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「電子書籍元年」の倒錯と錯覚 : EBook2.0 Forum

iPadが標準的な電子書籍端末と紹介されてしまったためか、新Kindleはモノクロだし表示速度もそれなり、ということであまり大きく採り上げられなかった。

それについては下記の記事に事情が出ている。iPadアメリカで出たあと日本で発売されるまでタイムラグがあった。その間は通信法の関係で日本国内で無線LANを使えなかったため、テレビなどでiPadの先進的な機能を紹介しようとしたとき電子書籍のことばかりになってしまったのだという。

  • 「電子化のビジネスモデルはないが、基盤となる紙の流通はもう駄目になる」? 「水平分業の出版システムを維持するには公共基盤が必要」?(第27回Hitachi アカデミックシステム研究会「電子書籍の現在 そして未来」) - かたつむりは電子図書館の夢をみるか(http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20100914/1284488319

電子書籍端末の標準が、Kindleのような電子ペーパー端末ではなくiPadであるとされてしまったことから:

iPadにふさわしいコンテンツはなかなか現れず、愛書家が読みたいものは少なく、あってもiPad(カラーLCDタブレット)でしか読めない、ということだ。その結果、日本では米国で実現したような爆発的変化(年率200%もの成長)は実現せず、携帯中心の<マンガ+アダルト>依存からの離陸に、最悪の場合、気の遠くなるほどの時間がかかることになる。日本の出版社にはE-Book市場形成の遅さに安堵する人もいるかもしれないが、それは印刷本の延命というよりは、出版市場の衰退に拍車をかけるものでしかないと思う。

なかなか危機感を持って書かれた記事。