偉い人たちの会見ののち、技術面を中心にした会見が行われました。
メンバーは、M-Vのプロマネである森田教授(中央)、東工大の松永助教授(左)、そしてサブペイロード統括の津田助手(右)です。
松永先生は、東工大でカンサットやキューブサットの実験を行っています。また津田助手は、東大の航空宇宙学科で中須賀助教授のもと、カンサットやキューブサットを作ってきた方です。
Cute-1.7+APDの電波は、これまでのキューブサットと同様、アマチュア無線の周波数を使っています。いわば地上局がアマチュア無線家の数だけあることになります。さっそく、ジョージア工科大学をはじめ、いくつかのアマチュア無線家がCute-1.7+APDの電波をとらえたそうです。「あかり」と名付けられたASTRO-Fに続いて、こちらも見事に成功ですね。おめでとうございます。
松永先生は、「ようやく日本の大学からも、人工衛星で世界に自慢できる成果が出てきたのではないかと考えている」というコメントでした。
ソーラーセイルはどうでしょうか。津田さんによると、「ソーラーセイルからの電波は、オーストラリアの地上局で取れています。それを受け取って解析が終わる1〜2日後に、結果がわかるでしょう」ということでした。
松永先生からは、「今はISASもNASDAもない1つのJAXAであるのだから、M-V以外のロケットでも学生の衛星を上げられるでしょう、ぜひ打ち上げてほしい」というコメントがありました。
また的川先生から、「ロシアで打ち上げるのと日本で打ち上げるのは、どちらがよいでしょうか」という質問が出ました。松永先生の答えは以下の通りでした。
「ロシアと日本のどちらで上げるのがよいかは、どちらも一長一短です。
ロシアのいいところは、ロケットをたくさん上げているため、どこをさぼってよいかなどの経験が非常に豊富であることです。悪いところは、輸出関連や治安の問題、軍事基地ゆえの制約、言語の問題などといったところです。
日本で打ち上げる悪いところは…いろいろと言えない話があります(笑い)。一方いいところは、ISASと共同で開発を行ったため、衛星の不具合を一緒に考えて解決していただけたほか、非常に厳しくされたことでうまくいっている面もあるでしょう。まああんまり絞りすぎないように、とも思います(笑い)。」