「世界樹の迷宮」については最近書いていないけれど、少しずつ進めている。プレイ日記はネタバレにつながるから書かない。でも面白いですよ。世界樹の迷宮。
最近気づいたのは、「オートマッピング」はオンにしちゃったほうがいいかもということ。
オートマッピングといっても、通ったマスが塗られるだけなのね。だから壁や扉などは結局自分の手で追加しないといけない。「オート」といっても手作業の味わいがちゃんと残っていて、しかもマッピングもれも減らせそうでよい。
最近こんな記事があった。
5階ぐらいにたどり着いたころから、「しょせんウィザードリィだろう」との予想から大きくズレ始めているのに気づく。筆者は3DダンジョンRPGに対して免疫があったはず、寝食を忘れて“潜り”続けたりしないはずだ。だが、すごい勢いで外が明るくなったり暗くなったりしている。いや違う、仕事を放りだして数日間ハマっていたのである。「世界樹」には魔物が住んでいた!
(中略)
うす暗い地下への探求心をくすぐった「ウィザードリィ」と、今まさにゲーマーたちの睡眠時間を削っているネットゲーム。この2つが“悪魔合体”(『女神転生』のアトラスだけに)した「世界樹の迷宮」に足を踏み入れたら、すんなり現実世界に戻ってこられるはずがない。
今月の1本:世界樹の迷宮 (まんたんウェブ)
とまあ「世界樹の迷宮」は面白いわけですが、大きな不満がひとつある。それは、セーブデータを1つしか作れないこと。
ニンテンドーDSではプレイデータをゲームカートリッジ内に保存する。昔のファミコンカセットのバッテリーバックアップと同じだ。
さて「世界樹の迷宮」が面白いからと、誰かに「遊んでみてよ」と貸そうとしたとしよう。ここで問題が起きる。
「世界樹の迷宮」はセーブデータを1つしか作れない。いわば「ぼうけんのしょ」が1つしかないゲームなので、「人に貸す」イコール「自分のデータを消す」ということになる。
いくら面白いゲームでも、ここまで育てた自分のデータを消してまで、人に貸して勧めようとは思わない。結果、「世界樹の迷宮」は面白いよ、でも貸せないよ、となってしまうのだった。もちろん、家族で1本のカートリッジを共有して遊ぶこともできない。
この作りは「風来のシレンDS」も同様らしい。「1000回遊べるRPG」をうたうゲームにして、作れるセーブデータは1つだけ。それって、買ったゲームは自分だけで遊んでね、いくら面白くて人に勧めたくなっても、カートリッジそのものを貸しちゃダメよ、一家で一本じゃなくて一人一本買ってね、ということではないか。
ゲームメーカーはやっぱり、こういうところをゆるくすると販売本数が減ってしまうと考えているのかなあ。
でもそれって、立ち読みできない本、体験版や試遊台のないゲーム、試聴できないCD、予告編のない映画のようなやり方であって、長い目で見て損になるんじゃないかと思う。
「世界樹の迷宮」は実に面白いゲームだと思うぶん、実にmottainaiと思うのだった。
(どこかで、「世界樹の迷宮」はカートリッジの容量をほぼ使い切っている、という話を見た気がする。だからデータを1つしかセーブできないのだ、という意見もあるかもしれない。でもそれは、優先すべき仕様を取り違えているという点でやっぱり「面白いのにmottainai」である)
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- 「ITmedia アンカーデスク:『EMIは打つ手がなかった』――DRMフリー化と『CCCD』という無駄 そして日本は (1/5)」(ITmedia・07/04/09付):音楽業界は、CCCDという悪しき前例を見せてくれた。ゲーム業界も出版業界も、「音楽業界があれだけ下手を打ったのになにをやってるのか」と言われないようにしたいもの。
追記
- 反応1:「大和但馬屋日記 No.037 - 量的制限があるハードウェア上での仕様の取捨選択」(d:id:yms-zun:20070415#sentaku)
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