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大河原邦男展、夜行バス

取材は午前中で無事終わり、22時に三宮を出る夜行バスまで時間があいた。JR三ノ宮駅の隣の灘駅から10分ほど歩いたところに兵庫県立美術館があり、ここで大河原邦男展をやっている。ちょうどいいので行ってみた。

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メカデザイナー大河原邦男@mydogcopelove)といえばなんといっても「機動戦士ガンダム」であるが、リアル志向でミリタリー方面に振り切った「装甲騎兵ボトムズ」がある一方、「ヤッターマン」に代表されるコミカルなメカもたくさんデザインしている。これらの仕事が同時期にあったというのだからプロはすごい。音声ガイドを聞いていたら「シリアスな作品の仕事をしばらくやって、気分転換にコミカルなものをやったりした」と話していた。

ガッチャマンヤッターマンダイターン3トライダーG7ガンダムダグラムボトムズ、ウラシマン、バイファムレイズナードラグナー、ガラット、アイアンリーガーマイトガイン、ガオガイガー、その他たくさんの作品の設定画、ポスター、映像、おもちゃが展示されていて、見ていない作品もあったがとても楽しめた。

ザクのデザインについての話が面白かった。主人公メカであるガンダムは多くの声を取り入れて調整しつつ作り上げた共同制作作品だが、敵メカは基本的に商品化もされない「やられメカ」のため自由にデザインできた、富野喜幸からの「一つ目にすること」という指定だけをもとに一人で仕上げる楽しみがあったという。

ボトムズ」のスコープドックについては、「太陽の牙ダグラム」で有名な腰を下ろして手をついたダグラム、いわゆる「朽ちダグ」のポーズがダグラムの股関節デザインでは実際にはできないのが気になっていた、股関節を含めてポージングの自由度が高いロボットを依頼もないまま考えていたら「ボトムズ」の企画に参加することになり活かすことができたとのこと。

ボトムズのコーナーには例の実物大スコープドック・ブルーティッシュカスタムが展示されていた。今や「クラタス」で有名になった倉田光吾郎を一躍時の人にした作品である。2005年に水道橋のギャラリーで公開されたのを見て以来だから8年ぶりだ(d:id:Imamura:20050428:votoms)。鉄の説得力はやっぱりすばらしい。

そのほか、ロボットの変型を考えるときは木工で模型を作って実際に動かしてみていたとか、案外知らない話がいろいろと。

「戦闘メカザブングル」とか「機甲界ガリアン」とか、大河原邦男がメカデザインをしていて日本サンライズの作品であるがまったく紹介されていないのもあったのはなにか事情があるのだろうか。ザブングルも主人公メカ以外はリアル系で、ミリタリーではなく重機のテイストだったり、大きさにバリエーションがあったりしてけっこう好きだったな。

そんなこんなで出てきたらもう閉館時間。3時間くらい見ていたことになる。堪能しました。

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近くのスーパーの休憩コーナーでしばらく休憩し、神戸市役所前から夜行バスに乗って東京へ戻った。

今回の移動距離はGPSロガーによると約1400キロだった。

(4月13日記)