- Maker Faire Tokyo 2013 | Make: Japan(https://makezine.jp/event/mft2013/)
行ってきましたMaker Faire Tokyo 2013。未来館まで自転車で行ってみたらこれがなかなか大変だった。埋め立て地に入れば坂はないだろうと思っていたら橋のアップダウンがあって、これが自転車にはつらかった。
未来館会場のオライリーのブースでは『イプシロン・ザ・ロケット』がイチオシ。一般書店に並ぶのは11月12日以降です。よろしくお願いします。
イプシロン・ザ・ロケット ―新型固体燃料ロケット、誕生の瞬間
- 発売日: 2013/11/12
- メディア: 大型本
- 『イプシロン・ザ・ロケット』見本出来(d:id:Imamura:20131103:epsilontherocket)
7階ではロケット打ち上げ音響の体験が。これは音圧が高くてかなり実際に近いと思いますよ。H-IIBとイプシロンロケットの打ち上げ音を聞き比べるのは初めての試みだったそう。
- 日本科学未来館でのJAXA職員によるイプシロンとH-IIBの音響体験 | ファン!ファン!JAXA!(http://fanfun.jaxa.jp/event/detail/1081.html)
- 「超絶体験! あなたはどっち派? ロケット発射音 〜イプシロンとH-IIB〜」〜Maker For Tokyo 2013 連動イベントにおじゃましました〜 | ファン!ファン!JAXA!(http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/1119.html)
会場の入口すぐに3Dプリンタをまとめて展示するコーナーがあり、なかなかの人だかりだった。実機を初めて見る人がまだまだ多い印象。これでなにができるのか、みんながいろいろ考えていてカンブリア紀の進化爆発のような状況だ。
ほかの展示で面白かったのはまずこれ。
- Looking Glass: Pickle your Dreams in 3D(http://lookingglassfactory.com/)
3Dプリンタ的に立体を積層で出力してアクリルの中に入れている。
しくみはこう。クリアファイルのような透明なシートに各層を印刷して重ねる。単純だけどきれいでよい。
超小型飛行体研究所はいつもの羽ばたき機を飛ばしていた。
(あんまりいい写真でなくてすいません、長いこと自転車に乗っていて疲れていた)
- MFT2013 無事任務終了 来てくれて ありがとねん : 超小型飛行体研究所ブログ(http://trhk.exblog.jp/19923705/)
宗像俊龍さんは『3Dプリンタ デスクトップが工房になる』の巻頭でインタビューさせていただいた。
模型飛行機は手作りなので「この設計でよく飛んだからもう一つ作る」というのが実は難しい。部品を3Dプリンタで出せば機体ごとのばらつきが少なくなる。出力サービスの値段は体積で決まるので、穴を開けたりして軽くすると結果的に安くなるメリットも。という話が載ってます。
littleBitsは電源やセンサー、LEDなどのモジュールを組み合わせて電子工作ができるというもの。
【遊びながら電子回路が学べる】littleBits Starter Kit v0.3 電子ブロック
- メディア: おもちゃ&ホビー
- littleBits(http://littlebits.cc/)※英語
- KORG、気軽に電子工作を楽しめるガジェット「littleBits」の取り扱いを開始 | マイナビニュース(http://news.mynavi.jp/news/2013/10/23/169/)
サイレントシステムの狭帯域通信装置のデモ。
電波の周波数帯域を極端に狭くすると出力が小さくても遠くと通信できる。その代わりやり取りできるデータ量は少なくなるというもの。「豆電球程度の出力で札幌と名古屋で通信できました」とのこと。
狭帯域通信は惑星探査機ボイジャーとの通信にも使われている。当時は最先端の通信方式だったが今はこうして小さな通信機に収まっている。
- SilentSystem HandyPSK Top(http://www.silentsystem.jp/handypskj.htm)
サイレントシステムはエンジニア2人でやっている小さな会社だそうで、サイトを見てみたら中本伸一さんという名前が。Wikipediaに項目がある人で、ハドソン時代に「デゼニランド」とか「ボンバーマン」を手がけたのだそうだ。すごい。
- サイレントシステム エンジニアの自己紹介(http://www.silentsystem.jp/prifile4.htm)
- 「小さなメーカーになりませんか?」元ハドソン・中本伸一氏の講義が面白かった件 - yuuponの日記(http://d.hatena.ne.jp/yuupon/20090823/1251037004)
次は野尻抱介さん。この人は面白い小説を書くのになかなか書かない。兵糧攻めにしようにも最近はスリングショット(いわゆるパチンコ)を自作して鳥を仕留める自給自足に夢中になってしまっている。その結果がこれ。
- スリングショット猟の意義と法律解釈 - 野尻blog(http://d.hatena.ne.jp/nojiri_h/20130122/1358870911)
トースターをプリンタに。トースターに8×8ピクセルで出力する。感熱紙の代わりに食パンを使うような話。
実際作ってみるとなかなかきれいに出ないという。熱が横にもれてしまうためで、指向性を上げてやればよさそうだ。
- FAB丁稚(http://fab-decchi.net/)※トースタープリンタの掲載なし
人工芝の触り心地がよいiPhoneケースの「Shibaful」。
- Shibaful - Home(http://agltd.jp/shibaful/)
ここまでが日本科学未来館の1階会場で見たもののごく一部。会場はあと3階、7階、Time24ビルの1階に分かれている。
3階も見たけどこの記事では飛ばして7階へ。こちらはクラフト関係や、暗いところで展示したいものなどが集まっている。
まずはティッシュケースから。
