中継録画
- 宇宙ステーション補給機「こうのとり」3 号機 及び 星出宇宙飛行士による船外活動ブリーフィング(http://live.nicovideo.jp/watch/lv105043595)
こうのとり3号機ブリーフィング
配付資料
- 「こうのとり」3号機(HTV3)ブリーフィング資料(2012年08月27日)[PDF: 2.29MB](http://iss.jaxa.jp/kibo/library/press/data/htv3_briefing.pdf)
配付資料の補足
主な輸送品の状況と予定
- YouTubeスペースラボ:ハエトリグモの飼育箱、枯草菌の観察容器など4つ
HTV3号機の今後の運用予定
- 推進薬リークがあると宇宙服に付着しエアロックを汚染することがある
i-BallのミッションCG
質疑応答
フジテレビ:i-Ballの着水は地球上のどのあたりを予定?
佐々木:「南太平洋」。
フジテレビ:南米大陸の西何キロといった精度では?
佐々木:ISSの軌道にもよるので正確なところは今はいえない。
フリーランス大塚:小鑓さんから通信系のバルブが開かなかったとあったが原因や対策は
佐々木:バルブを作動させる電力を送る回路、その冗長系が故障していた。主系(A系)には問題ないことを確認済み。HTVは冗長系と安全化機能を持っておりA系と緊急用システムで運用できると考えている。
大塚:前回の会見以降、細かい点でよいが不具合は出ているか
佐々木:係留後の不具合はない。
大塚:新しくなった曝露パレット、スラスタなども?
佐々木:問題ない。
NHK水野:HTVが壊れていく順番としてアンテナの次は?
佐々木:先ほどのCGはモジュールごとにばらけていっているというだけ。表面についていて薄いものから壊れていく。アンテナ、太陽電池パネルなどから。2号機のデータではかなり高温になるとわかっている。推進系は高温に耐えるよう作られているのでしばらく残る。ISSのアームがつかむためのフックは早く壊れる。
水野:CGのように3つの輪に分かれるわけではない?
佐々木:大まかに壊れた後、空力でタンブリングしていく。モジュールをつなげているところが切れていくだろう。
産経新聞おの:放出時の星出さんの作業は?
佐々木:2人ペアでの作業もある。
おの:星出さんはサブに回るのかメインか
佐々木:まだ決まっていない
NHKこぐれ:i-Ballのデータ送信について。写真提供はすぐに?
佐々木:できるだけすみやかにとは考えている。落下するのが土曜日であるなどの事情がある。写っているデータに見せられないものが写っていたりする可能性も考え火曜日くらいにお渡しできるようにしたい。
こぐれ:小型衛星の放出スケジュールは
JAXA三宅:今日くらいにはっきりする。2週間後、9月10日めど。
ニッポン放送はたなか:放出機構のきぼうへの持ち込みを完了したのはいつ?
三宅:かなり早い段階。のちほど確認してお知らせします。また点検は9月4日、そこで問題ないことが確認できると実験するサンプル(ソユーズで10月中旬に打ち上げ)の打ち上げにGOをかける。
(つくばへ)
NVSかねこ:搭載品の輸送にも問題はなかった?
佐々木:個別に点検されており異常は起きていない。
星出宇宙飛行士が取り組む船外活動(EVA)について
配付資料
- 星出宇宙飛行士が取り組む船外活動(EVA)について(2012年08月27日) [PDF: 2.2MB](http://iss.jaxa.jp/iss/jaxa_exp/hoshide/library/presskit/hoshide_eva.pdf)
第18回船外活動の概要
第18回船外活動の作業分担
質疑応答
産経新聞くさか:新たに設置するものはいつ打ち上げたのか、またはスペア品がISS内に常備されていていつでも交換できるようになっているのか
三宅:MBSUは重要で寿命もあるためスペアがすでに常備されていた。故障したものを軌道上で直すか地上へ持ち帰るかなどは検討中。CLPAは今回のEVA用にたしかプログレスで打ち上げた。PMA2カバーはシャトルの運行が終わったときのために作ったものと記憶している。いつ打ち上げたかは記憶が定かではない。
朝日新聞たなか:船外活動にどんな危険性があるのか、またそれに備えてどんな訓練がされているのか
三宅:宇宙飛行士は船外活動をフライトにアサインされる前からプールなどで訓練している。訓練内容はさまざまなツールの利用に習熟、宇宙服の操作なども含む。危険は気密性を損なうようなもの。たとえば手袋でいろいろな作業をしていて傷がつき気密性を損なう可能性がある。シャトルの船外活動でもそういうことがあった。最近はグローブチェック、手袋に傷がないかチェックしてから作業している。設計サイドで重要なのはISSにシャープエッジがないこと、昼間の高温になるところにさわってやけどしたり宇宙服に傷がつかないようにするなど。そのために飛行士の移動経路にも気を遣っている。
たなか:6時間半という時間制限はどこから?
