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『チェイサー』を観た

新宿のシネマスクエアとうきゅうにて。予告編で「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」が流れた。短いカットをたくさんつなげた形だからどういう話になるのかはわからねど、あっあのシーンあるんだ、みたいなのはいろいろと。

それはともかく『チェイサー』だ。

見どころ
韓国で大ヒットを記録し、ハリウッド・リメイクも決定したクライム・サスペンス。元刑事とシリアルキラーの壮絶な追跡戦が、息づまるほどの緊迫感で繰り広げられる。
チェイサー 上映映画館-MovieWalker:ムービーウォーカー

韓国で実際に起きた、女性ばかり20人以上を手にかけた連続猟奇殺人事件が題材の韓国映画。『殺人の追憶』や『オールド・ボーイ』にちょっと近いといえば近いかも。猟奇事件を扱う映画ながら血がドバーとかはあまりなく、とはいえ数少ないそのシーンは強烈だけど、全体の流れは事件がもとで追いかけたり追いかけられたりが余分に発生して、いろいろな不備があらわになるという話だった。特に警察がやり玉に挙げられている。でもあれは主人公(追うほう)が直情的でよくどなるし暴力をふるうし、しかも元刑事だから警察のやり方を知っているぶん周囲は扱いづらくもある。これは主人公をアホにして話を面倒にするメソッドか。「なんでそこでそうするのか!主人公のアホ!」「落ち着いて話せば通じたかもしれないのに!主人公のアホ!」みたいな作り。そこは本人の思い込みが激しいからこそちぐはぐになる描写なのかも。でも最後のほうでは、主人公の激情が映画的においしく作用するしかけがあって、好きな人にはたまらんだろう。

ちょっともどかしさはあっても、話をぐいぐい引っぱるしかけはとてもうまい。そこでいきなりそうなっちゃうんだ、えっじゃあこのあとどうなるの、という流れがいろいろと。途中、いくつかの事象が同時進行したりするので、見る側の集中力が中盤でとぎれていると話を見失っちゃうかもしれない。

汗や体臭を意識させる描写が多いなとも感じた。よく雨に濡れたりするし。でも全体の湿度はあまり高すぎない。このバランスは面白いと思った。

(09/05/19記)