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台湾にはDIY文化がないという話

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高須正和さん(@tks)の本『メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。』のイベントが3331アーツ千代田で開催されて行ってきた。

この中で、登壇者の一人「DJきなこもちアイス」さん(@DJ_kinako)が台湾DIY事情について話していてこれがなかなか面白かった。

  • 台湾にはDIYの文化がない
  • 幼稚園などに持っていく巾着袋はお母さんが作るものではなく、お店で買うもの
  • そもそもホームセンターがない
  • 東急ハンズはあるが単なる輸入雑貨屋
  • 「自分で作る」というと「IKEAみたいなの?」と言われる(今村註:IKEAの家具は自分で組み立てるので「半DIY」ともいえる。自由度が低い代わりに組み立てやすく、完成品を買うよりは安い。IKEAの独特さについては「IKEAのテレビ台に穴を開ける」(d:id:Imamura:20140915:IKEAで書いた)
  • 電話やドアノブのカバーを編み物で作るような、お母さん手芸の文化もない
  • 子供向け雑誌の付録で自分で組み立てるようなものもない

ホームセンターがないというのはかなり衝撃で、自分の手を動かしてどうにかする感覚は人間誰もが持っているものではないのだなとわかった。

台湾は3Dプリンタを自作する人が多く、台北RepRap(という自作3Dプリンタ規格)のコミュニティはとても活発だと聞いたことがある。

D-FORCEという3Dプリンタキットの会社は台湾にある。

台北にはラジオ会館的な電気街もちゃんとある。

そもそも台湾はパソコン関連パーツの製造が盛んである。そのわりにDIY文化がないというのは面白い。3Dプリンタやパソコンを自作するのは相当すごい人たちだけで、普通の人が棚を作るようなライトなDIYの部分がすっぽり抜けているということだろうか。

台湾にDIY文化を輸入できたらビジネスチャンスかもしれませんぞ。

台湾は「河レイヴ」も面白い

台湾に若者のクラブ文化が育っていない理由として、少人数のクラブイベントを開催できる小さい会場がなくオーガナイザーもいないという事情が紹介された。それとは別に、年配者は毎晩川原に音響機材を持ち込んで勝手に歌ったり踊ったりしている。DJきなこもちアイスさんはこれを「河レイヴ」と名付けたそうだ。

台湾はなんでもおいしい

何度も書いているが台湾と香港は似ているようでいて食べ物のおいしさのあり方が全然違う。香港は「味の資本主義」で、お金を出せばそれだけおいしいものが食べられる。安いところは安いなりのものしか食べられない。ところが台湾はなんでもおいしくて、そのへんの屋台で買う弁当までおいしい。台湾吉野家の牛丼もおいしかった。といっても牛丼は日本とまったく同じ味で、あれで台湾でやっていけるのかと思うかもしれないがつけ合わせがキムチでこれがおいしいのだった。台湾は機会があればまた行きたい。

帰りに撮った写真

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追記:台湾のコスプレ事情との関連

これは当日聞いてここに書き忘れた話。布を買う店がないとしたら、ネット通販で買ったりしてるんでしょうかねえ?

さらに追記:台湾には布の問屋街があることがわかった

台北にある「永楽市場」という布の問屋街で買い出しをした。日暮里がビルに詰まっている感じの場所だ。

底辺ユーチューバーが海外で個展を開催したおはなし - デイリーポータルZ

(6月24日記)