小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(2018/11/8)

小惑星探査機「はやぶさ2」は、引き続き小惑星Ryugu(リュウグウ)の観測活動を実施しています。

今回の説明会では「はやぶさ2」の現在の状況、10月23日~25日に実施したタッチダウンリハーサル、11月~12月に実施予定の合運用などについて説明を行う予定です。

また、大学コンソーシアムが開発して「はやぶさ2」に搭載しているMINERVA-II2について、東北大学より説明を行う予定です。

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(18/11/8) | ファン!ファン!JAXA!

日時

  • 2018年11月8日(木)11:00~12:00

登壇者


(image credit:JAXA

※左から吉田氏、久保田氏、吉川氏

配付資料

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中継録画

リンク

本日の内容

(吉川氏から)

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目次

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はやぶさ2」概要

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ミッションの流れ概要

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1.プロジェクトの現状と全体スケジュール

ターゲットマーカを着地させることができた。

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2.TD1-R3運用報告

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2.TD1-R3運用報告

TD1-R3の実際の進捗

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2.TD1-R3運用報告

TD1-R3低高度シーケンス

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2.TD1-R3運用報告

リュウグウ表面に静止したターゲットマーカ

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ちょっとずれたがほぼいい場所に下ろすことができた。

2.TD1-R3運用報告

降下中のターゲットマーカの画像(ONC-W1で撮影)

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2.TD1-R3運用報告

ターゲットマーカ周辺をONC-Tで撮影

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2.TD1-R3運用報告

ターゲットマーカ周辺をONC-W1で撮影

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2.TD1-R3運用報告

参考:L08-B周辺の様子(TD1-R1-Aで撮影)

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2.TD1-R3運用報告

星の王子さまに会いにいきませんかミリオンキャンペーン2

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2.TD1-R3運用報告

ターゲットマーカに搭載した名前シートの搭載過程

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2.TD1-R3運用報告

ターゲットマーカに搭載した名前シート

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2.TD1-R3運用報告

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2.TD1-R3運用報告

小型モニタカメラが撮影した画像

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Twitterでは1秒間隔としたが実際は5秒間隔だった。訂正させてほしい。

3.BOX-C運用

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3.BOX-C運用

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4.合運用

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4.合運用

合運用における軌道と軌道制御

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4.合運用

合運用の詳細

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5.DPSでのプレスコンファレンス

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5.DPSでのプレスコンファレンス

説明の概要(説明順)

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5.DPSでのプレスコンファレンス

DPSでのプレスコンファレンスの様子

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6.リュウグウ形状模型

(久保田氏から)

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6.リュウグウ形状模型

JAXA宇宙探査イノベーションハブによるリュウグウ簡易形状模型のデータ公開

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7.その他

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7.その他

参考:小惑星Bennu

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8.今後の予定

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参考資料

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小型モニタカメラ(CAM-H)

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BOXの定義

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ターゲットマーカ

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はやぶさ搭載小型ローバ・ランダ

(吉田氏から)


MINERVA-II2ローバ2の開発の経緯


MINERVA-II2

初代MINERVAに似ている。

複合型移動アクチュエータ


MICAMカメラ(東京理科大学


MINERVA-II2(ローバ2)の現在の状況


  1. はやぶさ2打ち上げ後、機上にて動作チェックを行い(2014年12月、2015年6月、2017年10月)、はやぶさ2とローバ2との間で通信が確立していることを確認している。
  2. しかしながら、ローバ2データ処理系の動作不安定によりローバ2の内部状態に関するテレメトリデータ(HKデータ含む)の取得には至っていない。これは、打ち上げ前の試験でも同様の事象が起きている。分離後の動作状態について検討を行ってきたが、復旧の可能性が厳しい状況である。
  3. ローバ2の分離運用(2019年7月頃を予定)を通して有意義な成果を得る運用計画について、JAXAの協力を得て、大学コンソーシアムにて検討を進めている。

現時点での結論はすべての性能を発揮させる可能性は低いと判断している。

ただし分離運用まで時間があるので、これまでの情報を精査して科学的に有意義な運用計画を検討中。

いま機能していないが切り離せばうまくいくかも、のような運まかせにはしない。なにができるのかを冷静に見極め、科学的な成果のためになにができるかを検討中。

質疑応答

読売新聞とみやま:2点。15.4メートルの誘導精度の評価について。「ほぼ狙った通り」とは。タッチダウンには十分なのか

吉川:重要なポイント。資料10ページの写真を参照。赤い丸の中にターゲットマーカが下りればよかったが外れた。

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ただしタッチダウンできる可能性は残している。これで十分かはボルダーの位置、大きさを検討して航法誘導精度の検討もして判断。今のところ結論は出ていない。
ターゲットマーカ1つだけでタッチダウンするか、別のターゲットマーカを下ろしてタッチダウンするかは決まっていない。

とみやま:南極の大きいボルダー「オトヒメ」について却下に近いと聞いたが

吉川:金星の地形に同じ「オトヒメ」がある。小惑星と金星で場所が違うし、同じ名前がついているケースもすでにある。議論中ということ。オトヒメがダメなら「オトヒメサマ」にするとか。これは長くなるが竜宮城には乙姫様がいてほしい。

産経新聞くさか:MINERVA-II2の現状について。このまま復旧しないとなにができてなにができないのか

吉田:現時点では詳細を検討中だが、例として山形大学ペイロードは電源なしで温度変化があれば機能する。これを実験できるかもしれないが動作したことをどう確認するかが問題。切り離して落ちていくところでなにか観測できないかなど。
貴重な実験機会を有効に使うチャンスはある。

くさか:データ処理系のトラブルというのは観測や動作がなにをしているのかわからないというようなこと?

