超ひも理論の入門書、ブライアン・グリーンの『エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する』をもとにした科学ドキュメンタリー。本人が出演して、理論物理学の世界を映像で見せてくれる。
以前の放送を見て、とても面白かったのでみなさんもぜひ。
- 第1回 アインシュタインの見果てぬ夢(→[http
- //www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/050315.html:title=番組紹介]):2007年7月30日・月曜深夜(火曜午前)0:10〜1:00
- 第2回 “ひも”の振動が万物をうむ(→[http
- //www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/050316.html:title=番組紹介]):2007年7月31日・火曜深夜(水曜午前)0:10〜1:00
- 最終回 驚異の高次元空間(→[http
- //www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/050317.html:title=番組紹介]):2007年8月1日・水曜深夜(木曜午前)0:10〜1:00
- 作者: ブライアングリーン,Brian Greene,林一,林大
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
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DVDも出てます。
- 作者: 教養
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2005/09/22
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以下、以前書きとめておいた第1回「アインシュタインの見果てぬ夢」のダイジェストを。
(自分の理解できる範囲で書いているので、へんなところがあるかも)
美しき方程式を探せ
- 宇宙のすべてを説明できる統一理論、「マスター方程式」が存在しており、物理学者たちはそれを探している
ニュートンが統合した2つの力
一般相対性理論
- アインシュタインは、光の速さを超えられるものはこの宇宙に存在しないことを発見した
- ところが、これは「重力の到達には時間を必要としない」という今までの理解と衝突する
- アインシュタインは、3次元の空間と1次元の時間がからみ合う時空の織物を考案した
- 4次元の時空が作る織物は、惑星など重い物体が表面を動くことで、ゴム膜のようにゆがんだり曲がったりする
- 我々が重力として認知しているのは、時空のゆがみであるということ
- ゆがみの変化が伝わる速度は光と同じであり、つまり重力も光と同じ速度で伝わることになる
- これはニュートン力学との整合性をとっただけでなく、重力とは時空の織物のゆがみや曲がりであることも明らかにした
- これが一般相対性理論
重力と電磁気力の統合を目指す
- アインシュタインは次に、この新しい重力理論を電磁気力と統一しようとした
- 電磁気力は、電気の力と磁気の力をまとめて説明する理論
- 電気と磁気に関連があることは、19世紀から知られていた
- たとえば雷雨の中で、方位磁石は雷と同時に方向が乱れる(筆者註:知らなかった。昨日試したらよかった)
- このことを利用して、電線を伝って届いた信号を磁気に置き換えるモールス信号が作られた
- しかしなぜそういうことが可能なのかはわかっていなかった
- マクスウェルが電気の力と磁気の力を「電磁気力」として4つの方程式に統一したのだった
- アインシュタインは自分の重力理論と電磁気力をまとめることができれば、宇宙のすべてを包み込む「マスター方程式」にさらに近づくだろうと考えた
- しかし重力は電磁気力よりあまりにも小さい
重力の小ささ、電磁気力の大きさ
量子力学の登場
- さらに1920年代、ニールス・ボーアを中心とするグループが量子力学という新しい考え方を物理の世界に提示した
- このころ、原子はさらに小さな、素粒子で成り立っているとわかった
- アインシュタインやマクスウェルの理論では、原子の内部で素粒子がどう動いているかをうまく説明できなかった
- 量子力学は、きわめて小さな範囲でのできごとをうまく説明できた
- つまり、原子や素粒子のレベルでは、すべてのものごとが確率でしかとらえられないことを証明した
- 宇宙は秩序正しく、予測可能なものだという従来の考え方からすると、非常に過激な理論だった
- 量子力学を構成するのは、「強い力」と「弱い力」である
- アインシュタインは重力と電磁気力の統一を目指したが、果たせぬままこの世を去った
- 大きくて重いもの(星や銀河、宇宙全体)は一般相対性理論で、小さいもの(原子や素粒子)は量子力学で問題なく扱える
斬新な新理論「ひも理論」
- 現在、「ひも」の振動ですべてをとらえる「ひも理論」が研究されている
- ひも理論はいろいろとうまく説明できるが、なにしろ小さすぎて観測する方法がない
- 「証明できなければ、それは科学ではなく哲学だ」
- それでも、ひも理論にはある種のエレガンスがある。いずれ証明されるだろう