20年間継続できる好奇心

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先週の「サイエンスZERO」はカビの医学への応用について。カビの研究で賞をもらった遠藤章先生(東京農工大学名誉教授)が招かれ、どんな研究をしているかの紹介に力点が置かれていた。

番組中の先生の話で、いいなと思ったところ。

「苦労もあったが、カビに興味を持つきっかけがあり、カビに好奇心を持ち続けていたから、こうして今まで研究してこれた。好奇心がなにより大切」。

これを引き取って、佐倉統先生(東京大学大学院情報学環助教授)が自分の座右の銘として、「自分の好きなことだけをやれ」といった主旨の言葉を紹介していた。

好きなこと、強い興味があることを持っていて、それに対して好奇心を長い間注ぎ込める人はやっぱり強い。

以前、ドキュメンタリーを作ってきたテレビマンに話を聞く機会があった。管理職にならず、現場で制作を続けてそのまま定年を迎えるという人で、さまざまな経験に裏打ちされた自信にあふれていると感じた。

その人が、「なんでも20年やっていれば、それだけでひとかどのものになりますよ」と話していた。これが自分には、「20年間続けられるだけでも大したものだし、続けられる対象を持っていること自体が強みなのだ」というふうに聞こえたのだった。

またしてもメガスター大平貴之さんの話で恐縮だけれど、彼は1979年、小学4年生のときに初めて星空を作った。夜光塗料を塗った紙を小さく切り、部屋の壁に貼ってオリオン座を作ったのだった。それから20年たった1999年。大平さんはこの年、2つめのレンズ式プラネタリウム、170万個という桁違いの数の星を投影する「メガスター」を完成させている。その後の活躍はご存じの通り。

もちろん10年ではまだダメ、20年やらないと、ってことはないだろう。でも自分をふり返ると、一時期は入れ込んでもそのうち興味がなくなってしまい、「そんな時期が来るとはね」と考えるようになったことがいろいろある。一方そんな中でふるいにかけられ、今でも興味を持ち続けている対象もある。それは自分にとって本当に好きなことなのだろうし、またそういう対象を持っていられること自体が幸運だと思う。

対象に最初に興味を持つかどうかは、好奇心の強さに左右される。好奇心を強く持ち、なぜそうなのか、なぜこうなったのかを考える習慣があれば、世界は興味深いことばかりに見えてくるだろう。そういう機会を、ふだんの生活や仕事を通じてたくさん提供していけたらいい。

たくさんの人がいろいろなものごとに興味を持てば、消費が多様化して活発になり、その結果たとえば病気になる人が減る。医療費の負担が軽くなり、税金が安くなれば可処分所得が増えて嬉しいし、知恵のアウトプットも増えて豊かな社会になる…かもしれない。と、またそんなオチでスイマセン。

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