今日は「あつまれどうぶつの森」でずいぶん長い時間遊んでしまった。このゲームは身の回りのこまごましたことで小さな達成感をちょくちょく得るタイプのゲームである。するとどうなるか。「ふー、きりがいいから今日はここまで」というやめどきが難しくなる。
小さい達成感のおもてなし攻勢は昔遊んだDS版の「おいでよどうぶつの森」からより巧みになっている。できることが多すぎていつも積み残しになるから起動するたび忙しい。
「あつまれ」ではお金のほかに「マイル」というポイントも貯めることができる。最近のゲームでいう「実績」を解除するとマイルがもらえる。貯めたマイルはゲームの進行が楽になる方法と交換できたりする。
実績はすごくたくさんある。全部集めるのは大変な道のりだ。(下の画面のスクロールバーを見ると、ページ全体がいかに長いかがわかる)
一方、画面上部の「たぬきマイレージ+」には簡単なタスクが用意されている。
たとえば上の画面の場合、果物を1つ植えるだけで100マイルもらえる。タスクを1つクリアすると次のタスクが補充され、常に5つ示されるようになっている。このしくみがあるために、「さて次はなにをしようかな」と迷うことがない。これができたから次はこれ、とやっているといつの間にかマイルがたまっていく。そして時間も経っていく。
また毎日遊んでもらうために、連続日数のボーナスまで用意されている。このあたりもいかにも最近のゲームらしい。
「どうぶつの森」でできることはたくさんあるがすごいと思うのは、やりたくなければやらなくてもいいタスクしか用意されていないことだ。竜を倒してお姫様を助けるといった最終目標がないから、プレイヤーがこのゲームで消費する時間の長さはすべて自分から進んで提供したものとなる。
以前「自分の責任で死ぬゲーム」という記事を書いた。ゲームの側から強制するのではなく、プレイヤーがリスクのある行動を自ら選べることが面白さにつながるといった話である。
最近よく遊んでいるアナログゲームもそういう傾向が強い。「人生ゲーム」は単なるすごろくで、勝つのも負けるのも運の要素が大きい。一方、よくできたアナログゲームはプレイヤーが自分の行動を選べるようになっている。リスクとリターンを見極めて自分で決めるからうまくいったときの達成感が大きいし、うまくいかなかったときも自分の判断の結果として納得しやすく作られている。そこが面白い。
カルカソンヌJ (Carcassonne J) ボードゲーム
- メディア: おもちゃ&ホビー
「カルカソンヌ」はパネルをめくるところは運だが、それをどこに配置するかが戦略となる。
Heckmeck am Bratwurmeck: Für 2 -7 Spieler. Spieldauer: 20 - 30 Minuten
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: おもちゃ&ホビー
「ヘックメック」はサイコロの1振りめは運だが、出た目のどれを採用するかは自分の判断だ。
「どうぶつの森」は何もしなくてもいいのに、ついいろいろやってしまう。そしてやったぶんだけ小さなカタルシスが次々得られる。こういう種類のゲームについては以前も書いたことがある。
この記事では「風のタクト」と「Civilization」を紹介している。どちらも面白いゲームだが「Civilization」は本当に恐ろしく、低カタルシスの連続で時間を無限に吸い取っていく。という話を以前も書いている。最近も「はてな匿名ダイアリー」に投稿された「おすすめのゲーム教えて」に対して、2つのブックマークコメントが投稿された。
おすすめのゲーム教えて
- [game]
もし増田が学生さんならCivをおすすめ。歴史の勉強にもなって一石二鳥
2020/03/25 11:32
おすすめのゲーム教えて絶対に「シヴィライゼーション」をプレイしてはいけない。都市を作って農地を広げ文明を発展させ他国と戦争をするゲームだが、絶対にプレイしてはいけない。あなたはCivの合間の時間に人生を詰め込むようになる。
2020/03/25 11:34
1つめのコメントは悪の道への誘いのようだが、「学生さんなら」というところに理性が見られる。社会人がハマると大変なことになるとわかっているからこう書いたのだろう。もちろん学生さんなら大丈夫ということは全然ないから、遊ぶなら覚悟してほしい。
どうぶつの森はここまで危険ではないが、わりとそれに近いところにあるゲームだと思う。