今日はテレビで「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」が放送された。地震のあと初めて見るエヴァンゲリオン。セカンドインパクトに原発事故が重なり、ああもうこのアニメを以前と同じようには見られないのだ、これが今の現実なのだと少し悲しくなった。
セカンドインパクト後に生まれた主人公にとって、それは遠い過去の出来事でしかない。世界の人口が半分に減り、海は生物がほぼ死滅し真っ赤に染まるような大災害であっても現実味を感じられない。大人にとっては世界の秩序が一変する悪夢のような事件だったが、主人公には「セカンドインパクト後」こそが世界なのだ。バブル崩壊のあとに生まれた人が「景気がよい」とはどういうことかを体感していないのと同じだ。
そして、原発事故のあとに生まれた子供はニュースの中で各地の放射線量が扱われるのが普通だと思うだろう。それが原発事故で大きく変化してしまった、今の世界の現実である。わたしたちはこの現実をふまえ、これから育つ子供たちにできる限りよい世界を準備しなければならない。
そんなことを考えた。
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(8月27日記)