わたしが編集をお手伝いした、オライリーの『ビューティフルデータ』が発売されました。
ビューティフルデータ (THEORY/IN/PRACTICE)
- 作者: Toby Segaran,Jeff Hammerbacher,堀内孝彦,真鍋加奈子,苅谷潤,小俣仁美,篠崎誠
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2011/02/28
- メディア: 大型本
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本書『ビューティフルデータ』は、20本のエッセイを通して、大規模データの利用に関する現状と今後の可能性を伝える書籍です。Yahoo!、Facebook、Googleに在籍するエンジニアが執筆した基盤技術の開発ストーリーから、火星探査機の画像処理プログラム、レーザースキャナーによって撮影されたミュージックビデオ、国勢調査、犯罪レポート、投票行動などの可視化を通じた分析まで、幅広い分野にわたる先進的な事例を紹介し、データのなかに新しい意味を見出すための考え方を提供します。
O'Reilly Japan - ビューティフルデータ
多岐にわたる内容で興味深い話がたくさんあります。
レディオヘッドの「House of Cards」のプロモーションビデオを作る話は特に面白く読みました。レーザースキャナーで歌手や街の点群データを読み取り、それを再構成して映像作品にするという話です。
この点群データは公開されていて、プログラム言語「Processing」を用いて自分だけのプロモーションビデオを作ることもできます。
- RA DIOHEA_D / HOU SE OF_C ARDS - Google Code(http://code.google.com/intl/ja/creative/radiohead/)
そして今は、高価なレーザースキャナーと同等の簡易なセンサーとして、Xbox 360用の「Kinect」を使えるようになっていることも(本書ではふれられていないけれど)また興味深いことといえるでしょう。
都市の犯罪データを種類や地域、時間などで視覚的に概観できる「オークランド・クライムスポッティング」も、リッチで洗練されたインターフェースが目を引きます。
- Oakland Crimespotting(http://oakland.crimespotting.org/)
もちろん本来のテーマは、警察が公開していた(あまり整理されていない)データをどう手元にためて処理していくかなどの話です。岡崎図書館事件(Librahack事件)に近いことがここでも起きていました。結果はぜひ読んでご確認ください。
火星探査機の画像処理についても、どんなカメラが積まれてどう効率的にデータを受け取るかなど、現場の話はやはり面白いものです。
ほかにもさまざまな事例が紹介されています。ちょっとお高いですが手に取ってみてください。