三宅:酸素やバッテリーの量で決まる。作業によっては呼吸が激しくなり酸素の減りが大きくなる。過去には8時間以上のEVAも。
たなか:呼吸や脈拍はチェックされている?
三宅:すべてセンサーでチェックされている。地上では医師もつく。
ニッポン放送はたなか:MBSUの「ISSの構体に宇宙服が触れないように」について
三宅:つかむところなども規定している。
はたなか:気密が保てないときどうするか
三宅:宇宙服内は0.4気圧。
毎日新聞のだ:作業エリアの図について(3ページ)。緑の点線の「クルーがISS上を移動」は具体的にどうやって? また距離は
三宅:ハンドレール(手すり)がついている。足は浮いているので手だけで移動。距離は1〜2は5メートル程度、3〜4の間が20メートル前後。
のだ:宇宙服はケーブルなどでISSに接続されている?
三宅:独立した生命維持装置を背負っておりケーブルでつながれてはいない。安全確保のためのワイヤーを使ったりはする。高所作業の命綱などと同じようなもの。
のだ:手袋の傷でシャトルの作業が止まったケースについて。飛行士になにか影響はあったのか
三宅:そこまではいかなかった。何層かになっている手袋の外側の層が傷ついたためこのままではよくないと作業を中断した。ほかに作業のあとチェックしたら大きな傷がついていたとわかったこともある。いつごろのことかは…あとでお答えします。
のだ:宇宙ごみに当たってしまう心配があると思うが対策は
三宅:ISSへの宇宙ごみの監視は24時間体制だがEVAそのものに際して特別な監視は行わない。宇宙ごみ以上に気にしているのが宇宙放射線。太陽活動が活発になったときは作業を中断することも。
のだ:船外活動中の被曝量は
三宅:ISS全体のルールとして被曝量の基準がある。船内にいるときも放射線の状況はモニタリングしていて放射線が増えたときは壁の厚いサービスモジュールへ移動するなどしている。船内にいるときとEVA中で被曝量は大きく違わない。
時事通信いまい:手袋について材質、厚さなど詳しく
三宅:手袋の一番外側の指や手のひらに補強としてゴムの一種が使われている。そこが鋭利なものに触れて傷がつきやすい。内側は繊維が編み込まれている。
いまい:6時間半の作業時間は過去の2人の飛行士に対して長い、短い?
三宅:おおむね同じ。
JAXA:土井飛行士のEVAは2回で合計12時間43分、野口飛行士は3回に分けて合計20時間5分。
ライター喜多:実際に経験した人でないとわからないアドバイス、心構えなどはどんなものがあったのか
三宅:一般的には地上で200時間以上訓練しているため「手順書通りすればいいよ」的なものではないか。
喜多:オリンピックなどで見たことがない競技を見るとき解説者の見どころ解説が重要。EVAに関して見どころは
三宅:ビジュアル的な見どころはロボットアームの先端にくっついて移動し大きな装置を扱うところ。難易度は…MBSUは重いため扱いが難しい。挟まれると大けがをする。危険がないわけではないので時間通りやれればよい。2人の飛行士はこうのとりからの運び出しについてもてきぱきと予定より早くこなし追加作業を行っていた。EVAでも同様のことがあるかもしれない。
ライター林:命令系統について。野口さんはEV1、星出さんはEV2。EV1のウィリアムズ飛行士は星出さんの作業のサポートにつく?
三宅:その通り。
林:ケーブル敷設を手伝うことは想定している?
三宅:予定はないが訓練はしている。
林:司令塔のような立場は
三宅:アカバ飛行士と星出飛行士の連携もあるが、基本的には地上のCAPCOMと呼ばれる飛行士が指示をする。
林:CAPCOMが飛行士に直接指示するのか
三宅:その通り。
(つくばへ)
NVSかねこ:MBSUのスペアを軌道上に保管する場合環境がややシビアと思うが使用前にチェックするのか
三宅:とくにチェックはしない。打ち上げ前に点検して置いてある。取り付けて実際に火を入れて点検ということ。
かねこ:JAXAから支援は
三宅:時間があればきぼうの船外プラットフォームにつけているカメラを交換したいと考えている。将来に向けて有人のノウハウ獲得が重要でJAXAからNASAに人を送っている。またつくばでも星出飛行士のサポートをしている。
かねこ:見どころについて。船外活動はJAXA TVで放送するか
三宅:予定はない。NASA TVで英語だが中継される。
(以上)