ビッグコミック連載『天上の弦』、今号に糸川英夫登場

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[書影:海峡を渡るバイオリン]陳昌鉉という人が、世界最高峰のバイオリン製作者になるまでの半生を描くこのマンガ、原案は本人の聞き書き海峡を渡るバイオリン』(ISBN:4309014941)。

朝鮮から日本に来た主人公は大学に通うものの、教員になる夢は差別でかなわないと知り打ちひしがれている。そこへ「戦争中に飛行機作ってた東大の先生が、今度はなぜかバイオリンを作ったっていうんだ。」という話を聞いて糸川英夫の講演に足を運び、バイオリン製作者になることを決意する、という回である。

日本ロケット開発の父である糸川英夫は戦後、それまでのロケット研究を封印されて生きる意欲を失っていた。そこへある学生が「バイオリンを作ってくれ」とやってきた。興味を持った糸川は研究を重ねてバイオリンを作っている。

[書影:やんちゃな独創]糸川英夫がロケット研究を再開するまでの間、バイオリンを作っていたことは彼の評伝『やんちゃな独創』(ISBN:4526052523)などで知ってはいた。しかし、まさかこのマンガに糸川が関わってくるとは思わなかった。しかも主人公にバイオリン製作者への道を歩ませるきっかけを与えていたとは、本当に人と人とは意外なところで影響し合っているものだ。

ちなみに、糸川にバイオリン製作をもちかけた学生は熊谷千尋という。のちに日立に入り、国鉄の乗車券予約システムを手がけた。その際の苦闘は「プロジェクトX」でも紹介されている。

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そういえばこの『海峡を渡るバイオリン』、ドラマ化されて11月27日にフジテレビで放送される。ということは、ドラマにも糸川英夫が出てくるのか。おお、これは俄然楽しみになってきた。