- これまでの流れ
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- 9月12日:グルスキー展を見てまた鹿児島へ(http://ima.hatenablog.jp/entry/20130912/epsilon)
- 9月13日:Y-1ブリーフィング(9月13日版)(http://ima.hatenablog.jp/entry/20130913/epsilon)
- 前回の打ち上げ日:イプシロンロケット打ち上げ中止(d:id:Imamura:20130827:epsilon)
早起きして内之浦へ。前回同様今日も宮原(みやばる)の一般見学席で13時45分の打ち上げを待った。やっぱり2回目となると慣れが出てきて、なんか落ち着いた気分。前回は快晴だったが今日はやや雲があり、台風が近づいているせいか風が少しある。
イプシロンロケットが整備塔から出てきたので、また双眼鏡にiPhoneを押しつけて撮影。
打ち上げを待つ宮原一般見学席の様子。Photosynthで広角めに撮った。
雲が増えてきた。下の写真は13時26分撮影。
13時半すぎになって、打ち上げ時刻を15分ずらすと連絡が入った。切り離された1段目が落ちる警戒区域内に船が入ってきそうになったからとのこと。打ち上げ時刻は14時ちょうどに。
打ち上げ10秒前にはロケット最下部に2つある姿勢制御用サイドジェット(SMSJ)から煙が出始める。前回はカウントダウンが続いていてもこれがなかったので「あれ?」と思ったのだった。
今回はちゃんと煙が出始めて、おお、いよいよだと思う間もなくカウントゼロになると直視できないほどまぶしい光がロケットの根元から出た。そのまま離床、ぐんぐん空へ上っていく。
空は雲が増えていたが、宮原の一般見学席からはちょうど雲の切れ目を上がっていくように見えて、思いのほか長い間イプシロンを追うことができた。
このあたり写真や動画がないのは、基本的にはロケットの打ち上げって肉眼で見るのが一番いいと思っているから。写真や動画は自分よりうまく撮る人がちゃんと撮ってくれるだろうからわざわざ自分で撮る必要はない。双眼鏡もなるべく使わないのがよい。ズームして見てしまうとテレビと同じ構図になってしまう。
とか言いつつデジカメを広角にセットして、70秒前にカウントダウンが始まるあたりから動画を撮影して放っておいた。これを見れば自分が打ち上げ時の様子を思い出せるだろうと思ってのこと。しかし撮れなかった。「記録に失敗しました」的なエラーが出た。これはSDカードへの書き込みが間に合わなかったからじゃないかと思う。いつもは1280×720で撮るところ、せっかくだからとフルHD(1920×1080)で撮ったのが敗因らしい。SDカードはClass10なので普通なら書き込みが遅れることはないはずだが、安物だからそういうこともあるかもしれない。
ともかくイプシロンロケットは無事に空へ吸い込まれていった。打ち上げ35分後くらいに射場の安全確認がとれて退避が解除され、プレスルームへ戻る。
戻ったのが打ち上げ1時間後くらいで、衛星分離は1時間1分40秒。プレスルームの大きなテレビにJAXA TVの画面が流されていた。
衛星分離の瞬間、プレスルームにも拍手が起きた。打ち上げは成功だ。よかったよかった。
上のJAXA TVの放送はYouTubeにアーカイブされている。
上の動画、放送開始は32分30秒後と過剰に臨場感あふれるものになっている。仕事の関係もあってひと通り流して見つつ、何分後にどんなイベントがあったかをメモした。「あれ? この情報はこの動画を見る人全員に有益なのでは?」と思ってこの動画のコメントに投稿したら(http://www.youtube.com/comment?lc=C_UGzT4DtCh1YH3rIMMEUmDN7SPiFwS0y4-1tIhRJGc)「32:40」などの文字列が当該位置へのリンクになっていてすごいですYouTube。
(下の引用は手動でリンクを埋め込んでいます)