布に芝生や木の幹の写真を印刷したもの。脳が期待する感触と布の感触の違いでくらくらしてくる。
- 「木のティッシュケース」と「 草のティッシュケース」 | ポッチリ村(http://pottiri12.tumblr.com/post/64894796293)
フェルトで作ったオリジナルのキャラクター。独自の世界が確立されている。
- マルノカミ(http://marunokami.com/)
蓄光シートを紫外線LEDのPOV(残像メッセンジャー)でなでると文字が残る。文字が少しずつ消えていくのが面白い。シートもLEDもそう高いものではなかったとのこと。
- hideki.asia(http://www.hideki.asia/)
- POVとは:武蔵野電波のブレッドボーダーズ - 残像表示装置“POV”をプログラムしよう!(http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1226/musashino024.htm)
レゴのスクリーンにスーパーマリオの画面が投射されていて、そこへレゴをつけるとスーパーマリオの画面でもブロックが追加されてマリオが乗るようになるという、インタラクティブなプロジェクションマッピング。レゴを外すと画面内のブロックも消える。子供が夢中になってやっていた。
レゴブロックが取り付けられたことを赤外線で検知しているなど、実装が非常にスマートでナイス。
- Mont Blanc Pj. for MFT 2013(http://montlbanc.tumblr.com/)
- 技術解説:Maker Faire Tokyo 2013 でレゴへのプロジェクションマッピングネタで出展してきた - 凹みTips(d:id:hecomi:20131104:1383580912)
- プロジェクションマッピングの関連記事:東京駅のプロジェクションマッピングを見たときのダイアリー(d:id:Imamura:20120922:kindness)
オシロスコープのブラウン管に時計を表示する「オシロクロック」。ベクタースキャンの線が美しい。
- (※音が出ます)オシロクロック | Oscilloclock.com(http://oscilloclock.com/japanese)
ペットボトルで野菜を栽培している人。ペットボトルでもちゃんと育って食べられるそう。
- Maker Faire TOKYO 2013 終了 | すくすく水耕栽培 〜水耕栽培のブログ〜(http://yaefit1500.blog.fc2.com/blog-entry-839.html)
未来館の裏手にあるTime24ビルの会場はよりマニアックな電子系の展示が多かった。その中で一番の目玉はやっぱりこれ。人間用外骨格のスケルトニクス。
手足の動きに追従する機構を見つけた製作者が、「これで人間の動きを拡大できるんじゃ」と作り始めたそうだ。『アップルシード』のアレを作りたいという出発点ではなかった。今はより洗練された新型機を作っているとのこと。
足元が実はサンダルなところもナイス。
- "Team Skeletonics Official Site" チームスケルトニクスオフィシャルサイト(http://skeletonics.com/)
東京で行われる「Make:」のイベントは皆勤賞で、毎回新しいものが出てきて本当に楽しい。規模が大きくなってきていて一日で全部見るのが難しくなりつつある。次回も楽しみだ。
それにしても、いろいろ見ても自分でやろうという気持ちにまったくならないのが我ながら不思議だ。アイデアが出れば作るだろうが電子工作でどんなことができるかを理解していないからアイデアも出ないという循環になっている。
帰りはまた自転車で、なるべく大きな橋を渡らないようにした。
今日は自転車で移動した距離の新記録が出た。自転車は交通費ではお得だけどむしろ余裕がある人向けのぜいたくな乗り物だ。忙しければ電車で行く。電車なら行き帰りにほかのことができる。自転車をこいでいる間はとにかくこぐしかない。自転車は全身を使う行為だから端末の画面をじっくり見たり音楽などを聴いたりするのは危ない。春からずっと忙しかったが、自転車で遠出できるくらいの余裕がやっと出てきたということだ。
関連リンク
- Make: Japan | Maker Faire Tokyo 2013 1日目 Photoレポート(http://makezine.jp/blog/2013/11/mft2013_photoreport_day1.html)
- Make: Japan | Maker Faire Tokyo 2013 2日目 Photoレポート(http://makezine.jp/blog/2013/11/mft2013_photoreport_day2.html?parent=Blog)
- みんなで作る、ものづくりイベント「Maker Faire Tokyo 2013」前日レポート - AKIBA PC Hotline!(http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20131103_622071.html)
- 3Dプリンタ的にみた「Maker Faire Tokyo 2013」 - AKIBA PC Hotline!(http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20131108_622783.html)
- 3Dプリンタが大活躍!「Maker Faire」で見つけた制作物&関連ソフト - AKIBA PC Hotline!(http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/column/3dpnews/20131112_623192.html)
過去のMake: イベント
- 去年:Maker Faire Tokyo 2012に行ってきた(d:id:Imamura:20121202:mft2012)
- それ以前のリンク集:Make: Tokyo Meeting各回のレポート(d:id:Imamura:20091129:mtm)