オープンソースの画像生成AIをセットアップから使い方まで解説する『Stable Diffusion AI画像生成ガイドブック』(ソシム刊)発売中(→本のサポートページ

Ryzen 5 3600で自作パソコンを新調

f:id:Imamura:20191120110159j:plain

メインで使うWindows PCを新調したくなってきた。今まで使っていたのは以下のようなマシンである。

これを組んだときの記事

CPUとマザーボードAMDから提供してもらったもの。代わりにブログでレビューを書くという企画に応募して選ばれた。

当時としてはハイエンドなマシンだったが消費電力が大きく、夏は机まわりが暑くなる。今回は消費電力が少ないことを重視して組むことにした。

CPUについて


値段が近いCPUなら、今はインテルよりAMDのほうが性能がいい。検討時、このモデルの上には「3600X」、下には「3400G」があった。

3600Xは3600より5,000円くらい高くてクロック数が少し上がっている。また倍率ロックフリーなどの特徴があるがオーバークロックで性能を追求するつもりはない。なにより3600Xは消費電力が95ワットで、3600の65ワットより高いのでやめた。

3400Gはグラフィックス内蔵で3600より6,000円ほど安い。ビデオカードが手元にあるので3400Gを選ぶメリットは少ないし、プロセスルールが12ナノメートルのままで3600/3600Xの7ナノメートルより見劣りする。

そこで3600を買ったのだが、その後「3500」が出た。

3600から少し性能を落としてあるが、同じアーキテクチャで8,000円近く安いのは魅力だ。検討時に3500が出ていたらこちらにしただろう。

今までのFX-8350は消費電力が125ワットあった。Ryzen 5 3600は65ワットだから約半分。

マザーボードについて

せっかくの第3世代Ryzenなのだから最新のチップセットであるX570かなあとも思ったけれど、調べてみたらそこまでハイエンドでなくても十分と考えてB450にした。M.2スロットを使うとSATAコネクタが2つ使えなくなるなど、HDDを積める数が減るがやむを得ない。

B450のマザーボードはたくさん種類があり、同じメーカーから複数出ていたりする。M.2スロットを使うとHDDが4台までになるのはチップセットの制限なのでそこは共通。商品によって違うのは、背面のUSBコネクタの種類や数、音声端子の数などである。

USBコネクタは「3.1 Gen1×2、Type C 3.1 Gen1×1、3.1 Gen2×1」など細かい話で、それぞれコネクタの形状や転送速度が違っている。とはいえ高速なポートに対応した外付けHDDをつなぐとかでなければ、あまり気にしなくてもよさそう。音声端子が少ない製品はリアスピーカーの端子とライン入力端子が共通で、設定ツールで切り替えるようになっていたりする。

ASUSのPRIME B450-PLUSを選んだ理由はなんだっけ? 検討リストを見直してみると、GIGABYTEB450 Gaming X (rev. 1.0)でもよかった気がする。USB Type-C端子があるのがASUSのほうだったとか、そんな理由だったかも。(今のところUSB Type-C端子が必須の周辺機器は持っていませんが)

PRIME B450-PLUSの音声端子はライン入力とリアスピーカーの端子が共通になっている。手元のカセットテープをデジタル取り込みする遠大な計画を進めるのと、サラウンド対応のゲームを遊ぶときで切り替えて差し替えることになる。どちらもたまにしかやらないので手間ではない。

メモリについて

今までは16GBで大きな問題はなかった。長期間使えるようにしたいと考えて今回は32GBにした。Ryzenはメモリの性能が大きく効くというのをどこかで聞いたので、標準的なDDR4-3200ではなく少し早いDDR4-3600を選んだ。

それにしても、メモリの値段は2012年からずいぶん高くなったものだ。当時は16GBで5,000円だったのが、今回は倍の容量で値段が3倍になっている。一時期ものすごく高くなったのが下がってなおこの値段である。

ストレージについて

前のマシンのSSDは組んだ当初の容量が128GBだった。その後値段が下がるのに合わせて250GB、500GBへと入れ替えて増量していった。500GBあればアプリケーションをいろいろ入れても、そうそう足りなくはならない。今回は容量は500GBのまま、接続方式がSATAではなくM.2のNVMe SSDを選んだ。NVMeのSSDは、マザーボード上のスロットにメモリのように装着する。

スペック上、SATASSDはHDDの3倍くらい早く、NVMeのSSDSATASSDの5倍くらい早い。HDDをSATASSDに切り替えたときにアプリケーションの起動がすごく早くなったと感じたが、NVMeにすればさらに早くなるだろう。

ビデオカードについて

旧マシンを組んだ当初のビデオカードビデオチップGeForce GTX 570Tiだったが、2017年の暮れにGTX 1050Tiのビデオカードを買った。これを継続使用する。消費電力は219ワットから75ワットへと1/3になった。それでいて安くて性能は上なのだから技術の進歩はすごい。1050TiはパソコンにつなぐVRの用途では最低スペック。VRはこの次にビデオカードを買うころに導入できたらいいな。

電源について

これも入れ替えずに継続利用。550ワットは今の構成だとオーバースペックになった。


組んでみた結果

組み立ては特に問題なく完了。

そしてWindowsのインストールがすごく早くなった。プロダクトキーなどを入力してファイルをコピーし始めてから5分ほどでもう国と地域を選ぶ画面が出てきた。もはや放っておいてしばらく待つという感覚ではない。インストールイメージはUHS-I(転送速度10Mbps)のmicroSDに入れていて、USB3.0のカードリーダーからNVMe SSDへインストールしたから早いのだろう。以前このマシンにWindows 8.1をインストールしたときは20分くらいですみ、このときもずいぶん早いと感じた。

上の記事でも書いたように、NVMe SSDからの起動の際に、今後取り外す予定のSATA SSD内にあるシステム予約領域が必要になると具合が悪い。これからシステムをインストールするNVMe SSD以外のストレージをすべて外してからWindowsをインストールすると、そこにシステム予約領域が確保される。そのあとこれまで使っていたSSDやHDDを接続した。すると問題なく認識はされたが、その中のファイルを操作するたびに「管理者の権限が必要です」みたいに言われるようになってしまった。

これはほかのシステムでフォーマットしたHDDをつなぐと起きることがあるらしい。

↑の記事などを検索していろいろやってみたが改善しない。ちょうど手元にあった新品のHDDにいったん中身を全部移し、元のHDDをフォーマットして書き戻した。これでアクセス権の問題は出なくなった。

Ryzen 3600はとても快適。メモリは潤沢でアプリケーションの起動も明らかに早くなった。CPUの消費電力はFX-8350の125ワットから65ワットに半減し、ビデオカードの消費電力も219ワットから75ワットと3分の1になった。ファンがブンブン回ることはなくなり静かでよい。これでまた6~7年は使いたい。