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映画『AKIRA』を高画質・高音質の環境で観た

最新デジタル映像音響技術が開く新世界
http://www.dcaj.org/cofesta2008/shinsekai.html

これのイベント、BD版『AKIRA』の上映会へ行ってきた。

世界のクリエーターに今も影響を与え続ける大友克洋の劇場アニメ『AKIRA』が、最高峰の音質・画質のハイパーソニックブルーレイディスク(BD)作品として甦る。知覚限界を超える情報を記録できる最先端ブルーレイ技術を活かして、日本語5.1ch音声を192kHz24bitで収録。独特の音楽をはじめ迫力あふれるサウンドトラックを超広帯域で再生し、<ハイパーソニック・エフェクト>(知覚限界をこえる超高密度高複雑性の音響が基幹脳ネットワークを活性化し、美と感動そして快適と健康を人間にもたらす効果)を映画館やホームシアターの中に実現するアニメ作品が世界で初めて誕生する。新規HDテレシネによるニューマスターによって映像もさらにパワーアップしたこの日本アニメの金字塔を、来春の日米同時発売に先駆けてお披露目。

最新デジタル映像音響技術が開く新世界

いやあ、1988年公開の映画としてここまで描きこんだアニメを2008年の今たっぷり堪能できるとは、まことに幸運なことである。冒頭の、バイクのテールランプが美しく流れるカットは、今ならCGでなんの苦もなく作れるだろう。でもアナログの当時どうやって撮影したのかは秘密になっていたような記憶が。ほかにも、公開当時は鉄雄が大きくなったシーンの線のかすれが気になったものだけれど、今回はとってもくっきりすっきり高画質。20年前によくまあこんな映像を作りましたねと、最初から最後までハイテンションなまま見終わった。

当時はマンガのを何度も読んでいたこともあって、映画では間違い探しをたくさんしてしまったものだった(そういうお年頃だったこともあるしね)。でも今はストーリーの細部はもう覚えていないし、ミヤコ様がチョイ役なのももう知っている。そのぶん、へんな先入観なく観られたのもよかったと思う。

プロットは緩急のバランスが崩れていて、見せ場に続いてまた見せ場、という流れがあったりする。そこで与えられるストレスがまた、人間のいびつなほど巨大な能力を描く映画としていい感じだとも思う。

そして音響。「ハイパーソニック・エフェクト」の効果はまゆつば感があれど、音を全身で受け止めているような心地よさを感じたのは確かだ。

CDやDVDの音声規格では、非可聴域の音をばっさり削ってしまう。「聞こえない音は入れなくてもいいよね」という合理的な判断だ。しかしそうすると、よく言われる「アナログレコードと比べるとスカスカ、キシキシと感じる」音になってしまう。

BD規格なら、耳には聞こえない周波数の音も入れておける。そうすると、理論上聞こえない音が増えただけのはずなのに、広がりを感じる音になるという話。

会場は大きなスピーカーをいくつも配置して、とてもぜいたくな音環境が作られていた。素人の耳にも、音楽や音に深みが感じられてくる。「ラッセーララッセーララッセーラッセーラッセーラッセーラッセーラッセーラッセーラ!」のコーラス、ガムランのドコドコ音、ヘリコプターの風切り音、都市の喧噪、群衆の歓声、うーんこれはたまらん。しかしこのすばらしい音をホームシアターで再現するのは、けっこう大変なんじゃないだろうか。

ともかく、十数年ぶりに観た『AKIRA』はよかったよかった。脳がたいへん満足しました。

Blu-ray Disc版『AKIRA』は2009年2月20日に発売とのこと。

AKIRA [Blu-ray]

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10/21追記

AV Watchに記事が出ていた。ハイパーソニック・エフェクトについて、とても詳しく解説されている。

BDビデオ版「AKIRA」には「ハイパーソニック・エフェクト」が収録されているという。この「ハイパーソニック・エフェクト」、人間の知覚限界を超える超高周波を浴びることで、基幹脳が活性化し、心や体が健康になるというものらしい。“Blu-rayを観るだけで健康になる”とはどういうことか? 上映に合わせて行なわれたトークイベントを取材した。

Blu-ray版「AKIRA」を観るだけで心も体も健康に!?