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i-Ball報道公開

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i-Ballとは

資料

  • 再突入データ収集装置(i-Ball) 公開(株式会社IHIエアロスペース富岡事業所にて開催)資料(2012年06月26日)[ Zip形式: 2.5MB

登壇者

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  • 左手1:JAXA有人宇宙環境利用ミッション本部 HTVプロジェクトチーム/サブマネージャ 佐々木宏
  • 左手2:JAXA有人宇宙環境利用ミッション本部 HTVプロジェクトチーム/開発員 和田恵一

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i-Ball前史

カプセルの打ち上げは、はやぶさ以来とだえていたこと

EXPRESS
  • 1995年1月15日打ち上げ、M-3SII 8号機、ウーメラにて回収予定
  • 2段目制御系不具合により軌道投入失敗、太平洋に落下と推定
  • 約1年後、アフリカのガーナで発見された
USERS
  • 2002年9月10日打ち上げ、H-2A 3号機
  • 回収は2003年5月30日、軌道離脱点マリンディ、ケニア上空、回収点小笠原東方公海上
はやぶさ
  • 2003年5月9日打ち上げ

i-Ballは球形のカプセルにカメラを搭載したらまるで「目玉」だ…ということで名付けられた

質疑応答

NHK水野:カメラが自然にHTVを向くようにするしくみは? i-BallがHTVの機体より前に出るようにするしくみは?
IA杉村:重心を偏らせてありカメラが進行方向の反対を向く形で姿勢が安定するようにしている。重さと正面面積(空気の抵抗)がi-Ballは弾道係数200、HTVは破片の弾道係数が5〜なので後ろに来る。

フリーランス大塚:警戒区域の縮小について、現状と将来見込みは?
JAXA和田:現状は着水点の奥行きが2000キロ/3000キロと広い。将来見込みはi-Ballの結果次第。
大塚:狭くする目的について外部からの要請はあったのか
JAXA和田:外部からではなくJAXA内の要請。
大塚:「HTV搭載型」とあるがHTV以外に搭載することを考えているのか
IA森崎:予定はとくにないが、H-IIBの2段目に積めたらなどと考えている。

フリーランス鈴木:データが取得できたとしてどういった対象、範囲に対してどういう形で公開していくのか
JAXA和田:IAとも協議中。できるだけ早いうちに公開できるものから。着水後にデータを送信していくためデータ受信をお知らせできるだろう。着水点の情報を最初に出せるだろう。画像もできるだけ早く、その日のうちにはお出ししたい。加速度データや姿勢データはじっくり解析・評価して1〜2か月のうちに出すと考えている。対象は一般に公開。

読売新聞ちの:JAXAと民間企業の「共同研究」とうたわれているが通常とどう違うのか、総予算は
JAXA和田:発注者とものをつくる側という上下関係ではなく公平な関係、お互いが持っているいいところを出し合ってということ。予算はJAXAこうのとり3号機の運用準備の費用から。
IA森崎:こちらの予算はちょっと…。
ちの:開発費はIAが出したということか。
IA森崎:その通り。
ちの:将来の販売についての展望は
IA森崎:具体的に販売をどうするかを詰めてはいない。しかし1回でうまくいくか、まだ飛んでいないのでわからない。何回か実績を積む中で結果を出していきたい。
ちの:どのデータが一番売れると考えているか
IA森崎:誰かによるが、一番は絵ですね。HTVがどう壊れていくかなど。解析もするが絵が一番売れるだろう。

時事通信松田:写真撮り始めから撮り終わりまでは何秒間か
IA守屋:与圧部カメラは10枚、8秒間隔で72秒間。後方カメラは40枚、3秒間隔、117秒間。
松田:与圧部カメラの撮影終了から後方カメラの撮影開始までの間隔は
IA森崎:10秒くらい。動画を撮らなかった理由は、イリジウムを使うので転送できるデータが限られているため。
松田:今後のHTVへの搭載予定は
JAXA和田:現在の所は予定していない。
JAXA佐々木:再突入のデータはばらつきがあるので複数取りたいとは思っている。今回の結果をふまえて。
松田:耐熱機能について。過去と熱的にどう違うか。楽か大変か
IA杉村:過去のUSERSやはやぶさに比べると楽。途中までHTVに入っている、惑星間空間からの突入でないことなど。

毎日新聞とりい:球形の理由は
IA杉村:HTVの破壊にともない出てくる(向きを決めて分離する方式でない)ため出てくる向きがわからない。通常のカプセルでは安定点が前方と後方の2つできる。後ろ側を前にして突入してしまわないよう球形にした。
とりい:REBRに対して国産で行う位置づけ
JAXA和田:取得データの補完ができる。温度データや画像など種類も増える。国産でやる理由は…海外から買うよりは国産でいいものがあれば載せていきたいと思っている。
とりい:日本の宇宙開発という意味では
JAXA和田:もちろんある。IAならIAの再突入技術の維持、継続に貢献できる。

読売新聞きむら:撮影開始のトリガーは
IA守屋:i-Ballが加速度を検知して撮影開始。
きむら:与圧部カメラとi-Ballのカメラ、両方か
IA杉村:HTVの加速度を検知して撮影シーケンスが始まる。
きむら:コンテナは勝手に壊れて飛び出していくということか。
IA杉村:その通り。
きむら:警戒区域の2000キロ、3000キロについて
JAXA和田:軌道の速度方向に対して2000キロ/3000キロ。幅は100キロ程度。

(終了)

ぶら下がりで聞いたこと

i-Ballフローテーションバッグの大きさは
i-Ballのカバー(現在の外装である、球形のオレンジ色の部分)とほぼ同じとのこと