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今日のブックマーク

丸山茂徳『「地球温暖化」論に騙されるな!』

地球温暖化といえば丸山茂徳先生の「地球はむしろ寒冷化に向かっている」の話が本になっている。

「地球温暖化」論に騙されるな!

「地球温暖化」論に騙されるな!

宇宙作家クラブの例会でお話を伺ったことがある。丸山先生のすべての説を無条件に受け入れられるかというと疑問でもあったけれど、豊富な知識を縦横無尽に組み合わせて論を立てていく様子には圧倒された。

本はタイトルだけを見ると、温暖化ビジネスに乗っかろうとする結論ありきのえせ科学と思われるかもしれない。でも地球温暖化の話に、銀河系の中で太陽系がどう移動してきたかまでも考える人はほかにいないだろう。知的刺激を与えてくれる方の本であり、読むのが楽しみだ。

G8でフランスが採り上げ、イタリアが盛り上げたネタ

さっきのニュースで見た、洞爺湖サミットのひと幕。

サミットが開催されているホテルのテラスで、G8各国の首脳の合同撮影会があった。幽玄な洞爺湖を背景に、先進国の首相や大統領が勢揃い。みんな並ぶとシャッター音がバシャバシャと鳴り渡る。

そんで撮影会が終わって、みんながテラスから建物の中へ入ろうとしたところで、サルコジ大統領(仏)が「おーいジョージ、ジョージったら」と先を行くブッシュ大統領(米)を呼び止めた。

なにかというと、テラスから数階上の窓際に、ホテルの従業員らしき女性たちが鈴なりになっているのだった。テラスのほうを見てきゃあきゃあと盛り上がっている。さすがフランス人、女性に対して目がさとい(←ステレオタイプ)。サルコジ大統領がにこにこと手を振ると、彼女たちは飛び上がらんばかりに喜んでいる。

そして登場するのがベルルスコーニ首相(伊)。サルコジ大統領の様子を見て「ここはこうするんだよ」と、熱い投げキッスを送った。女性たちはきゃあーと悲鳴を上げながら、今度は本当にぴょこぴょこと飛び上がっていた。さすがイタリア人、女性を喜ばせる心得をよく知っている(←ステレオタイプ)。

もちろん首脳たちの本題は地球温暖化対策などで、そっちはそっちでしっかりと。

洞爺湖サミットの警備と、ベトナムの交通行政は「元気玉」

洞爺湖サミットが終わるまで、都心の駅ではテロを警戒して、ごみ箱や自販機をふさいで使用禁止にしているそうだ。テロリストは開催地で要人を直接狙うことはなく、人が多い都心を狙う。そうしてテロとしての効果を上げるのだ。

さて、ふだん使っているごみ箱や自販機をこの期間使えないのは確実に不便である。でもそれは、利用者にとって深刻な問題ではない程度に抑えられている。ごみは家へ持ち帰ったり、飲み物はキオスクで買ったりできる。

つまりごみ箱や自販機の利用者は、不便さを許容するという形で、サミットの警備にリソースを供出していることになる。

いってみれば、サミット警備という孫悟空が「ふだんのままでは日本の治安を守れない、オラの警備(=元気玉)のために、みんなの元気をちょっとずつ分けてくれ!」とお願いしているわけだ。

話変わって、当局から「みんなのリソースをちょっとずつ分けてくれ」とお願いされる状況は、ベトナムでも見ることができた。

ベトナム(のハノイ)では、交通行政がうまくいっていないと感じることがよくあった。信号がなかなか変わらない、幅のある道路でも車線が引かれていないことが多い、バイクが多くて「突っ込めー」みたいな勢いでスピードを出している。

それで歩行者はどうしているかというと、すごい工夫があるわけではない。たとえば左右をよく見て、安全だと思ったら横断歩道でない場所でも道路を渡る。そうしていないと移動できない。バイクや車の人々も、車道が安全だなんて思っていないから各自周囲に気を配りながら走る。だからカオスのような道でありながら、交通事故は案外少ないのだそうだ。

これもつまりは元気玉だ。国が「予算はほかのもっと優先すべきところに使っちゃうので道路を整備するお金はない、だからみんなの元気(=注意力)をちょっとずつ分けてくれ!」と言っているのだった。

日本の交通行政はベトナムとは正反対で、とりあえず信号を守っていれば相当の安全を得られる。まれに守れない・守らない人もいるけれど基本的には、与えられたルールに従っていればだいたい大丈夫だ。この作り込み具合って日本人向きだよねーとも思ったりする。その話はまたそのうちに。

(書いてるうちに、「元気玉」状態って税金も年金も教育も環境問題も、なんでも適用できちゃう気がしてきた。でもいいや「日記を登録」だあー)

7月9日追記

ハノイに住んでいたことがあるという方から、「警察に届けていない交通事故がけっこうあるかも」というコメントをいただきました。郊外の国道で、「血だらけの被害者が救急車を待たずに『乗せてくれ〜』と車のドアをドンドンしてきたりします」だそうです。

ガイドさんが私たちに教えてくれた事故率は公式の数字でしょうから、そういうのを入れると変わってくるかもしれません。