「ダークツーリズム」って何ですか?観光学者・井出明先生に聞いてみた!(中編) - ゲンロンスタッフブログ(http://genroninfo.hatenablog.com/entry/2013/06/14/160032
)
- 【特集】「ダークツーリズム」って何ですか?観光学者・井出明先生に聞いてみた!(後編) - ゲンロンスタッフブログ(http://genroninfo.hatenablog.com/entry/2013/07/22/173523
)
ダークツーリズムの訪問先はたとえばチェルノブイリ原発やアウシュビッツ強制収容所、広島の平和記念公園、ニューヨークのグラウンド・ゼロなどがある。下の記事によると真珠湾のアリゾナ記念館も意外なトーンで考えさせられるようだ。
アメリカ海軍は、アリゾナ記念館で「恨みを忘れるな」と言ったのではなかった。悲劇を招いてしまった歴史、なぜそうなったのかを理解し、決して忘れないようにしよう。そして、このような歴史的失敗の中で命を落とした英雄たちの名誉を称えよう。それが彼らのリメンバー・パールハーバーだった。
リメンバー・パールハーバー | 宇宙開発にひとこと![]()
そして福島第一原発も今は一般の人は近づけないが、廃炉が進んで安全になれば必ずダークツーリズムの対象になるだろう。復興のために福島第一原発を観光地にしようという運動もある。
- 福島第一原発観光地化計画チャンネル(ゲンロン) - ニコニコチャンネル:社会・言論(http://ch.nicovideo.jp/fukuichikankoproject/
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(念のため:単に見学だけだと人が来ないので娯楽もあわせて提供すべきという話が上の「『ダークツーリズム』って何ですか?」の後編に出ています)
池島はこのダークツーリズムの対象になりうるのではないかと、今回の見学ナイトで改めて感じたのだった。
炭鉱はかつて、日本のエネルギー供給を支える現場だった。しかし日本のエネルギー政策の中心が石炭から石油に切り替わると役目を終え、次々に閉山していく。日本で現在稼働している炭鉱は「釧路コールマイン」のみである。
- 釧路コールマイン株式会社 [ KUSHIRO COAL MINE CO.,LTD. ](http://www.k-coal.co.jp/
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エネルギー政策という軸で見れば、原発も炭鉱もダークツーリズムの対象になるだろう。特に池島炭鉱は閉山が2001年と、釧路コールマインの次に新しい。そのため炭鉱の設備や職員の住居など多くの遺構がまだ残っている。これを利用しない手はない。
炭鉱と直接関係しない池島の娯楽というと今は釣りくらいしかないようだが、そのあたりうまく解決できたらいいなあ。
石炭の事を知ることは日本各地にある資料館や本でもできますが、「エネルギーに翻弄されてしまった場所」を体感できるのは、日本広しと言えど池島くらいだと思います。 ですので、私としては石炭の事だけでなく、エネルギーを考える場所として池島を皆様にオススメしたいのです。
— 小島健一さん (@kojimakenichi) 3月 29, 2012
小島さんの任期は残り半年となったそうで、池島には一度行っておきたい。