配付資料
中継録画
発表概要(山本)
油井飛行士は初めての宇宙滞在となる。
ミッション概要。
2015年6月ごろから半年程度、ISSへは往復ともソユーズ宇宙船を利用。フライトエンジニアとしてISSの運用にあたる。そのほか宇宙環境を利用した宇宙実験など、詳細は今後検討。
ISS滞在に必要な訓練を今月下旬から開始。
油井亀美也宇宙飛行士の談話
多くの支援でやっとここまで来られた。
現在の有人宇宙活動としては星出彰彦さんがISSで大活躍している。ロボットアームを使って初めて小型衛星を放出したり、メダカの育成をするなど。
さらに来年は若田光一さんがISSコマンダーとして搭乗することになっている。日本人宇宙飛行士の活動が活発。
わたしはいま42歳、この年齢で新人といえるかわからないが
まことに光栄なこと。がんばっていきたい。
わたしと一緒に宇宙へ行くロシアやアメリカのクルーはまだアサインされていない。ISSでの役割も詳細は決まっていない。
わたしのような新人でも打ち上げ時期までに必要な能力を身につけて仕事をしなければならない。
やるからには全人類のために仕事をしたい。宇宙へ行くまで、一歩一歩自分の能力を高めていきたい。
宇宙飛行士になって1年、この年齢ですがまだまだのびしろがある。搭乗までに能力を高めていって、国民の皆さんの期待に応えられるような能力を身につけていきたい。
そうすればISSから帰還後どうなるかはまだわからないが、さまざまな分野で自分分の能力をいかせるだろう。
これからもいろいろな方の支援が必要になる、声援、ご支援をお願いしたい。
質疑応答
読売新聞ほんま:候補者に選ばれたときは中年の星として夢を与えたいと言っていたが宇宙でミッションのほかにどういうことをしたいか
油井:なにをするかは決まっていないので具体的なことはなかなか申し上げにくいが、私の名前に「亀」があるが亀のように遅くても一歩一歩でもがんばれば少しずつ進むことができる。
中年の星というフレーズはちょっと恥ずかしかったがなかなか星とは言えず6等星くらいでやっと見える星だった。がんばってやりとげて、空に輝けるような中年の星になりたい。
毎日新聞のだ:この年でののびしろ、どういう能力が身についてきたという実感があるか
油井:ロシア語はゼロから始めたがいまでは日常会話くらいなら問題ない。磨き上げてソユーズで上がりロシアの人と仕事していく。少しずつやれば伸びていく。体力もトレーニングで伸びている。大学時代と同じくらいにしぼっている。やればできる。
のだ:誰に感謝したいか
油井:JAXAの人々、Twitterでのコメント、ブログへの意見など。またNASA、ESAの方々、わたしをここまで鍛えてくれた人々。
ライター林:抱負の文章内で「自分自身の心の壁を乗り越えて」とあるが具体的には
油井:ロシア語で伸び悩んでいるときなどに周囲からはげまされた、毎日努力していくと壁を越えられて自分の能力が(高いことが)わかった。
トレーナーさんにも高い目標を示され「それは無理では」と思っても毎日信じてやっていると目標を超えられた。そういう経験からお互いの励まし合いが大切、それがいまの実感。
林:新しい宇宙計画を宇宙政策委員会で策定中、なかなか決まらず難しい、有人宇宙開発のどんなところをアピールしたいか
油井:有人宇宙開発は将来への投資だと思っている、教育などもそうだが将来への投資をおこたると未来が暗くなる。明るい未来のために仕事をしていると思っている。成果が出ないと国民の皆さんも納得がいかないだろう。与えられた任務を100%、120%に発揮すればわかっていただけるはず。
アメリカでは民間が宇宙旅行に乗り出していて宇宙への進出はさからえない流れ。その中で日本も止まれない。それを目指していきたい。
ニッポン放送はたなか:中年の星というが若返ったようにも思える。これまで3年半あったが宇宙へ行くまでさらに3年ある。今後の見通しや目標は
油井:与えられた任務をいっしょうけんめいやって、なんとか成果を出そう、期待に応えようとしてきて成長できてきた。これからも同じように成長していくだろう。
選抜されたときは宇宙飛行士になること自体が遠いことと思えたがこうやって宇宙へ行けるようになった。先輩飛行士は遠い目標に思えるが少しずつ近づいていきたい。
一番の目標は宇宙で仕事をすること。自分自身にはっばをかけながらがんばっていきたい。
はたなか:ISSで仕事をしている星出さんの様子をどう見ているか
油井:星出さんは自分の上司でもある。地上からサポートしているという面でもがんばってほしいと声援を送りたい。いい目標になる
時事通信かんだ:搭乗決定の連絡はいつどのような形で。お子さんには伝えたか。その反応は
