99/09/12 (Sun.)−高野文子の新作『黄色い本−ジャック・チボーという名の友人』

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今月号(1999年11月号)のマンガ雑誌アフタヌーン』に、高野文子の新作が載っている。タイトルは『黄色い本』。高校生の少女が得る、文学にまつわる体験(とその終わり)を描く70ページ以上の読み切りだ。当該号は先月の25日発売でだいぶ遅いネタではあるのだけど、自分にとってとても重要な作家だからこの話はぜひしておきたいのだ。
 高野文子のマンガは、いつもとてもいい読後感を残してくれる。もちろん今回も。そもそもは「HanakoのMANGA」(1990年11月10日発行)という、『Hanako』の巻末マンガを集めた増刊号で高野文子を知ったのだった。しりあがり寿の『O.SHI.GO.TO』、吉田秋生の『ハナコ月記』、江口寿史の『ご近所探検隊』ときて、トリが『るきさん』だったというわけ。ほかの作家は当時すでによく知っていたが、この高野文子という人は誰だ? しかも各作品の扉ページにある作者のコメントを読んでみると、高野文子のコメントは「えっちゃんはともかく、るきちゃんってはっきり言ってちょっとヘンだし」だの何だの書いてある。何なのでしょうこれは、と読み始めてみるとこれが面白い。しっかりした線、リズム感のあるコマ運び。「えっちゃん うちに火鉢が来たよ ねえ これでヤキトリしよう 炭火だ うまいぞお/駅前のスーパーでまってるわ 来てね」1コマにここまで納めつつ、よどみなく読ませるテンポの良さ、たまらないね。
 『るきさん』が単行本(筑摩書房・1993年6月25日初版/ちくま文庫版もあり)になって少したってから、どうやら高野文子は『るきさん』の人というわけじゃなくて、もう少し前から「凄いマンガを描く人」として世間に認知されているらしいことがわかった。その仕事が『絶対安全剃刀』(白泉社・1981年)。続いて『おともだち』(綺譚社・1983年→筑摩書房・1993年)、『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』(小学館・1987年→マガジンハウス・1998年)。
 そして、リアルタイムに高野文子のマンガに触れることができたのが『棒がいっぽん』(マガジンハウス・1995年)に所収の『奥村さんのお茄子』。『COMICアレ!』創刊号(1994年5月号)に載った40ページは単行本収録にあたって68ページに加筆されていて、雑誌で読んだものとは同じだけれど違うけれど同じマンガになっていて妙に興奮したものだった。
 そして現在。『黄色い本−ジャック・チボーという名の友人』の欄外には「単行本化をお楽しみに」とあった。やっぱり大幅に手を入れられて単行本に入るのだろうか。楽しみ楽しみ。