- 前回:デルタ式3Dプリンタキットの出力不良を改善した2点(d:id:Imamura:20150907:K800)
デルタ式3Dプリンタ(K800)のキットが採用しているエクストルーダ(樹脂送り装置)はアームにかかる負荷が大きく、破損してしまうことが多いと聞く。
- 実例:K800で現在までに発生したトラブルとか●エクストルーダーのアイドラーアームが粉砕(http://shimanagasi.fc2web.com/k800/k800problem.html#8)
- 当初の組み方
(今見るとドライブギアの取り付け位置が奥すぎる。解決方法はこんど書きます)
これはベアリングの軸部分がいわゆる「片持ち」になっていて、アームの軸部分に対してひねる力がかかってしまうからだろう。
そこでこんなものをモデリングしてみた。
- ベアリングを両側から支えるアームとそれを支えるパーツ
K800で出力してもいいのだけど、ちょうどShapeways(http://www.shapeways.com/)が送料無料キャンペーンをやっていたので出力を依頼した。Shapewaysは3Dプリントサービスで、日本での同種のサービスはDMM.make(http://make.dmm.com/print/)がよく知られている。出力にかかる金額は、Shapewaysが送料無料でないときとDMM.makeがだいたい同じである(DMM.makeはいつも送料無料の代わりに出力費用が高め)。Shapewaysは年に数回送料無料キャンペーンを行う。安く出力したいが急がないデータがあったら、とりあえずユーザー登録だけしておくとセール時に案内メールが届いてよいだろう。
- こういう箱で届いた
- 取り出した中身(右側)
これで出力費は10.97ドルだった。
K800で出力した左側と比べるとプロの出力サービスは精度が桁違いで、アームの2つのパーツを組み合わせる穴のクリアランス(遊び)は0.2ミリではスカスカだった。0.1ミリでスコッとはまる。きつくはめたいときはクリアランスを0.05ミリとかにするのがいいかも。
- 組み付けるとこうなった
いい感じで機能している。
モデリングしたパーツはThingiverseに上げた。
- Compact Bowden Extruder, direct drive 1.75mm remixed by yimamura - Thingiverse(http://www.thingiverse.com/thing:962875)
上の説明ページには、ShapewaysやDMM.makeなどの出力サービスを使うリンクも作ってある。(こちらに手間賃が少し入るようになっています。なるべく安く上げたければお手数ですがダウンロードしたデータを自分で出力サービスに送ってください)
(2月16日記)
- 次回:3Dプリンタのキットにヒーテッドベッドを組み込む(d:id:Imamura:20151128:heatedbed)