油井:(現地時間の)今日の朝メールで知った。今日は妻が結婚して初めて寝坊した日で、子供を送り出すのにばたばたした中だったが非常に喜んでくれた。子供たちは学校から帰ってきて同じように喜んでくれたが意外に淡々としていた。お父さんの頼りないところも見ているからかも。
かんだ:同期で最初に選抜された理由についてどう考えるか
油井:新人3人は同じような訓練を受けている。結果も同じだろう。誰が選ばれてもおかしくなかった。また年齢のことだが一日でも長く生きていれば経験豊富と思われたのかもしれない。
信濃毎日××:長野の星空が自分のルーツと言っていたがそのことについて、また宇宙から長野の子供に伝えたいメッセージは
油井:私が生まれ育った川上村の星空は美しく、それを見ていなかったら宇宙飛行士を目指さなかっただろう。あの星空はわたしの子供も感動していた。星空には人を感動させるなにかがあるのだろう。
長野は自然が豊富で興味さえあれば学べることはいろいろある。宇宙飛行士に限らず自然に関することで目標があるならとてもいい環境。いろいろなものに興味を持ってほしい。交信イベントもしたい。長野に限らずどこの子供たちとも。
NVSさいとう:先日ロシアやアメリカの長期滞在のメンバーを1年間に延長すると発表された。油井さんのタイミングはどうなるかわからないが1年組と半年組がミックスされることについてどう感じるか
油井:それによる大きな問題があるとは思わないが、宇宙飛行士は優れた資質を持っていて仕事をするのが楽しみ。不安はない。
さいとう:自分でも半年ではなく1年行きたいか
油井:意気込みはいつでもある。今回は半年をアサインされたのでその中でせいいっぱいやりたい。
さいとう:前職でジェット機にたくさん乗っていて訓練でタロンに乗っただろうが乗り心地は
油井:T-38は古い飛行機だがすばらしい。パイロットになるため以前乗ったことがあった。その点で新しい感動はないがいい飛行機。前職ではもうちょっといい飛行機に乗っていた。といってもパイロットとしては完璧ではなくいい訓練になった。
NHKたなべ:宇宙へ行ってみてしてみたいこと、宇宙を実感するためにしてみたいことはあるか
油井:一番は、面白くないコメントかもしれないがいろいろな実験をしたい。宇宙飛行士は忙しいので安全に効率よくミッションを達成できるにこしたことはない。それには地上での訓練が大切。その結果を宇宙で実践できるか確かめたい。その経験を次の人に伝えるなどできるだろう。
また宇宙から見た地球は誰もが美しく感動するというので自分も楽しみ。皆さんに感動を伝えたい。
たなべ:音楽を聴いてみたいなど具体的なことはあるか
油井:実験でなにをするか決まっていないがたとえば実家は農家なので植物を育てる実験があれば興味深い。与えられた任務を果たしたい。いろいろな訓練をしてきたのでその成果を早く国民の皆さんに伝えたい。
ライター林:Twitter(http://twitter.com/Astro_Kimiya)での発信がある時期から多くなった理由は
油井:自分がしていることを国民の皆さんにもっと知ってもらいたいと思っている。Twitterでは質問が多く届き「こういうことを知りたいのか」とわかってきた。個別の質問には答えられないが積極的になっていった。
よりよいTwitterにしたいので意見をください。宇宙からのツイートも楽しみにしている。
林:一般の方とのコミュニケーションで気づきがあったり楽しんだりしているということ?
油井:国民のみなさんの理解がないと成り立たない。こういうツールを使ってよかった。
林:ストイックに訓練をこなしている一方、家ではだらしないそうだが宇宙でのリラックス法は考えているか
油井:読書が趣味なのでいろいろな本を読みたい。たくさんの本は持って行けないので電子書籍を持って行くなどもよい。文章の書き方を練習して言葉ででも感動をうまく伝えられるようになりたい。
林:どんな本を
油井:歴史が好きなので歴史関係、科学の最新情報など実験に関わるものも。
(質疑応答は終了、JAXA広報の方が写真撮影をうながし「笑顔など撮ってください」と言うと)
油井:宇宙飛行士候補に選抜された最初は笑顔がひきつっていたが3年半でよくなってきたかも(笑)
聞けばよかったな
- 大西飛行士や金井飛行士の反応は?
- 搭乗決定時にどんなふうに連絡があるのかなど、先輩飛行士に聞いたりしたか、もし聞いていたら自分の時はどうなるだろうと想像していたか、また実際に連絡を受けたときはどうだったか、どう感じたか
- 宇宙飛行士に認定されてからフライトまで4年間というのは先輩飛行士に比べても早いと感じるがどうか
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