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地下から生還

【元記事:地下から生還:d:id:manpukuya:20050717:1121579448
前の日
金沢21世紀美術館https://ima.hatenablog.jp/entry/20050716/1121507981

スーパーカミオカンデカムランドなどを見学して、寒い地下から戻りました。

もう富山を出て車窓の人です。

後日追記分(05/07/20)

行ってきました、GSA2005。公式サイト→「ジオスペースアドベンチャー

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私は猪谷集合の組だったので、富山から猪谷まで高山線で向かいます。猪谷駅(写真上)はとても静かな山あいの駅でした。

下の写真は、いきなり鉱山の中の「重機コーナー」です。ここまでは猪谷駅の受付でヘルメットを借り、神岡鉄道に乗って漆山駅へ。そこからバスで鉱山内へどんどん入っていきました。鉱山の中に入るバスは空気を汚さないようにするため、ガソリンエンジンではなくディーゼルエンジンで、強力なフィルターがついているとのこと。鉱山内の気温は年間を通して13度から15度、と聞いていましたが、今はもうすっかり夏ですからいまひとつぴんときません。しかし入口から1500メートル、地下1000メートルの鉱山内に降りてみると、写真の重機コーナーまでのトンネルはけっこうな風が吹いていることもあって、ひんやり…というよりチラシに書いてある「思ったよりさむいぞ!」の通り、思ったより寒いのでした。

写真のガンヘッド的な重機は、発破のための穴(3メートル)を1分で掘ってしまうとのこと。ここでは重機を紹介するだけでなく、ガンガン動かしてくれたり運転席に上がり放題だったりしてすばらしいです。ここに限らず、写真は「好きなだけ撮ってください」状態で、その点でも好感でした。

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次は東大のスーパーカミオカンデ(写真上)と東北大のカムランド(写真下)の見学です。スーパーカミオカンデの水槽は閉じられていて、センサー(光電子増倍管)がずらりと並んだ様子は見られませんでした。光電子増倍管は真っ暗な中で稼働させており、非常にデリケートなため観測中に外の光が入ると壊れてしまうとのこと。なお光電子増倍管は、スーパーカミオカンデの模型とともに日本科学未来館でも見られます。

写真は水槽のふたの上で、直径40メートルの円形のドーム空間になっています。天井がけっこう高いです。写真の奥に立っているはしごや手すりのサイズでわかるでしょうか。

係の学生の方(暗黒物質ダークマター)の研究をしているとのこと)に話を聞くと、数名で3交代で観測をしていることや、この周辺にアパートを借りて宮城から出張してきていること(家賃を聞けばよかった)、食事は学食的なところが地下にあってそこですませること、観測は結構大変であることなどを教えてくれました。

一方カムランドは今のところあまり知られていませんが、スーパーカミオカンデよりもセンサーの能力が高く、ニュートリノの中でもエネルギーが低いほうである太陽ニュートリノの検出を目指しているそうです。学生さんによる説明がハキハキしていてうまかったのが印象的でした。このへん、東大と東北大のメンタリティの違いが出ているのかも、とちょっと感じました。

カムランドは新しい施設のせいかまだ知名度が低いですが、成長株のように見えました。今回のイベントもみなさん「スーパーカミオカンデの見学」と称していることが多いですが、数年のうちに「スーパーカミオカンデカムランドの見学」になるのではと思ったり。

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お次はテルミンマトリョミンマトリョーシカテルミンを仕込んだ楽器)の演奏を聴きます。マトリョミンを演奏するときは自分の出している音を聞くために聴診器をつけます。そして人形に向かって小刻みに「ガチョーン」をする動作になるため、なかなか怪しくて楽しいものでした。

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そして最後は休憩所で、食事やおみやげの販売が行われています。ここではなんといってもシュークリーム、その名も「シュートリノ」が目を引きました。中身はカスタードクリームと生クリームのハーフ&ハーフで、なかなかおいしいのですがもうちょっとニュートリノっぽさを目指してほしいと思いました(どうやって…いや何とかして)。

下の写真が休憩所の全景ですが、どうも『賭博破戒録カイジ』の地下作業所を思い出します。シュートリノは1個2000ペリカ‥‥! 「うっ、うまいっ‥‥! 犯罪的だっ‥‥!」(いやそこまでではないか)

それはさておき、1000メートルの地下で地元の人がうどんや大福を売っているという状況がなかなかシュールでした。

さて、すでにd:id:zaikabou:20050720:1121833490さんがまとめているように、たくさんのレポートが上がっています。ぜひあわせてどうぞ。

中でもd:id:zaikabou:20050716さんのレポートは、写真も説明も充実していてすばらしいです。なおこのレポートによると、

神岡鉄道もここ2年くらいのうちに廃線になるので、このイベントもあと一回くらいで終了と言う話。後で調べたら、2006年の12月廃線とのことだった。

日毎に敵と懶惰に戦う - スーパーカミオカンデにGO!

とのことなので、来年のGSA2006が最後のチャンスになるかもしれません。

関連リンク

冒頭の重機の写真を投稿したら採用されました。