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小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(再突入カプセルの回収計画、MINERVA-II2の分離運用計画、人工クレーター関連地名)

(編集中)

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(19/8/22)ライブ配信 | ファン!ファン!JAXA!

小惑星探査機「はやぶさ2」は、引き続き小惑星Ryugu(リュウグウ)の観測活動を実施しています。

今回の説明会では、第2回タッチダウン以降の「はやぶさ2」の運用状況、今後の運用のスケジュールについて説明を行う予定です。

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(19/8/22)ライブ配信 | ファン!ファン!JAXA!

日時

  • 2019年8月22日(木)15:00~16:00

登壇者

中継録画

リンク

本日の内容


(吉川氏から)

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目次

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はやぶさ2」概要

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ミッションの流れ概要

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1.プロジェクトの現状と全体スケジュール

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高度5kmから見た第2回タッチダウン

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2.再突入カプセルの回収計画

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ウーメラ砂漠にカプセルを下ろすことは今回正式に公表。

調整・準備の経緯と今後の計画

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3.MINERVA-II1の状況

(久保田氏より)

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Rover-1B(アウル)は放熱の性能が高く、内部温度が下がる。

4.MINERVA-II2について

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ターゲットマーカ分離運用の概要

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分離速度は10数センチ

5.人工クレーター関連の地名

(吉川氏より)

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今後の論文で使われる名称として命名。「おむすびころりんクレーター」は「SCIクレーター」のほうが論文に使われるだろう。

名称の由来

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6.今後のアウトリーチ計画

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7.星雲賞受賞

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初代「はやぶさ」の時も2回受賞している。

8.今後の予定

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参考資料

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BOXの定義

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カプセル回収地の要件

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カプセル回収方法の概要

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ターゲットマーカ

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質疑応答

時事通信かんだ:クレーターの命名について。今回はあくまで愛称? 天然の地形でないものは認められない?

吉川:IAUに確認した。人工的な地形はIAUが正式名称をつけない、自分たちでつけてよいとのことだった。

かんだ:1月の会見で13の地形の名前が認められていた。その数は変わらない?

吉川:はい。今のところ変更はない。

かんだ:ターゲットマーカの投下について。周回するような軌道をとるのか、ゆっくり放物線を描いて下りるのか

久保田:探査機を横方向10数センチ/秒で動かすが、高度1キロメートルだと小惑星の重力に引っぱられて近づく方向になる。楕円軌道が小さくなっていくイメージ。

かんだ:ターゲットマーカとMINERVA-II2は質量が違う。ターゲットマーカが着地するまで1週間程度と見込んでいるとのことだが、MINERVA-II2の予測は

久保田:リハーサルとして同じ速度になるようにしている。質量よりは投下時の速度で決まってくる。
ターゲットマーカは拘束を切るだけなので、降下速度は探査機の速度で決まってくる。MINERVA-II2は分離する速度が関係して変化する。詳しくはちょっと読めないが、だいたい数日~1週間、場合によっては10日くらいと見込んでいる。

NHKはるの:カプセルの回収について。着陸許可はどこが出すのか

吉川:AROLSOをASAに申請する。DOD、DSTGとも議論をしている。これら3つの了解を得る。

はるの:許可が出る次期の見通しは

吉川:議論の最中なので今のところはわからない。

はるの:許可が出たら次のポイントは

吉川:具体的にリエントリに向けて再調査をしたり、方向探査局や光学観測局をどう設置するか段取りや観測の手順を決める。

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はるの:回収のための方法を決める?

吉川:回収方法は議論済み。機材をどうやって持って行くかなどの具体的な話。

はるの:カプセル分離後、本体は運用を続けるという話があるが具体的には

吉川:まだ全然決まっていない。これから議論していく。

はるの:本体が再突入しない方針に変更はない?

