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Google Colabの無料プランでStable Diffusionを使えなくなったらModalへ行こう?

Google Colaboratoryの無料プランでAUTOMATIC1111版Stable Diffusion WebUI(以下SD/WebUI)が使えなくなるので、別のサービスを探しましょうという話になっている。

4月21日くらいから、Google ColaboratoryでSD/WebUIを実行しようとすると下のダイアログボックスが出るようになった。

実行中のコードは許可されていない可能性があるため、今後のColabの利用を制限させていただく場合があります。よくある質問で指定されている禁止行為をご確認ください。

よくある質問」には禁止行為の一覧がある。

Colab のリソースは、インタラクティブユースケースに優先的に割り当てられます。大量のコンピューティングに関連するアクション、他者に悪影響を与えるアクション、Google のポリシーの回避に関連するアクションは禁止されています。以下は、Colab ランタイムでは許可されていません。

(中略)

  • リモート デスクトップまたは SSH の使用

(後略)

Google Colab - よくある質問

この「リモート デスクトップまたは SSH の使用」の部分、英語版では21日に「using a remote desktop or SSH」から「remote control such as SSH shells, remote desktops, remote UIs」に変わったとのこと。SD/WebUIはこの「remote UIs」に含まれるようだ。

Google Colaboratoryのプロダクトリーダーであるクリス・ペリーさんのツイート。


私たちが無料プランのユーザーに優先提供しているのは、インタラクティブなノートブックコンピューティングです。Stable Diffusion WebUIの利用量がとても多くなり、Google Colabチームの予算では対応できなくなりました。

Google Colaboratoryはもともと、機械学習を学ぶ学生やITエンジニア向けのサービスである。ノートパソコンしかないユーザーでも、GPUを使った機械学習を無料で利用できるのが売りだ。Googleは、機械学習を扱える人が増えることが自社の利益になると考えているのだろう。しかしGoogle Colaboratoryを運用するためのGoogleの持ち出し分が、本来の目的ではないSD/WebUIに使われすぎるのは本意ではないということだ。

上のツイートに続いて、有料プランの「Colab Pro」についてのやりとりもある。


Gradio UI(訳注:SD/WebUIのフロントエンドに使われているサービス。新規約の「remote UIs」にあたる)をColabで使うのは、(あとで追加学習に使うために何か月分ものクレジットを貯めている)有料プランでも規約違反になるのでしょうか?

有料プランでWebUIの利用を制限する予定はありません。

私たちはGradioをとても気に入っています。Stable Diffusion WebUIのように利用量が爆発しない限り問題にしないつもりです。

つまりGoogle ColaboratoryでSD/WebUIを使うならColab Proに入ってねということになった。Colab Proは現在、月額1,179円(高級なPro+プランだと月額5,767円)である。使う月と使わない月にばらつきがあるなら、この料金を支払ってある程度のコンピュータリソースをスポット的に買うプランもある。

詳しくは

じゃあもうGPUのないパソコンではSD/WebUIを無料で使う方法はないのかというとそうでもないようだ。

この記事によると「Modal」というサービスなら、無料である程度の時間SD/WebUIを使えるという。ある程度とはどのくらい?

Modalでは毎月30ドル分のクレジットをもらうことができ、30ドルあればSD/WebUIで画像を最大51,000枚生成できるとのこと。5万枚!? 大きな画像を出力したりすればもっと少なくなるだろうが、たとえば月1万枚でも使い切るのは難しいだろう。それに起動や画像の生成にかかる時間はGoogle Colaboratoryよりずっと短いようだ。いいね。

でもこれ、Google Colaboratoryの規約変更でユーザーがなだれ込んだら、月ごとのクレジットが減ったり値上げしたりしそうな気がする。すごくするけど当面はこれでGPUがない人もお金をかけずにSD/WebUIを使えそう。

ということで先ほどユーザー登録してみた。Githubのアカウントが必要なのは絶妙な敷居の高さだ。ModalでSD/WebUIを起動するまでの使い方は上の記事に詳しく書かれている。出力した画像をダウンロードする方法もある。変更した設定の保存や拡張機能の扱いなどがどうなるかはこれから調べます。

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