オープンソースの画像生成AIをセットアップから使い方まで解説する『Stable Diffusion AI画像生成ガイドブック』(ソシム刊)発売中(→本のサポートページ

「クローズアップ現代」が「『助けて』と言えない30代」の反響を木曜に放送

「『助けて』と言えない30代」について、NHKの「クローズアップ現代」が1月21日(木)の放送で再度採り上げるそうです。

1月21日(木)放送予定
“助けて”と言えない2〜ブログに広がる30代の共鳴〜(仮題)
「助けて」。この言葉が言えず、孤独死した30代の男性を去年10月にクローズアップ現代で取材し、放送した。番組では、生活に困窮し、命に危険を及ぼしかねない状況になっても助けを求めない30代の姿を取材。彼らは、こうした状況になったのは、自己責任だと自らを責め、「助けて」の言葉を拒み続けていた。この放送直後、インターネット上のブログでは書き込みが急増。わずか3日で2000件を超えた。その多くが30代で、驚くことに孤独死は他人事ではないと共感するものがほとんどだ。なかでも30代の女性に、共鳴する声が瞬く間に広がった。一体、いま30代に何が起きているのか?番組では、ブログの声から、静かに広がる「助け」を求められない30代の実像を継続取材した。(NO.2844)
スタジオゲスト:平野啓一郎さん(作家)

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_2844.html

http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei.html

(2019年現在の公式サイトのページは「“助けて”と言えない ~共鳴する30代~ - NHK クローズアップ現代+」)

「去年10月に」とされているのは、昨年10月7日の放送でした。内容はこちらに書き起こしました。

クローズアップ現代10月7日放送「“助けて”と言えない〜いま30代に何が」書き起こし
d:id:Imamura:20091008:help

この放送はとても反響が大きく、5日後の12日に異例の再放送がされています。

クロ現「“助けて”と言えない〜いま30代に何が」明朝に再放送
d:id:Imamura:20091011:help2

この番組は、(首都圏だと「特報首都圏」の時間に)九州で放送されている報道番組「沖縄九州インサイド」で採り上げた内容をもとにしていました。今度の放送も、反響を受けて「インサイド」で11月29日にオンエアされた第2弾をもとにしているのではないかと思います。

この11月29日放送の「インサイド」に、わたしは「『クローズアップ現代』での放送内容を書き起こした人」として登場したのでした。

「助けて」と言えない30代について、金曜夜に九州で放送される番組に出演します
d:id:Imamura:20091124:help

インサイド」での「“助けて”と言えない2」では、わたしのほかに30代の女性の方も取材されていて、これがなかなか興味深い内容でした。

わたしは最初の「クローズアップ現代」での放送のあと、自分なりに考えたことを記事に書きました。

なぜ今の30代は「助けて」と言えないのだろうか
d:id:Imamura:20091111:help

この記事では、番組への反響として興味深く感じたコメントを紹介しています。そこに、「『助けて』と言えないのは男性だけで、ゆえに性差別方面の問題なのでは」という指摘がありました。

fromdusktildawn自己責任論というより、性差別じゃね?だって助けてと言えないのは主に30代の「男性」でしょ。男は自分の食い扶持は自分で稼ぐべきと本人も思ってるし、周囲も思ってるでしょ。性差別を内面化している。

http://b.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20091009#bookmark-16603445

ナルホドそうかもしれない、と考えてこのコメントを紹介したのですが、「インサイド」では「助けて」と言えない女性が取材されていて、その方の話にも共感を覚えたのでした。女性には女性なりに、外部からの圧力があって抑圧されているのだということです。具体的にどういう話かは、木曜の「クローズアップ現代」で紹介されるでしょう。

今度の放送でもスタジオゲストは平野啓一郎id:keiichirohirano/@hiranok)ということですが、前回「なんでこの人がゲストに?」という声もありました。代わりに思い浮かべたのはたぶん、湯浅誠山田昌弘といったあたりではないかと思います。

でもこのトピックは、労働問題や貧困の問題ではくくれない面を持つと感じています。今の30代がどう育ってきたか、その結果置かれている現在の状況、こういったあたりを丁寧に考えていくことで見えてくるものがある気がします。

また「インサイド」では平野啓一郎が、「助けて」と言いづらく思わせてきた社会にリーマンショック以降、変化のきざしが見えると語っていました。これも「クローズアップ現代」で指摘されるでしょう。その先にどんな話が出てくるのか、木曜の放送を楽しみに待ちたいと思います。