吉川:はい。

はるの:オーストラリアの関係者との協議をどう進めていきたいか

吉川:これまでもオーストラリアの関係者とは友好的に議論が進んでいる。申請がおりないことは想定していないが、問題がないようにうまく調整していきたい。

共同通信やの:回収方法は前回から改善することはないのか。同じ場所にするメリットは

吉川:「はやぶさ」ではカプセルの回収に大きな問題はなかった。やり方も大きくがらりと変えることはしない予定。
ウーメラとは違う場所を選ぶより我々としてもやりやすい。

ニッポン放送はたなか:カプセル回収後の探査機本体の運用をどうするか、いつごろから詰めていくのか。カプセル回収の前かあとか

吉川:これからすぐにでも議論を始めて計画を作っていく。あまりギリギリだと予算要求に間に合わないので早めに決めたい。延長ミッションをするとなると運用経費が必要になるので、そのために計画を立てる。

久保田:地球に近づいたときの残り燃料が鍵になる。計画が最終的に決まるのはかなり先と思う。

はたなか:MINERVA-II1が冬眠から目覚めたのは想定内?

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久保田:去年9月21日にMINERVA-II1を分離してから、「イブー」(Rover-1A)は100日以上動いていたが「アウル」(Rover-1B)は10日ほどで通信がとれなくなった。その際データは来なかったが通信がオンになったのは見えていたため故障ではなく、日陰に入って電力が足りなくなったのではないかと推測していた。
季節が変わると太陽との距離が小さくなって発電量が上がると予想していた。また地球と同じように季節で太陽の当たり方が変わる。そこから、機器に故障がなければ夏~秋に通信できるのではと期待していた。
8月2日に機器をオンにしたら反応があった。ローバは発電量が上がって起動すると目を開けてくれるが、はやぶさ2から信号を来ないと行動しないプログラムになっている。
8月9月は小惑星の表面温度が高いので、目が覚めてもあまり長時間は活動できないのではないかと想像していた。想定されていた通り発電量の問題と考えている。
Rover-1Aの反応がないのは機器の故障なのか、影に入っているのか暑くて起きられないのかはちょっとわからない。データが来て想定していたことが起きている。

はたなか:では感動のようなものはあまりない?

久保田:いえ、8月2日に声が聞こえたときはうれしかった。想定していたとはいえ機器の故障の可能性もあるので。8月2日に声が聞こえたことはチーム内でも話題になった。

フリーランス秋山:オーストラリア宇宙機関がはやぶさ帰還後の2017年に設立されている。専門の宇宙機関ができて変化はあるか

吉川:議論が早く進んだという印象はない。あまり変化はないと感じる。

秋山:先方ももともと想定していたことが進んだという感じ?

吉川:そうですね。こちらの想定より早く/遅く進んだということはない。

秋山:MINERVA-II1の冬眠明けについて。秋になるとRover-1Aとも通信ができるかもしれないとのことだが具体的にはいつ?

久保田:あくまで想定だが、Rover-1Bから声が聞こえたので
Rover-1Aは周囲をMRIでおおっていて放熱板がない。暑くて起きられないのだとすると、9月になって表面温度が下がってくると活動できるようになるのかなと。あくまで想像ですが、機器のトラブルではなく温度の問題なら10月くらいに声を出してくれるだろうと期待している。

秋山:今の地表温度は80度くらい?

久保田:そこまではいかない。機器がオンになると内部の発熱があって内部温度が80度になる。そうなると起動しても暑いのでまたすぐ寝ていようとなっているものと想像。

日本テレビいだ:再突入カプセルの回収場所の選定で必要なポイントは

吉川:資料22ページ。まず南半球であること。カプセル回収時の誤差…パラシュートが開いたあと風で流れるので長手方向に150キロ以上開けている場所が必要。チームが行くことができ植物があまり生えていないこと、政情不安などがないことなども。オーストラリアは適切な場所。

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いだ:地名について。人工クレーターが「おむすび」で大きな岩が「おにぎり」である理由は

吉川:クレーターの由来は「おむすびころりん」から。「おにぎり岩」は「おむすび岩」という候補もあったが、「おむすびころりんクレーター」が略されて「おむすびクレーター」になると「おむすび岩」とまぎらわしいと考え、あえてこのようにした。

いだ:25日の「アウトリーチについての意見交換会その2」の登壇者は決まっているか

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吉川:参加者は募集中で30名ほど申し込みがある。内訳は科学館の職員、高校の先生、宇宙関係の活動をしている方が多い。マスコミの方がいらしていただいてもかまいません。

毎日新聞いけだ:人工クレーターの地名について、飯島さんと岡本さんの享年は

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吉川:飯島さんはたしか44歳、岡本さんは亡くなる前にJAXAからたしか神戸大へ異動している。年齢は38歳くらい。確認してお知らせする。

いけだ:メンバーの中で

(編集中)