吉田:その通り。特に移動のメカニズムや移動確認のセンサの情報を得られない。

ライターあらふね:合運用について。通信の頻度と内容は

吉川:合運用といってもずっと休みではなく、毎日運用が入っている。テレメトリを取れるうちはモニタリングする。23ページのようにイベント中にもマヌーバがある。合運用中でも太陽から比較的離れているタイミング。

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あらふね:MINERVA-II2について。カメラのデータも取れない?

吉田:カメラのデータを取得する可能性は低いと現時点では考えている。これまでに投下されたローバはすばらしい画像を送ってきた。我々もと思っているが。写真撮影以外で科学的な成果を上げたい。

NHKきぬた:ターゲットマーカが半径10メートルの円の外側に着地したけれどその範囲内に着地させる? また着地の予定時期に変更はないか

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吉川:危険なボルダーがない地域ということでL-08B内に着陸したいと思っている。5.4メートル離れたターゲットマーカを見ながらその範囲内に着陸できるか検討中。別の場所に平らなところがあるかも検討していきたいが、現在はL-08Bが目標地点。
着陸予定は一番早くても1月下旬(前回の説明の通り)。決定はしていない。

毎日新聞永山:LRFについて。資料7ページにある6自由度制御とは。それからフラッシュでターゲットマーカが光っていることを確認したのか。またBOX-Cで再度確認しに行った理由は

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吉川:探査機の位置と姿勢を制御する。位置の3次元と地形の3次元で6自由度制御と呼んでいる。LRFは4本のビームがあるので小惑星表面との距離だけでなく傾きもわかる。傾きによって探査機の姿勢を変えるのも今回やってみた。空間的な位置と姿勢を変えて6自由度の制御を行った。
ターゲットマーカを撮影した写真はいずれも太陽光の反射をとらえているが、フラッシュを使ったターゲットマーカの捕捉も行っている。いまデータの精査中。機会があればフラッシュランプでターゲットマーカが光っている写真も公開したい。追跡もちゃんとできています。
BOX-Cで再度下りていって撮影したのはターゲットマーカを確認できるかを調べたかったため。たとえばターゲットマーカがレゴリスに埋もれてフラッシュの反射光が弱くなったりしないか(実際にはレゴリスはほとんどありませんが)などを確認するため、本番のタッチダウン前にカメラでターゲットマーカをとらえられることを確認したかった。

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朝日新聞いしくら:リハーサルを2回追加した結果の評価は。順調なのか、まだ不安要素があるのか

吉川:基本的にはリハーサルとしてはわりとうまくいった。ちょっと残念だったのはターゲットマーカがL-08Bの赤い丸から5メートルほどずれたこと。しかし基本的にはタッチダウン予定地点の近くに下ろせた。かなりの進展。
しかし楽観視はできない。近くに大きなボルダーがいくつもある。ぶつからないよう探査機を下げなければならない。どれだけ正確に着地まで制御できるかが課題。合期間を使って検討を重ねていきたい。制御のチームが検討を進めている。

フリーランス大塚:FTJの問題は最終試験の時初めて出たそうだがその時特別な状況があったのか

吉田:開発中は各コンポーネントを机に並べてプログラムを書き込んだり動作確認したりしている。その段階では正常に動作していた。異臭的にそれを小さな空間に押し込めなければならない。組み上げてふたを閉じた段階で動作に不安定性がみられるようになった。アース線の取り回しや電気的な環境が変わったために動作が不安定になったというのが現状。

大塚:合運用中は通信はできないのか、通信できなくても安全ということか

吉川:資料23ページから24ページ。SEP角(太陽-地球-探査機がなす角)が6度から3度に減少する。探査機が太陽から3度以上離れていればこれまでの経験から通信できる。この間に姿勢制御マヌーバを行うのは問題ない。

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久保田:合運用は初号機のときもあった。安全を見てやっている。通信できないときも距離を離すことが可能。

共同通信すえ:MINERVA-II2と通信はできているが内部のデータを取得できないとのことだが、どういうデータを取れているのか

吉田:MINERVA-II2の通信系は正常に動作している。コマンドを送ると受け取ったという返信がある。そこから先、ある機器にコマンドを出す、その機器からステータス情報を取ってくるところが正常ではない。
通信が取れていることでできる実験がいくつかあるため切り離し運用でなんらかの科学的成果を得られることを目指して準備を進めている。

NHKすずき:ターゲットマーカが落ちた場所へ探査機を下ろしていったとき、カメラの視野からターゲットマーカが出る高度はどのくらいか。またターゲットマーカが見えなくなってからはどう誘導するのか

吉川:まさにその点が議論になっている。L-08Bを目指すには高度5メートルほどまで来ると現在地表にあるターゲットマーカが見えなくなる。見えなくても大丈夫かを詰めないとタッチダウンの判断ができない。その検討を進める。

(以上)