32:40:放送開始 36:13:森田泰弘プロマネインタビュー 41:53:峯杉賢治所長インタビュー 46:02:イプシロン打ち上げに向けたダイジェスト 49:06:打ち上げ中継開始(約3分半前) 52:38:打ち上げ 55:06:Google earthに切り替え 57:47:打ち上げリピート映像 1:05:27:搭載カメラ映像 1:07:56:JAXA寄附の報告 1:11:43:阪本成一教授の電話レポート 1:15:33:打ち上げリピート映像(途中で中断) 1:19:13:プロジェクトメンバーの声(宇井恭一さん、小野哲也さん、井元隆行さん) 1:26:42:森田プロマネの声 1:28:37:SPRINT-Aの紹介 1:36:56:打ち上げリピート映像 1:38:03:Y-0リハーサル映像 1:43:29:打ち上げCG映像 1:44:48:Y-0リハーサル映像 1:46:13:搭載カメラ映像 1:54:26:SPRINT-A分離 1:54:57:搭載カメラ映像 1:57:40:搭載カメラ映像 2:00:55:打ち上げリピート映像
イプシロンロケット試験機による惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打ち上げ中継=録画= - YouTube
さて、打ち上げ後の記者会見は16時15分から。
- イプシロンロケット打ち上げ経過記者会見 - ただいま村(http://ima.hatenablog.jp/entry/2013/09/14/161500)
前半はJAXA理事長と文部科学副大臣、後半はイプシロンロケットの森田泰弘プロマネとSPRINT-Aの澤井秀次郎プロマネ。前半は公式なコメントを粛々と収集する一種の儀式。後半はとても盛り上がった。
この席で、SPRINT-Aの名前が「ひさき」になったと発表された。
それから「イプシロンロケット」の命名由来についても。森田プロマネは常々、名前の由来にはひとつ秘密があって、これは打ち上げが成功したら公表しますと言っていた。質問する記者は「満を持して聞きたい」と意気込み、森田先生も「すばらしい質問をありがとうございます」と引き取った。そしてその秘密とは…「イプシロンがミューロケットの後継であることを示すもの」というヒントを以前見たことがあったが…。
…まさかジョークだったとは…。これを提案したのは的川先生だそうで、いかにもともいえる。
ともかく打ち上げはうまくいって、みんな晴れやかな顔をしている。記者会見の終わりには拍手が起きた。これは珍しい。自分が知る中では「はやぶさ」の帰還直後の会見が確かそうだった。
- はやぶさ記者会見@相模原(d:id:Imamura:20100613:hayabusa)
会見終了後、ロケットの整備塔とランチャーがあるM台地が報道陣に公開された。
ランチャーの基部は黒焦げになっている。M-Vのときはここまで黒くはならなかった気がする。
- M-V 7号機のときの様子:ミュー台地公開(d:id:Imamura:20060923:daichi)
ロケットの噴射炎を横に流すための煙道。こちらは黒くはならず、一部が変性しているように見える。
このとき撮った動画。
M台地から崖へ落ちるのを防ぐフェンスがロープだけになっていてちょっと恐い。JAXAの人も「近寄らないでください」を連呼していた。
フェンスのメッシュは打ち上げ時には外しておき、終了後元に戻す予定だったそうだ。しかし噴射炎がもろに当たったところは支柱が曲がってしまい、メッシュを取り付けられなくなってしまって当面こうなっているとのこと。
整備塔はディテールがいい。左端の非常階段がさびてボロボロなところもポイント。
今日の宿泊は霧島の国分。内之浦や鹿屋からはだいぶ遠いが、14日はここしか取れなかった。打ち上げが延期になったらここからまた鹿屋へ戻ることになっていたので、その点でもちゃんと上がってよかったよかった。取材班で祝杯を挙げた。
(9月30日記)
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- 9月15日:鹿児島から帰る(http://ima.hatenablog.jp/entry/20130915/epsilon)