線路の切り替え工事で、ますます開かなくなった中央線の踏切の様子をテレビで見た首相、こりゃヒドイとトップダウン一閃。でもこの話、ほかの路線で開かずの踏み切りに泣かされている人が怒ったりしないのかな、と思っていた。
d:id:kanryo:20031019#p1さんがそのあたりについて書いてくださっている。
結局、国交省の役人が鉛筆を舐めて、いかにこの中央線の踏切が「他と違って」大変な問題か、という作文をし、予算をつけることになるのだろう。他のところから苦情が出ないように。異議申し立てが出ても「いや中央線はこれこれこういう理由で対策を打つ必要があったのです。おたくは違うでしょ」と言えるように。隙のない、完璧な論理で。
霞が関官僚日記 - 小泉総理、開かずの踏切解消を指示
ナルホド。そういうしくみなのか。そういう「理屈生成システム」のバックアップがあればこそ、首相もトップダウン神拳をくり出せるのだ。昨日紹介した「俺らの命のためにお前らのカネを出してこっちに道路をよこせ」(d:id:Imamura:20031024:p2)を思い出す。
でも実際のところ、その手の作文によってほかの立場の人が「なぜあっちばっかり」とルサンチマンメーターを上げずにすむかというとそんなことはなさそうで、「うまくやりこめられた」感覚が残ることが多いのではないかと思った。