偶然が重なって蒸気機関車に乗った。「SLレトロ碓氷」という、横川(軽井沢の手前)から高崎まで走る特別列車である。普通料金に加えて指定席券520円が必要。
高崎からディーゼル機関車に牽引されてきたD51が横川駅へ後ろ向きに入ってきた。
前に回ってみるとこんな感じ。
車内に冷房はなく扇風機が回っている。冷房のない列車に乗るのは20年ぶりくらいかもしれない。たぶん最後に乗った冷房のない列車は営団地下鉄だと思う。
天井が高いのはエアコンがないからだろう。発車を待つ車内は暑かったが、走り出すと外のさわやかな空気が入ってきた。真夏はつらそう。
テーブルとその下の栓抜きは自分の記憶にもある。懐かしい。
網棚に荷物を載せたときのたわみ具合もまたいい感じだ。
動画で汽笛を録ろうと思ったがタイミングを外してしまった。痛恨。しかしこの汽笛、気分はすっかり銀河鉄道999である。あっちはC62ですけどね。
(55秒くらいにも小さく汽笛が聞こえる)
横川から高崎まで、普通の電車だと30分ほどだがSLは1時間ほどかけてゆっくり走っていく。GPSで速度を見たら40キロほどしか出ていなかった。D51は性能上もっと速く走れる気がするが、車両をいたわってのことかもしれないし沿線の人にSLをよく見てもらおうということかもしれない。(WikipediaによるとD51の営業最高速度は時速85キロだそうだ→[Wikipediaの項目へ)
車窓から見える沿線の人々はとてもいい反応だった。みんなこちらを向いている。そして笑顔。手を振ってくれたりもする。自分はアイドルでもなんでもないただの人なので、自分に向かって知らない人が笑顔で手を振ってくれる機会などない。自分が別人になったような気がした。
田んぼには撮り鉄の皆さんが鈴なりに。
車内では記念の顔はめ看板を貸し出していた。
下は安中駅を出るときの動画。18秒くらいで扉が閉まり、40秒くらいで汽笛が鳴る。
途中の駅で10分弱の停車時間があり、ここまで走ってきたSLを改めてじっくり見ることができた。出発前と違って今まさに稼働していた蒸気機関がしゅうしゅう音を立てている。
電気を使わない機械の力強さは頼もしくも圧倒される。これはかっこいい。スチームパンクを考えつく人の気持ちがよくわかった。
1時間ほどの汽車での旅、楽しませてもらいました。
今回撮影した写真
関連リンク
今回乗った「D51 498」の公式解説。
- JR東日本:楽しい列車ポータル>D51 498(http://www.jreast.co.jp/railway/joyful/d51.html)
「SLレトロ碓氷」の運行情報。
- 快速 SL・DLレトロ碓氷 運転(2014年7月27日〜) - 鉄道コム(http://www.tetsudo.com/event/10483/)
詳しい乗車レポート。
- アルフの部屋:鉄道趣味の部屋[乗車レポート:JR東日本 快速「ELレトロ碓氷」](http://www2e.biglobe.ne.jp/~alf/railway/report/el_retro_usui/index.htm)
(10月20日記)