d:id:wireself:20030613#1055475830によると、冨士宏のなつかしくて面白いマンガ『午後の国』が実は現在もWebで書き続けられており、あまつさえ以前の原稿を収めた新刊まで出た(同人誌的な形態のようだけれど)というのだった。
『午後の国』は、大きな戦争によって大半のテクノロジーが失われた世界が舞台の話。表面的には、都市から離れた小さい村を舞台に、細やかなエピソードが重ねられていく。しかし物語の後ろ側にはしっかりした設定があるとにおわされていて、しかもそれが嫌味なくマンガとして消化されている。登場人物の言葉や行動に、生きていくことについての説得力があるという印象だった。
Webでの連載を、まとめて読んでみた。これはまことに「午後の国」だ。昔読んだ「午後の国」と新しいものとは、おおかたの登場人物や舞台こそ違っている。しかし、底に流れるいい感じの雰囲気は変わっていなかった。