クロ現「“助けて”と言えない〜いま30代に何が」明朝に再放送

10月7日に放送されたクローズアップ現代、反響が大きかったそうで、明日の朝9時半からNHK総合で再放送されるそうです。

8日にアップした書き起こしは、1000近いブックマークを集める大反響でした。(10月13日追記:1000越えました)たくさんのコメントとトラックバックもいただきました。

クローズアップ現代10月7日放送「“助けて”と言えない〜いま30代に何が」書き起こし - Imamuraの日記
http://d.hatena.ne.jp/Imamura/20091008/help

特に、3カ月ぶりや半年ぶりのエントリでこのことにふれている方もいらしたことが、とても嬉しく思いました。

はてなブックマークのコメントは全部目を通しましたが、映像で見ていれば伝わってくる文脈が、書き起こしではわかりにくいことがあると感じました。

そのひとつが、番組前半で紹介された北九州市の北原さん(仮名)のエピソードです。

北村さんは多重債務に陥り、アルバイト先にまで督促の電話がかかってくるようになったため店をやめました。収入がなくなった北原さんは、生活保護の窓口へ行きますが、そのとき「債務はありますか」の質問に「ありません」と答えています。生活保護の担当者は「身体健康で借金もない39歳なら、業種にこだわらず仕事を探せば見つかるでしょう」と指摘し、北原さんは「わかりました」とだけ答えて窓口を後にしました。

これを「生活保護の窓口へ行ったが追い返された」というようなニュアンスでとらえているらしい方が少なからずいました。しかし少なくとも映像を見た範囲では、上のやりとりを「窓口の担当者が北原さんを追い返した」ようには感じませんでした。書き起こしだけでは伝わりにくいところもあるのだなと考えた次第です。

そういったこともあって、再放送はとてもありがたいです。

ゲストで出演していた平野啓一郎さんも、この番組について書いています。

放送後の反響が大きく、急遽、明日10月12日(月)の午前9時30分から再放送されることになりました。

同番組では、今年度一番の視聴率(17.9%)だったそうです。

(…)

若い世代の失業問題はこれまでも取り上げられてきましたが、「“助けて”と言えない」という複雑な心理に焦点を当てたところに、制作スタッフの取材の丁寧さを感じました。

『クローズアップ現代』再放送 - 平野啓一郎公式ブログ

そのほか、番組の中で語っていた「窓口の一本化」と「分人主義」について、詳しく説明されています。

「分人主義」のほうは、番組ではこの言葉は使われていませんでした。社会の中での自分、家族と一緒にいるときの自分などを別々にとらえる考え方だそうです。そうすれば失業したりしても、社会の中にいるときの自分(分人)だけがうまくいってないことになる、そのほかにも、たとえば家族といるときの分人、友人といるときの分人などは別に存在するから、失業で自分という人間全体に問題があることにはならない、と考えることができるということです。つまり個人とは、分人の集合体なのです。

この考え方は、いろいろな場面で自分を使い分ける「ペルソナ(仮面)」とはまた違うそうで、「自然体の自分でいられる」的な状態では仮面そのものを使っていません。でもその状態を指す「分人」は存在する、ということのようでした。

自分の中の分人の比率、バランスを考えることです。対人関係や場所の分だけ、分人を抱え込むことになりますが、好きな、居心地がいいというか、「生き心地がいい」分人をベースにして生きていくべきだと思います。

人に“助けて”と言うことを、自分の全存在を“助けて”という意味だと考えると、受動的な感じで、心理的な抵抗があると思いますが、自分の中で、難しい状況に陥っている部分を“助ける”のに手を貸して欲しいということだと考えれば、それは、積極的な態度ですし、抵抗が和らぐのではないでしょうか。少なくとも、僕はそう考えるようにしています。

『クローズアップ現代』再放送 - 平野啓一郎公式ブログ

で、この「分人主義」が出てくるのが小説『ドーン』だとのことでした。ちょっと興味が出てきました。

ドーン (100周年書き下ろし)

ドーン (100周年書き下ろし)

この番組での「“助けて”と言えない」という切り口は新鮮で、今回はとりあえず問題提起というところでしょう。この感覚は自分にもありますし、ブクマコメントでもそう書いている方がたくさんいました。コメントでの「うまく“負ける”方法を身につける機会がなかった」という指摘は鋭いと思いました。

こういったところから、議論をさらに発展させていくことができたらよいですね。