開票速報を見ていると、開票率が極端に低いのにもう「当選確実」が出ることがある。
これってどうしてだと思いますか。
(案外単純な話なので、考えるのが好きな人は、考えてみると答えを思いつくでしょう)
(そもそも選挙の開票を、どういう手続きで行うかを想像してみるとよいです)
(自分が開票作業を行うことになったら、どうやれば効率がいいか考えてみると…)
では答えです。
聞いた話によると、投票が終わったら投票箱を開けて、まず投票用紙を候補ごとに分けて山を作るのだそう。その上で、各候補の票数を数えるのだそうだ。
だから、投票用紙を候補ごとに分けた段階で、もし山の大きさが圧倒的に違っていれば、票を数えるまでもなく当選確実だとわかるしくみなのだとか。
このエントリは、↓を読んで書きました。
ところでよく解らないのだが、当確ってのはどういうシステムで算出してるんだろうか。出口調査基準?開票0のまま当確が出てるというのは違和感が。
妄想科學日報 - 超保守的な日本
追記
当のid:DocSeriさんから鋭い指摘が。
いやしかし、例えば100万票を遥かに越える東京都の当確が、8時半前には既に出ているわけで。そんなに振り分け早い?
はてなブックマーク - まんぷく::日記 - 「開票率0%」でもう当確が出る理由
むう、確かに。しかし100万人のオランダ人がいれば…いや嘘です。
でも想像してみると楽しい。
100万人のオランダ人に100万票を配るのにかかる時間がとか、そもそもオランダ人は漢字を読めるのかどうかとか、想像するほど難がある計画ですが。ははは。
(実際は開票所が複数あって、百万人ぶんを一気に開票するわけではないと想像)
以下は、やはり投票終了から当確が出るまでの短さの指摘。そしてその上で、どうやって当確を出しているかの想像。
自分は「票を候補ごとに山分け」の作業が15分とかそこらで出来る作業なのかどうか、ってのが引っかかるとういか、なんというか。
(中略)
だから、まぁ、これは自分の全くの想像でしかないけど、
- 投票箱を開けて、「十分にシャッフルされた」票の山から、5人なり10人なりが「適当に」10枚とか20枚とか票を取る。
- 10枚(とか20枚)だけ、チェックする。
- ソレをもって、投票全体の比率とする。
って感じなんじゃないかなぁ、と。
(中略)
「全体を大まかに見る」と言うよりは「サンプリングして全体を予測する」って感じではないかと。
ウスイ スウプの日記 - ん?(※引用者註:引用にあたって、一部マークアップを変更しています)
最初に出した「まず票全体を候補者ごとに分ける」という話は、20年くらい前の安野光雅のエッセイ「算私語録」で読んだもの。
もしかすると今は、郵便はがきの振り分け機みたいな超ハイテク技術(←重複表現)が使われているのかもしれませんね。
こんな話も見つかりました。実は超ローテク技術!?
(Qどうすれば(開票にかかる)時間短縮ができるのですか?)
特別なノウハウがある訳ではない。
ちょっとした創意工夫で効果を上げられるのがミソ。
例えば、開票事務にあたる職員の服装。背広、ネクタイはやめて、動きやすい作業服に運動靴にする。
開票台の高さを10センチ上げるだけで、背筋が伸びて腰にも負担がかからず作業能率が上がる。
投票用紙と同じ大きさのイチゴパックの容器。票の仕分けで威力を発揮する。小さな工夫でも全員が努力すれば、半分以下に時短できるという。
解説委員室ブログ:NHKブログ | おはよう日本「おはようコラム」 | おはようコラム「目指せ!『開票時短』日本一」
この記事は、開票を早く終わらせることが人件費の節約になるし、そのことが市民サービスなのだ、という話も出ていて、なかなか面白いです。
「算私語録」のこと
安野光雅のこのエッセイ、頭がやわらかくなる感じでおすすめです。
- 作者:光雅, 安野
- 発売日: 2000/11/01
- メディア: 文庫
- この日記内の紹介記事:「安野光雅『算私語録』(ISBN:4022603100)を買う」(d:id:Imamura:20050816:anno)