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機体移動の日

今日は写真をたくさんどうぞ。

リモートカメラ設置

射点近くにリモートカメラを置く場所が提供されました。宇宙作家クラブの柴田孔明さんはタイマー式の動画撮影カメラを設置。

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近くには、大崎射点の「中型ロケット発射場」があります。今は使われておらず、解体する予算もないということでこの通り雨ざらしです。

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昔と今の射点についてはこちらが詳しいです。

宇宙科学技術館

プレスルームがある竹崎観望所の近くには、一般の人が見学できる「宇宙科学技術館」があります。展示の内容は古いものが多く、今見るとやや残念な感じではあります。

先日打ち上げられた「しずく」(GCOM-W1)がすみにひっそりと展示されていました。

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HOPE誘導ゲームは2009年に来たとき(d:id:Imamura:20090720:1248072579)とまったく変わっておらず、さすがにもう片づけたほうがよいのでは。

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一方、このランデブーゲームは作りは古いですがよくできてます。追いつくには速度を落とし、後ろへ下がるには速度を上げるという、地上とはまったく違う感覚が味わえます。

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H-IIAH-IIBはよく似ていますが、並べてみると違いがわかりやすいでしょう。

なおH-IIBは「身長(約)57メートル、体重530トン♪」と歌うと覚えやすいです。コンバトラーVです。「巨体がうなるぞ空飛ぶぞ♪」おお、確かにその通りだ。

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売店にて。なにかが違うような。

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機体移動

今日のハイライトはH-IIBロケットの機体移動です。大型ロケット組み立て棟(VAB)で組み上げられたH-IIBがしずしずと射点へ向かっていきます。

下の写真の左端にあるのがVABで、ここからロケットが出てきます。ゴールは右端に3本見える鉄塔の左側2本である第2射点です。

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VABはのっぺりしていて大きさがわかりにくいかもしれませんが、階段の折り返し方でいかに大きいかわかるでしょう。

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機体移動は19時32分に始まりました。種子島は東京よりずっと西にあり、この時間でもまだ薄明かりがあります。

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この移動速度が速いような遅いような、なかなか面白い速度です。じっと見ていると遅く感じるけれども、視線を外してふと見直すと意外なほど移動しているというような。

10倍速で撮影してみました。だいぶ暗くて見づらいですが。

上の写真から6分後の位置です。

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さらに6分たつと射点にだいぶ近づきました。

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下はロケットがぶれているのに対して、射点の鉄塔はきれいに写っています。これは4秒間露光した写真で、暗い中の機体移動ではシャッター速度を遅くしすぎるとロケットがぶれます。ロケットはこのくらいの速度で移動していきます。

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移動が完了しました。

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バスで竹崎観望所へ戻ります。普通の風景の奥にロケットがそびえているのを見ると不思議な気持ちになります。

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星空がきれい

取材を終えて宿への帰り道、空を見上げるとさそり座がきれいに見えました。中種子近くの畑で車を駐めて、写真を撮ってみました。

ISO 400/F3.5/50秒露光でこんな感じに撮れました。これ以上シャッター速度を遅くすると星が流れてしまいます。写真中央からやや右下にさそり座の心臓、赤いアンタレスが光っています。その左側にうっすらと写っている明るいところは天の川です。

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上の画像を明るく加工するとこんな感じになりました。肉眼でもさすがにここまでは見えませんでした。

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撮影中、流れ星をいくつも見ることができました。明日は晴れるでしょうか。

H-IIBロケットの飛行計画

いよいよ明日、H-IIBロケットが打ち上げられます。打ち上げ予定時刻は11時6分18秒。ロケットの飛行計画を見てみましょう。

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SRB燃焼終了は1分56秒、切り離しは2分6秒と9秒です。これを地上から見られるくらい晴れていたら最高なのですが、さっきは種子島北部の西之表市で強めの雷雨がありました。天気予報では打ち上げの時間帯だけ天気が比較的よくなりそうな雰囲気です。果たして?


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