中野武蔵野ホールで開催中の、『チェコアニメ映画祭'99』観に行く。AプログラムからCプログラムまでが2週間ごとに上映されるうちの、今回はAプログラムである。Aプログラムで上映されたのは以下の作品。
- 『文明からのレポート』ヴラディミール・イラーネク(1981)
- 『Pat&Mat』
- 鍵(1989)
- ドア(1990)
- 屋根(1990)
- 家具(1989)
- 大掃除(1990)
- 『草原の唄』イジー・トルンカ(1949)
- 『手』イジー・トルンカ(1965)
と詳しく書くのは、上映には日本語がまったく使われず、上映中はそれぞれの作品のタイトルなどの情報がまったく得られないため。1本ごとに日本語のタイトルを数秒入れるだけでもコストがかかるのだろうが、窓口でもらえるチラシなどをあらかじめよく見ておかないと、次にどんな作品が出てくるのかわからなくなってしまう。
と上映方法には疑問もあったが、作品そのものはどれも面白く楽しめた。
上映作品の詳細については、いま本屋に並んでいる『夜想35−チェコの魔術的芸術』(ペヨトル工房)に詳しいので、ここでは割愛。お約束のドタバタをテンポよく見せてくれる「パットとマット」のシリーズは、キャラクターグッズが出たらよく売れそう。巨大な「手」の強要を拒み、植木鉢を作り続ける人形の姿を描く『手』は、特に印象的だった。
28日からのBプログラムでは、ヤン・シュワンクマイエルの『対話の可能性』などが、続くCプログラムではイジー・バルタの『ゴーレム・パイロット版』『手袋の失われた世界』などが上映される。どれも話には聞いているが未見で、楽しみな作品ばかりだ。
ところで、土曜日夕方の中野武蔵野ホールは行列ができるほどの盛況だった。この映画館には何度も足を運んでいるが、失礼ながら行列ができているのを見たのは初めてである。「ウォレスとグルミット」でもないのに、海外アニメの特集上映がこれほどの混み具合というのは意外だ。先週の土曜が嵐だったぶん、お客さんが今週末に集中しているのだろうか?実は自分も先週観に行こうと思いつつ、嵐で延期したクチである。Bプログラムの混み具合がどんなものになるのか楽しみだ。