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すごすぎてジオラマに見えないジオラマを作る人

巣鴨のさかつうギャラリーで開催中の、荒木智のジオラマ展示会に行ってきた。さかつうギャラリーはジオラマやミニチュアの専門店である。

この人のジオラマジオラマのレベルを超えている。うまく撮ると「これのどこが模型なの?」になってしまう。

実物を見てみるとあまりにリアルな情景があまりに小さく展開していて頭がくらくらしてきた。

廃漁船ジオラマ「港の片隅で」の全景
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トラックのジオラマ「昭和の終わりに」の全景
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ゴッサム・シティ」全景
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石焼いもジオラマ全景
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ギャラリーは撮影自由ということで、これらの作品をいかにもジオラマらしくなく、本物のように撮影しようとしてみた。

普通に撮ると絞り開放(このレンズではf1.7)では被写界深度(ピントの合う範囲)が狭く背景がボケすぎてしまう(シャッター速度は1/250秒)
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f9.0まで絞るとシャッター速度は1/30秒と遅くなるが奥までピントが合う
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あとは画角である。今つけているマイクロフォーサーズで20ミリ(35ミリ換算で40ミリ)のレンズで対象に寄っていくとパースがなさすぎていかにもミニチュアに見えてしまう。もっと広角のレンズにして寄ればパースが大きくなってよい気がする。iPhoneにワイコンをつけて撮影してみた。

ほどほどのパースというのが難しい。これは車が車の大きさに見えず小さく感じる
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ワイコンをつけると前後の人物の大きさがかなり違う(=パースが強い)
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「港の片隅で」はこんな感じに
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同じく「港の片隅で」。これはあまり模型らしくなく見えませんか
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巨大な指が漁船のドックを襲う
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「昭和の終わりに」の隅にはドラム缶とビールケースがある
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そこをマクロレンズでアップにするとこう。葉は数ミリしかない
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ビールケースも超リアル
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被写界深度が前後に狭いのはマクロレンズの特性で仕方がない。絞りをマニュアル設定できるカメラアプリを使い、絞りを絞る(=f値を大きくする)と被写界深度を広くできるがシャッター速度は遅くなるから、三脚を使えばもう少し広い範囲にピントが合っている写真を撮れるかも。

(12月20日記)